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高校球児の身体作りをサポートする取り組みを徹底取材!

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2024.2.14

高校球児の身体作りをサポートする取り組みを徹底取材!

この日、須磨翔風高校野球部の皆さんが神戸女子大学のポートアイランドキャンパスに来校。野球部の皆さんの体組成やボディバランスなどの測定と、食事内容調査を実施することで食生活やトレーニング方法についてアドバイスを行う取り組みが行われました。

担当するのは、これまで数多くのプロアスリートを栄養学の観点からサポートしてきた坂元先生(健康スポーツ栄養学科)のゼミに所属する学生たち。全力でスポーツに向き合う野球部の皆さんと接する学生たちの様子を取材しました。

実施するのは一流選手も活用する“アスク測定”

今回実施したのは、 “アスク測定”と呼ばれる測定法。この方法では、選手一人ひとりの身体能力と健康状態を総合的に測定し、トレーニングプログラムや食事内容の最適化を図ることができます。

測定は3箇所に分かれて実施!

体組成の測定

体組成の測定は体組成計を用いて行います。
体組成とは、筋肉や脂肪、骨など私たちの体を構成する組織のこと。体重だけではなく、身体の部位ごとの体脂肪率や筋肉率などの体組成をチェックして体のバランスを知ることができます。

測定中…
左右の手足と、胴を含めた体幹部それぞれの体脂肪率や筋肉量が細かく判明

ボディバランスの測定

ボディバランスの測定は、地面に対して垂直と並行に引かれたマス目の前で行います。体の軸がぶれることなく、指定されたポーズをとることができるのか測定し、その結果からその人に合わせた体幹トレーニングのメニューを提案します。

学生自ら測定時のポーズを指導。
さすが高校球児! 鍛えられた体幹を披露
カメラを通して手元のパソコンで測定、記録していきます

ヘモグロビン量と骨密度の測定

骨折をはじめとした怪我や運動機能に直結する、骨密度とヘモグロビン量も測定。この結果は鉄分やカルシウムを対象とした栄養指導に役立てられます。

ヘモグロビン量測定器を使用し、40秒ほどで測定
野球部の皆さんは、お互いの数値に興味津々!
骨密度の測定では、「骨折リスクは高い方ですか?」と質問も

脂肪、筋肉、骨、水分など、身体を構成する成分を細かく測ることで、トレーニング内容だけでなく、日常の食生活に関する指導もできるアスク測定。

高校球児からの質問に笑顔で対応

野球部のコーチからは「部員は運動後に補食としておにぎりを摂るなど、『丈夫な体、大きな身体を作ろう』という意識を持っています。しかし、食事について専門的な知識を得る機会や、このような機器で自分たちの身体のことを数値で把握できる機会はありませんので、貴重な一日になっています。」という声をいただきました。

測定後はスポーツ栄養講習会。試合で実力を発揮するための食事について学ぶ!

測定後は、健康スポーツ栄養学科の坂元先生が高校生のみなさんに特別栄養講習を実施。試合当日、試合前日、それまでの日に分けて、それぞれのタイミングでどのような栄養を摂取することが望ましいのか、などの講義が行われました。その内容を少しだけ紹介します。

試合当日は、運動能力が発揮される交感神経を働かせる必要があるため、食べ物の消化時に働く副交感神経を落ち着かせるように4時間前には基本的な食事を済ませておくようにします。

食事の摂り方を誤れば、交感神経が働かず運動パフォーマンスに影響が及んでしまいます

そして、忘れてはいけないのが運動後のリカバリー食。ここでは運動前に摂取できなかった栄養素を持つ肉や魚、野菜などを、胃への負担が少ない料理で摂取できると理想的。

野球部の皆さんは「今日の話を何とか自分のものにしよう」と、夢中になって講義に耳を傾けている姿が印象的でした。

坂元先生の講義は学生にとっても有意義な時間

参加学生と先生の想い。スポーツに携わる人の成長を願って。

測定終了後、体組成測定を担当していた健康スポーツ栄養学科4回生のHさんと、ボディバランスの計測を担当していた同学科3回生のOさんにお話を伺いました。

――ゼミでは普段どのようなことをされているのですか?

Oさん「最近は3回生を中心に今日測定する参加者の名簿の作成など、今回の事前準備をしていました。多い日は100人近い選手を計測することがあるので、当日の計測をスムーズにするためにも事前準備は重要です。」
Hさん「あとは栄養調査で取得したデータの取りまとめをしていることが多いです。今回のデータをまとめていき、1か月後には今後の食事計画やおすすめのトレーニングメニューを一人ひとりに提案する予定です。」

左から健康スポーツ栄養学科3回生Oさんと、同学科4回生Hさん
もちろん、測定中の空き時間にもデータの取り纏めを行います。

――アドバイスは皆さんが考えられるのですか?

Hさん「はい。栄養学を専門に学んできたので、その知識を活かして実践しやすいアドバイスを心がけています。」
Oさん「この後3日間、何をどのくらい食べているのかを細かく調べる、食事調査を行います。様々な視点からたくさんのフィードバックをしていきたいです。」

インタビューの受け答えから、これまでにも多くのスポーツ現場での測定を経験している学生だからこそ、何をするべきか明確に理解していて、自発的に行動していることが伺えました。そして何よりも『スポーツに向き合う人の力になりたい』という考えや、実際にスポーツに携わっていることに対する充実感を感じることができました。

学生や高校球児へのメッセージを語る坂元先生

坂元先生は、ゼミ生に向けて「私のゼミには主体性を持った学生が多く集まっているので、活動そのものは参加する学生たちに任せています。今は大変でも、将来振り返ったときに『タメになっていたな』思えるようにたくさんの経験と技術を得てほしいと思います。」

高校生の皆さんには「高校生の今の時期は、体づくりができる最後のチャンスです。後日学生からお返しするフィードバックを、トレーニングと同じように自ら進んで実践してほしいと思います。」と話してくれました。

坂元ゼミに所属する学生の経験としてはもちろん、育ち盛りである高校球児の皆さんにとっても、成長を左右する大きな財産となったであろう本日の取り組み。健康スポーツ栄養学科はスポーツの現場で学ぶ”現場実践主義”で学ぶことが特徴!興味を持った方は、ぜひ学科WEBサイトやSNSをチェック!

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