神女サポート
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2023.1.30
2022年5月、神戸女子大学ポートアイランドキャンパスに『神女ポーアイボランティアセンター』が設立されました。実はこのボランティアセンターは学生が主体となって設立した団体です!今回はそこで活動する学生にインタビューを行いました。 学生と地域を結ぶボランティアセンターの代表の学生にインタビュー! 代表を務める社会福祉学科2回生のKさんにお話を伺いました。 ―ボランティアセンターを設立したきっかけを教えてください。 1回生の3月まではコロナの影響もあり、充実した学生生活が送れているとは感じられず、『何か変えたい!』と思っていました。そこで思い切って地元のボランティアセンターを訪ねましたが、コロナ禍でボランティア募集があまりなかったため、規模が大きい大阪ボランティア協会が主催する【初めてのボランティア説明会】を紹介して頂けることになり、参加しました。そこで出会ったボランティアコーディネーターの方に、大阪公立大学のボランティアセンターと大阪ボランティア協会が主催する「ソーシャルイノベータープログラム」という若者の事業立ち上げプログラムをご紹介頂き、そこで主体的に活動する他大学の団体から多くの刺激を受けました。そんな時、大学のボランティアセンターの多くは学生主体で立ち上げる事例が多いと知り、私と同じように『何か変えたい』と思ったシンジョ生が立ち寄れるボランティアセンターを作ることが出来るならと思い、自分で立ち上げよう!と決意しました。 ボランティアセンター 代表のKさん 社会福祉学科2回生 ―立ち上げ時はどのような苦労がありましたか? すでに団体立ち上げのプロセスを学んでいたので、とても苦労したという感覚はそれほどありませんでした。ただ、ホームページの作成や活動時の交通費など、資金面で大きな壁があることに気づかされました。当然私個人で工面することは難しく、現在の顧問の先生に相談させていただきました。そこで『神女support』という助成金についてお聞きし、応募したんです。すぐに資金調達ができたおかげで、設立から約半年ですが様々な活動ができたと思います。 ボランティア活動時のTシャツも助成金を使用してすぐに作成し、課外活動時に着用 ―普段はどのような活動をしていますか? 現在スタッフは8名で、今年は私達の存在をたくさんの団体の方々に知って頂くためにも他のボランティア団体がまとめる既存企画に多く参加しました。ボランティアセンターとしては学生が充実した生活を送れるよう、広報部とコーディネート部、企画部に分かれて活動しています。長期休み前などには告知を行うので、ボランティアに限らず、現状を変えたいという方はぜひ相談に来てください。全力でサポートさせていただきます! ―今後の目標について教えてください! これからは私たちが発起人となって、周りを巻き込めるような大きなイベントを企画したいと思います! センターのスタッフたちの打ち合わせの様子 ボランティアセンターの命運を握る広報担当の仕事とは? 広報担当として活躍中の社会福祉学科2回生Mさん。スタッフになったきっかけや、広報担当としてのお仕事についてお聞きしました。 ―スタッフになったきっかけは? ボランティアセンターのインスタでKさんの活動を目にし、挑戦する姿に刺激を受けたことです。当時、私も学外で何か経験を積みたいと考え、7万人ほどのフォロワーを抱えるインスタグラムアカウントの運用を担当していたので、その経験を活かしたいと思いスタッフとして参加しました。 広報担当 Mさん 社会福祉学科2回生 ―広報担当就任後はどのようなことに着手しましたか? 投稿の系統を揃えることから始めました。投稿内容が見づらいと内容が伝わりにくいので、見やすさを意識しています。 ポーアイボランティアセンターのInstagramはコチラ ―苦労した点を教えてください。 ボランティアセンターのアカウントでは、活動により興味を持っていただけるよう、現場の空気感を動画や画像で伝える必要がありました。単に情報を伝えるだけではいけないという点に苦労したんです。これは他のボランティア団体の投稿を参考にすることで日々改善しています。 ―インスタグラム以外の広報は? ホームページとLINE、あとは1年間の活動内容をまとめた雑誌の制作もしています。楽しみにしていてください! ―ボランティアセンターの活動を通して得たことは? 学生主体で活動するため、誰かが先頭に立つべき場面がよくあります。そのような時に『自分が』という責任感が芽生え、定期的な会議なども率先して取り仕切るようにしています。これからの目標は『シンジョといえばボランティアセンター』といわれるようなアカウントを目指して、広報活動を続けていきたいと思います。 設立間もないボランティアセンターでは1回生も主力として活躍中! 設立から約半年で多くの実績を残してきたボランティアセンター。その一翼を担う1回生、HさんとSさんにもインタビュー! ―ボランティアセンターのスタッフになったきっかけと、印象に残っている活動を教えてください。 もともとボランティアに興味はあったんですが、参加の機会にはなかなか恵まれませんでした。そんな時、大学の職員の方から代表のKさんを紹介していただき、その場でスタッフになることを決意しました。 Hさん 心理学科一回生 印象的な活動は、10月に神戸で2日間にわたって開催された『防災推進国民大会2022』です。1日目にワークショップを行い、私は2日目にその成果と感想を発表したのですが、お子様から大人の方まで真剣に話を聞いてくださる姿が印象的でした。私も含め、そのイベントで防災意識が高まったという方も多いと思いますし、イベント参加をきっかけに自分の中の新しい扉を開くことができるのは、ボランティアセンタースタッフに参加して良かったと思えます! https://youtu.be/6lUYEPm8pF4 Hさんをはじめ、ボランティアセンターの学生が参加した防災国体2022 私は大学で何をするか迷っている時、代表のKさんが講義前にボランティアセンターの紹介に来られたことがきっかけです。その時のお話から、私もスタッフとして活動し、学生生活を充実させたいと思い参加しました。 Sさん 社会福祉学科1回生 私が印象に残っている活動は『須磨海岸クリーンボランティア』です。この活動ではごみを集めるだけでなく、それを何かに利用できないかと考え、拾い集めたプラごみを材料にしたレジンアクセサリーのワークショップを学園祭で行うことにしたんです。 活動の様子はコチラ 私は趣味でレジンのストラップなどを作っていたので、力になれるのではないかと思い、積極的に参加しました。事前に何度か試し、説明書も自作して迎えた当日は大きな失敗もなく進めることができました。後日、作ったアクセサリーをスマホに付けている方を見かけたときはうれしかったです。 須磨海岸のイベントでは、やり遂げたという達成感が得られただけでなく、自分が何かの役に立つことができたという自信もつきましたし、活動を通して環境についての理解も深まりました。来年度も多くのイベントに積極的に参加していきたいです! プラごみをかわいいレジンアクセサリーにリメイク 最後に代表のKさんから高校生とシンジョ生に一言お願いします! 今在籍している学生スタッフも『何か変わりたい』という想いから参加しています。漠然と『何か変わりたい』という想いを抱いている方は、一度私たちを訪ねてくれればうれしいです!また、4月からは神戸市社会福祉協議会さんとも協力し、活動内容ももっと充実していきます! ご質問やボランティアセンターに興味をお持ちのシンジョ生は、お気軽にInstagramのDMへ!またはホームページからボランティア情報サービスの登録をお願いします!
特集
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2022.11.6
今年4月に新設された心理学科。4年間の学びを通して、「臨床心理」「経営・消費者心理」「メディア心理」という3つのモデルで科学的な知識と実践的なスキルの習得を目指します。今回は「こころと社会をつなぐ」をコンセプトにしたシンジョの心理学科ならではの取り組みをご紹介。株式会社資生堂みらい開発研究所・佐藤智穂さんを外部講師としてお招きし、「美×心理学」についてとことん考えていきます。1コマあたり105分間のシンジョの授業だからこそできる、双方向展開の特別講義を取材しました。 心理学と社会のつながりが実感できるシンジョならではの特別講義 ―――第一線で活躍している方々を講師に招く心理学基礎の特別講義。今回登壇される佐藤さんとの出会いは日本心理学学会の機関誌『心理学ワールド』だったと佐伯准教授は話します。 心理学部 佐伯恵里奈准教授 「化粧がどのように心に働きかけるのかを書かれた記事に感銘を受け、ぜひシンジョ生に話してもらいたいと思って声を掛けたんです。『心理学を社会に活かす』ことを実践する方の話を直接聞くことで、学生たちがたくさんのことを吸収するきっかけになれば。」 株式会社資生堂みらい開発研究所 佐藤智穂さん 「今回の講義を通して化粧や美の多様性について、学生の皆さんに自由な発想を持っていただきたいと思っています。」 ―――実際に学生に会うのは今回が初めてということで、直接反応を感じられる対面講義を楽しみにしていたと笑顔で語ってくれました。 化粧とは顔を装うだけじゃない!美しさの神髄へと迫る ―――1回生約60人に向けて『美と化粧品と心理学~化粧の心理学と化粧品開発への応用~』をテーマに行われた特別講義。まずは学生がチームに分かれ、事前に準備をしてきた『美』についての想いを発表しました。 授業では教育機関向けシステム「レスポン」を使用してリアルタイムに意見を集約して公開 学生時代に感じる美への憧れと、人生を重ねたときに感じる美しいものへの想いの変化についてのプレゼンテーションや、共通認識の独自調査などの発表には佐藤さんや先生たちも感心の表情。そのあとは佐藤さんから美しさにまつわる歴史的背景や、より良い未来・世界を目指す、資生堂の取り組みが紹介されました。 メイクによって気分が上がったり、心地よさを感じたりすることがどのように社会につながるのか、学生たちが熱心に耳を傾けている姿が印象的でした。 美がつなぐ日常と健康。そして人生の多様なシーンで活きる心理学の学び ―――講義の後半では、アイメイクを例に、一対比較法を用いた知覚実験や、大きさの恒常性など、美に関わる科学的背景が紹介されました。 一対比較法…被験者に刺激を2つ提示し、その刺激について評価や選択をさせ、刺激の主観的価値を測定する方法。人間の感覚的判断以外に計測法がないような分野において活用される。 ファンデーションよりもポイントメイクのほうがテンションを上げやすい理由や、化粧水や洗顔料の心地良さの追究など、日常のあらゆるシーンで心理学が多用されていること、スキンケアやメイクなどの化粧行為を通じて心身機能やQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の維持向上や健康寿命を延ばすなど、資生堂の化粧療法も紹介され「美とはその時の一瞬だけじゃなく、人生そのもの。自分自身がどういう風にありたいのか、どう感じているのかをぜひ自分に問いかけてください。それが心理学の第一歩。この講義を通して、自分自身に向き合ってもらえれば。」と佐藤さんは力強く語りました。 現場目線のプロフェッショナルな講義で新しい学びの扉が開く ―――大学生として学びながら、実際に心理学を社会に活かしている方のお話を聞けるのは貴重な機会。最後はグループワークの時間が設けられ、今回の講義についての自分の考えをブラッシュアップしたり他の人と意見交換を活発に行う学生の姿が見られました。 「今まであまり美や化粧にこだわりがなかったのですが、美の奥深さや化粧品会社としての資生堂の熱い想いがすごく伝わりました。これからは幅広い視点を持ってものごとに向き合いたいです。」 「美しさは女性だけのものではないんだなと思いました。美しさはあらゆるジェンダーに開かれていることを忘れないようにしたいです。」 ―――グループワークにより、聴く力に加えて、話す力を自然に引き出す授業スタイルは、学生の数だけ見方や感じ方があることを全員で共有できるのがポイントです。講師から学生への一方的な授業にとどまらない双方向の授業が体験できるのは、シンジョならでは。佐藤さんと積極的なコミュニケーションをとる学生もいたりと、活気あふれる時間となりました。 シンジョの心理学科が目指す未来。ココロを知って新しい世界へ 今年開設された心理学科。4年間をかけて心の専門家を目指す学生の未来を想い、学部長の小原教授は「今回のお話は心理学科の目指す姿とぴったり!」と笑顔で語ってくれました。 心理学部 心理学科 小原依子学部長 「心を知るということは、人間にとことん深く向き合うこと。そこから新しい価値を創造する力が生まれます。自分を知り、相手を知り、問題解決に挑むときに活きるのが心理学の知識や研究手法などの応用。学年を重ねて振り返った時、学びのつながりが感じられる環境を、学部一丸となって整えていきたいと思います。」 シンジョの心理学科は⼼理学の基礎を学んだ上で、臨床⼼理だけでなくメディア⼼理、経営・消費者⼼理を学べるという珍しいカリキュラムが魅⼒。今後も世の中の課題を解決し、幸せな社会をつくり出す実践的な学びをご紹介していく予定です!シンジョの心理学科にご興味をお持ち頂いた方は心理学科のInstagram、Facebookも是非ご覧ください!