保護者の方にもおすすめ
1553
2023.7.28
本学では学生の「やりたい」「学びたい」という気持ちを尊重し、学生が求める授業を数多く用意しています。今回はその中でも、全学共通科目(学科や学年を問わず、履修可能な授業)の『教養演習』に川崎重工業株式会社の永原様を外部講師としてお招きし、実践的なマーケティングの基礎を学ぶ講義を実施しました。 きっかけは地元神戸の商店街活性化事業『ミチニワまちびらき』イベント! この日の講義が実現したきっかけは、神戸三宮駅と元町駅の中間に位置する三宮本通商店街とセンターサウス通り一帯「ミチニワ」の活性化事業に本学が参加していることです。その事業の一環として、2023年3月に『ミチニワまちびらきイベント』が行われ、そこで神戸女子大学の吉川助教(心理学部心理学科)と永原様が出会ったことで具体的なお話が始まっていきました。 川崎重工業株式会社 永原様 「弊社(川崎重工業株式会社)は、同じ場所に偶然居合わせた人が、ネット上でコミュニケーションを取れるアプリ『Real D You(リアデュー)™』の開発を行っています。3月の『ミチニワまちびらきイベント』では、このアプリの実証実験を兼ねたイベントを実施させていただきました。その時に出会った吉川先生から今回の講義のお話をいただき、地域活性化を目的としたアプリの開発と運用の経験がお役に立つのならと思い、引き受ける決意をしたんです。自身の経験を伝え、実際の課題についても考えてもらうことで、学生の皆さんには活きた知識を得ていただければと思います。また大人だけでは生み出せない、学生ならではの純粋で自由な意見を聞けることにも期待しています。」 永原様は講師として学生に教えるだけでなく、講義を通して自分自身にも何か得ることがあるのではないか、と神戸女子大学の学生にも期待されていました。 ただの座学で終わらせない!実際の課題と手法を用いて知識定着を狙う この日の講義ではマーケティングの基礎として、まずは売り手目線の4つの基本戦略「4P分析」、買い手目線の4つの視点「4C分析」の説明がありました。内容の導入部分を少しだけご紹介します。 4Pとは…Product(製品)Price(価格)Place(流通)Promotion(販売促進)「企業側、売る側」の視点でマーケティングを考えること 4Cとは…Customer Value(顧客価値)Cost(顧客のコスト)Convenience(顧客にとっての利便性)Communication(顧客とのコミュニケーション)「顧客側、買う側」の視点でマーケティングを考えること さらに、レビットのドリルの穴理論を用いて、顧客がお店に本当に欲しいものが何なのか、顧客視点で考えることの重要性をわかりやすく解説してくださいました。 マーケティングの基礎を学生が理解したところで、本学の授業の魅力でもあるアクティブラーニング!実践的なテーマを課したグループワークの時間が設けられました。 学生の活発なディスカッションからプロも驚くような意見が生まれます。 今回のグループワークのテーマは… ネット上でコミュニケーションを取れるアプリ『Real D You(リアデュー)™』を利用してもらいたいペルソナ(ターゲットとする人物像)を自分達で考えて設定。そのペルソナの行動パターンを予想・分析。分析の結果、どのようなシチュエーションでどのような工夫をすることで成果があがるのか発表。 実際に利用されているマーケティング手法を用いているため、そのまますぐに実践できそうなアイデアや、少しのブラッシュアップで大きな成果が見込めそうな意見が数多く発表されました。学生のまっすぐな意見に永原様が耳を傾け、優しくアドバイスをくださる姿や、意外性のある女子大生ならではの意見にはお褒めの言葉をくださったシーンが印象的でした。 学生の知的好奇心を刺激する学びの秘訣は“現場目線” この講義ではグループワークの時間が設けられていることもあり、学生が主体的に意見交換を行うなど前向きに取り組む姿が印象的で、講義終了後に充実した表情で教室から出てきた学生から感想を聞くことができました。 「レビットのドリルの穴理論を聞き、顧客視点の考え方がなぜ重要なのか本当の意味で理解できました。グループワークを通して学んだ、顧客視点からのマーケティング手法はこれからも忘れないと思います。」 受講していた心理学科2年生の学生 「私は実践的な講義が多いことに魅力を感じ、神戸女子大学に入学したいと思いました。実際に入学してからも外部講師を招いた講義やフィールドワークも豊富でたくさんの経験をすることが出来ています。これからもさまざまな現場で活躍している方のお話を聞いたり、実践的なフィールドワーク、今日のようなグループワークをして、知識と技術を効率的にブラッシュアップしていきたいです。」 今回お話を聞かせてくれた学生が所属している心理学科では、1年次で心理学の基礎を学んだ後、2年次からは自分の興味に応じて、『臨床心理』『経営・消費者心理』『メディア心理』の3つの履修モデルを選択し、将来のやりたいことに直結する学びが得られます。 講義は終わりましたが、神戸女子大学と『ミチニワ』の商店街活性化事業はこれからも続きます!シンジョマグでも引き続き取材していきますので、今後の展開をお楽しみに!
保護者の方にもおすすめ
531
2023.5.10
リーダーには、さまざまな役割がもとめられます。育成、チームの運営・管理、課題解決のための目標設定……多岐にわたる問題を、さまざまな人々を指揮して解決に導く力が必要となります。 また、上層部と現場の板挟みになってしまい、大きな負担を抱えている方も多く居るかと思います。そんな問題を考える際に重要となる視点を、セブン-イレブン・ジャパンで長年多くの店舗を改善に導き、現在はまちづくりや経営コンサルティングを行う企業を経営する、心理学部 心理学科の吉川祐介先生に聞きました。 ⼼理学部は、さまざまな専⾨分野のスペシャリストが集結しています。そのなかでも、吉川先生の専⾨はマーケティングなどを扱う商学であり、⼼理学の学びを実社会でどう活かすか、そして、経営の視点を加味することに関わっています。 チームメンバーの努力を促す、関わり方と育成のポイント Give & Takeが基本ルール マネジメントの基本的な考え方として、「誘因と貢献」があります。一般的な言葉で表現すると、「Give & Take」です。 基本的に、組織(企業など)が個人に価値を提供できていれば、個人は組織に対してきちんと貢献してくれます。しかし、提供する価値が、個人の貢献と同等かそれ以上のものとなっている必要があります。チームメンバーが、なかなか成果をあげてくれないのであれば、まずは自分がメンバーに何を提供できているのかを考えなければなりません。人は「自分は損をしている」と考えがちで、利益よりも損失を過大評価してしまう傾向があります。「これだけやってあげているのに、なにも返してくれない」と思ってしまった時は、一度冷静に立ち止まり、「メンバーが求めているものはなにか」「それを提供できているのか」に気を配ることを強く勧めます。 また、リーダーは自分を含めたチームメンバーがもつ価値を客観的に見つめる必要もあります。たとえば、企業がSNSを使った広報を考える場合、上司世代よりも新人世代の方が高いITリテラシーを持っていることが多々あります。そのような状況では、新人世代の知識や経験の方が価値をもつ可能性は十分にあります。自分自身に「経験や知識」というアドバンテージが何事にもあると思っていると、与えるべき「Give」を見過ごしてしまいます。 人は自由を奪われるとやる気をなくす生きもの 心理学の用語に、自由を制限された際に「やりたくない」「ここから出たい」など、自由を取り戻そうとする性質を意味する「心理的リアクタンス」という言葉があります。 「部下の意見や判断を尊重しなければならない」という言葉をよく耳にするのは、「そうしなければ部下の心理的リアクタンスにより組織の破綻につながる力が作用する」という背景があるからです。心理的リアクタンスを回避するには、選択肢を与えたり、判断や意見を聞いたりするなどして、裁量を与え、自律的に自由意志を表現できるプロセスを用意することが重要です。 チームのリーダーには「自分がやった方が効率よく進められる」というバイアスがかかりがちです。生真面目な人ほどついつい何もかも抱え込むことが多いですが、大抵の場合任せるべきものは権限を渡した方が効率的に進みますし、心理的リアクタンスの回避につながります。 バイアスを自覚した上で、メンバーの意見・判断にしっかり耳を傾けて、選択肢を増やすことが、チームや組織の発展には必要不可欠です。 褒めるだけでなく、目標に合わせた適切なステップアップを 成果に対して評価をすることは、リーダーがチームへと与えられる価値のひとつですが、「褒める」という行為も単純に行ってしまえば、成長を止めてしまうことに繋がります。もちろん、適切な評価をポジティブに与えることは良いのですが、人は褒められると気持ちがどうしても緩むので、同時に次のステップも用意しておかないと、力が抜け切ったままになってしまいます。状況・目標にあわせたステップを適切に用意することが、成長に繋がっていきます。 「なにを選ぶのか」ではなく「なぜ選ぶのか」が重要 チームづくりには、「めざすべきもの」を明確にすることが基本です。たとえば、居酒屋で「ジョッキになみなみ注がれたビールを提供するのか」、「コスト管理をして適量を出すのか」どちらが正しいか考えてみましょう。 なみなみ注がれたビールに満足したお客さんは、リピーターになることが期待できます。一方で適切なコスト管理で収益が上がると、従業員が余裕をもって働ける環境がつくれます。そして従業員満足度が高い店は、お客さんの満足度も高い傾向にあります。お店の経営としてはどちらも正解です。言い換えれば、答えがないということです。 そして、世の中の大半のことには、「これをやれば大丈夫」だという答えはありません。漠然とした考えで答えのない問いから選択肢を選ぶと、行動の指標がないため、中途半端な結果になってしまいがちです。 そのため、「なぜそれを選ぶのか」が重要となります。答えのない問いを多角的な視点から考察し、「自分たちがめざすべきものは何か」というビジョンをはっきりさせることで、選択に説得力が生まれ、中途半端に終わらない明確な行動につながっていきます。 新たな価値を生み出す多様性の重要性と、心理的安全性 「正解が分かっていること」の解決は誰でも簡単にできるため、高い価値を生み出すことはできず、激しい価格競争にも巻き込まれ、チームは疲弊しつづけてしまいます。現代では、あらゆる物事が変化し続ける状況の中から「新たな価値を生み出すこと」が求められるため、さまざまな視点から意見を交換しなければ、価値を創出するアイデアを見つけ出せません。 だからこそ、ビジネスをふくむあらゆるシーンで、多様性を重視することが叫ばれているのです。多様性を保ち、幅広い意見の交換を行うには、「心理的安全性」が必要となります。「心理的安全性」とは、「チーム内で自由に率直な意見を発言でき、関係性が壊れず、罰せられる心配のない状態」のことです。 「課題解決のために意見を言ったのに、考え方が違うだけで全否定された」などということがあれば、メンバーは自分の意見やノウハウを提供しなくなり、新たなアイデアが生まれづらくなるため、チームに大きな損失を招いてしまいます。非常に難しくはありますが、チームリーダーはそのようなすれ違いを起こさぬように、常に注意を払いながらメンバーの意見に触れる必要があります。 多様性の落とし穴 多様性を保つことは重要ですが、意見の多様性が増せば増すほど、リスクの低い中庸的な答えに議論が集約されてしまうことが多々あります。また、それとは反対に、リスキーな志向が強い人が多ければ、極端な方向へ振り切ってしまうこともあります。 そこに、多様性を重視したチームや議論の落とし穴があります。ただ単に議論の流れがそうなったからと言って、それが本当に自分たちのめざすべきものかどうかは、立ち止まって再度考える必要があります。そもそもなぜ多様な意見を集めるのか、そしてそれで何をめざしたいのか。そのようなビジョンをチームメンバーに共有しておくことで、多様性を重視した議論やチームづくりは、より効果的なものに近づきます。 「板挟み」を乗り越えるために 中間管理職などで陥りがちな、上層部と現場チームの「板挟み」を解消するには、個人的な見解にはなりますが、「現場との良好な関係性」を長期的に築き続けることにあると思います。上層部の考えを直接変えることは、個人の力では不可能に近いです。しかし、自身が指揮するチームの管理方法や、関係性を変えることは可能です。 長期的な目標を持ってチームを管理すると、「今月契約を100件取る」といった短期的な成果は上げづらく、直属の上司にはなかなか評価されません。しかし、経営陣などさらに上位の人々は、長期的な視点で経営を行う立場のため、チームの底上げとなる取り組みはきちんと評価して、フックアップしてくれる可能性があります。 また、現場チームと「誘因と貢献」・「多様性の担保」・「新たな価値の創造」など、長期的な視点を持たねば解決できない難しい課題に取り組むのは、独立や転職など組織を離れる選択を可能とするマネジメント力を養うことに繋がります。長期的な視点で、根気強く現場と真摯に向き合いつづけることこそが、解決の糸口になるのだと思います。 答えのない問いを考える学び 「新たな価値を生み出す力」を育む、神戸女子大学 神戸女子大学では、今回お伝えしたような「価値を生み出す力」を重視した学びが展開されています。たとえば心理学部 心理学科で私が担当する授業では、過去に神戸で名物として親しまれたカレーの復刻版の広報プランや、こども食堂における悩み事の解決策の考案など、自分で問いを見つけ出し、自分なりの答えや価値を導きだす力を育む学びを展開しています。 学生たちがチームを組んで、自分たちが培ってきた心理学の知識を、現実の中でどのように活かし、ビジネス的な課題をふくめて解決するかを、私の経営学的な知見を伝えながら、考えてもらっています。今回お伝えした「多様性」「心理的安全性」といった問題に直面しながらも、答えのない問いに日々真剣に取り組む学生たちの姿を見て、「先行きの見えない社会だけれども、この若者たちがいるからきっと大丈夫だ」と勇気を与えてもらっています。 プロフィール心理学部 心理学科吉川 祐介先生 大阪市立大学 経済学部 経済学科卒業後、株式会社セブン-イレブン・ジャパンに就職。店長を経て、各店舗の経営者を支援する職務に就き、多くの経営不振に苦しむ店舗の経営改善を手がけた。その後、神戸大学大学院 経営学研究科で経営理論に磨きをかけ、大学院修了後は、まちづくりや経営コンサルティングを行う個人事業を開業。現在は、株式会社けいえいまちの代表取締役として活躍。
オープンキャンパス特別企画
395
2023.5.8
プロのデザイナーと協働で創り、回を追うごとに進化するオープンキャンパス。在学生との会話もぜひお楽しみください!
特集
1094
2023.1.30
2022年5月、神戸女子大学ポートアイランドキャンパスに『神女ポーアイボランティアセンター』が設立されました。実はこのボランティアセンターは学生が主体となって設立した団体です!今回はそこで活動する学生にインタビューを行いました。 学生と地域を結ぶボランティアセンターの代表の学生にインタビュー! 代表を務める社会福祉学科2回生のKさんにお話を伺いました。 ―ボランティアセンターを設立したきっかけを教えてください。 1回生の3月まではコロナの影響もあり、充実した学生生活が送れているとは感じられず、『何か変えたい!』と思っていました。そこで思い切って地元のボランティアセンターを訪ねましたが、コロナ禍でボランティア募集があまりなかったため、規模が大きい大阪ボランティア協会が主催する【初めてのボランティア説明会】を紹介して頂けることになり、参加しました。そこで出会ったボランティアコーディネーターの方に、大阪公立大学のボランティアセンターと大阪ボランティア協会が主催する「ソーシャルイノベータープログラム」という若者の事業立ち上げプログラムをご紹介頂き、そこで主体的に活動する他大学の団体から多くの刺激を受けました。そんな時、大学のボランティアセンターの多くは学生主体で立ち上げる事例が多いと知り、私と同じように『何か変えたい』と思ったシンジョ生が立ち寄れるボランティアセンターを作ることが出来るならと思い、自分で立ち上げよう!と決意しました。 ボランティアセンター 代表のKさん 社会福祉学科2回生 ―立ち上げ時はどのような苦労がありましたか? すでに団体立ち上げのプロセスを学んでいたので、とても苦労したという感覚はそれほどありませんでした。ただ、ホームページの作成や活動時の交通費など、資金面で大きな壁があることに気づかされました。当然私個人で工面することは難しく、現在の顧問の先生に相談させていただきました。そこで『神女support』という助成金についてお聞きし、応募したんです。すぐに資金調達ができたおかげで、設立から約半年ですが様々な活動ができたと思います。 ボランティア活動時のTシャツも助成金を使用してすぐに作成し、課外活動時に着用 ―普段はどのような活動をしていますか? 現在スタッフは8名で、今年は私達の存在をたくさんの団体の方々に知って頂くためにも他のボランティア団体がまとめる既存企画に多く参加しました。ボランティアセンターとしては学生が充実した生活を送れるよう、広報部とコーディネート部、企画部に分かれて活動しています。長期休み前などには告知を行うので、ボランティアに限らず、現状を変えたいという方はぜひ相談に来てください。全力でサポートさせていただきます! ―今後の目標について教えてください! これからは私たちが発起人となって、周りを巻き込めるような大きなイベントを企画したいと思います! センターのスタッフたちの打ち合わせの様子 ボランティアセンターの命運を握る広報担当の仕事とは? 広報担当として活躍中の社会福祉学科2回生Mさん。スタッフになったきっかけや、広報担当としてのお仕事についてお聞きしました。 ―スタッフになったきっかけは? ボランティアセンターのインスタでKさんの活動を目にし、挑戦する姿に刺激を受けたことです。当時、私も学外で何か経験を積みたいと考え、7万人ほどのフォロワーを抱えるインスタグラムアカウントの運用を担当していたので、その経験を活かしたいと思いスタッフとして参加しました。 広報担当 Mさん 社会福祉学科2回生 ―広報担当就任後はどのようなことに着手しましたか? 投稿の系統を揃えることから始めました。投稿内容が見づらいと内容が伝わりにくいので、見やすさを意識しています。 ポーアイボランティアセンターのInstagramはコチラ ―苦労した点を教えてください。 ボランティアセンターのアカウントでは、活動により興味を持っていただけるよう、現場の空気感を動画や画像で伝える必要がありました。単に情報を伝えるだけではいけないという点に苦労したんです。これは他のボランティア団体の投稿を参考にすることで日々改善しています。 ―インスタグラム以外の広報は? ホームページとLINE、あとは1年間の活動内容をまとめた雑誌の制作もしています。楽しみにしていてください! ―ボランティアセンターの活動を通して得たことは? 学生主体で活動するため、誰かが先頭に立つべき場面がよくあります。そのような時に『自分が』という責任感が芽生え、定期的な会議なども率先して取り仕切るようにしています。これからの目標は『シンジョといえばボランティアセンター』といわれるようなアカウントを目指して、広報活動を続けていきたいと思います。 設立間もないボランティアセンターでは1回生も主力として活躍中! 設立から約半年で多くの実績を残してきたボランティアセンター。その一翼を担う1回生、HさんとSさんにもインタビュー! ―ボランティアセンターのスタッフになったきっかけと、印象に残っている活動を教えてください。 もともとボランティアに興味はあったんですが、参加の機会にはなかなか恵まれませんでした。そんな時、大学の職員の方から代表のKさんを紹介していただき、その場でスタッフになることを決意しました。 Hさん 心理学科一回生 印象的な活動は、10月に神戸で2日間にわたって開催された『防災推進国民大会2022』です。1日目にワークショップを行い、私は2日目にその成果と感想を発表したのですが、お子様から大人の方まで真剣に話を聞いてくださる姿が印象的でした。私も含め、そのイベントで防災意識が高まったという方も多いと思いますし、イベント参加をきっかけに自分の中の新しい扉を開くことができるのは、ボランティアセンタースタッフに参加して良かったと思えます! https://youtu.be/6lUYEPm8pF4 Hさんをはじめ、ボランティアセンターの学生が参加した防災国体2022 私は大学で何をするか迷っている時、代表のKさんが講義前にボランティアセンターの紹介に来られたことがきっかけです。その時のお話から、私もスタッフとして活動し、学生生活を充実させたいと思い参加しました。 Sさん 社会福祉学科1回生 私が印象に残っている活動は『須磨海岸クリーンボランティア』です。この活動ではごみを集めるだけでなく、それを何かに利用できないかと考え、拾い集めたプラごみを材料にしたレジンアクセサリーのワークショップを学園祭で行うことにしたんです。 活動の様子はコチラ 私は趣味でレジンのストラップなどを作っていたので、力になれるのではないかと思い、積極的に参加しました。事前に何度か試し、説明書も自作して迎えた当日は大きな失敗もなく進めることができました。後日、作ったアクセサリーをスマホに付けている方を見かけたときはうれしかったです。 須磨海岸のイベントでは、やり遂げたという達成感が得られただけでなく、自分が何かの役に立つことができたという自信もつきましたし、活動を通して環境についての理解も深まりました。来年度も多くのイベントに積極的に参加していきたいです! プラごみをかわいいレジンアクセサリーにリメイク 最後に代表のKさんから高校生とシンジョ生に一言お願いします! 今在籍している学生スタッフも『何か変わりたい』という想いから参加しています。漠然と『何か変わりたい』という想いを抱いている方は、一度私たちを訪ねてくれればうれしいです!また、4月からは神戸市社会福祉協議会さんとも協力し、活動内容ももっと充実していきます! ご質問やボランティアセンターに興味をお持ちのシンジョ生は、お気軽にInstagramのDMへ!またはホームページからボランティア情報サービスの登録をお願いします!
保護者の方にもおすすめ
548
2022.11.6
2022年4月に開設された心理学科。4年間の学びを通して、「臨床心理」「経営・消費者心理」「メディア心理」という3つのモデルで科学的な知識と実践的なスキルの習得を目指します。今回は「こころと社会をつなぐ」をコンセプトにしたシンジョの心理学科ならではの取り組みをご紹介。株式会社資生堂みらい開発研究所・佐藤智穂さんを外部講師としてお招きし、「美×心理学」についてとことん考えていきます。1コマあたり105分間のシンジョの授業だからこそできる、双方向展開の特別講義を取材しました。 心理学と社会のつながりが実感できるシンジョならではの特別講義 ―――第一線で活躍している方々を講師に招く心理学基礎の特別講義。今回登壇される佐藤さんとの出会いは本学の理事長が日本心理学学会の機関誌『心理学ワールド』を目に留められたことをきっかけにご縁をいただいたと佐伯准教授は話します。 心理学部 心理学科 佐伯恵里奈准教授 「化粧がどのように心に働きかけるのかを書かれた記事に感銘を受け、ぜひシンジョ生に話してもらいたいと思って声を掛けたんです。『心理学を社会に活かす』ことを実践する方の話を直接聞くことで、学生たちがたくさんのことを吸収するきっかけになれば。」 株式会社資生堂みらい開発研究所 佐藤智穂さん 「今回の講義を通して化粧や美の多様性について、学生の皆さんに自由な発想を持っていただきたいと思っています。」 ―――実際に学生に会うのは今回が初めてということで、直接反応を感じられる対面講義を楽しみにしていたと笑顔で語ってくれました。 化粧とは顔を装うだけじゃない!美しさの神髄へと迫る ―――1回生約60人に向けて『美と化粧品と心理学~化粧の心理学と化粧品開発への応用~』をテーマに行われた特別講義。まずは学生がチームに分かれ、事前に準備をしてきた『美』についての想いを発表しました。 授業では教育機関向けシステム「レスポン」を使用してリアルタイムに意見を集約して公開 学生時代に感じる美への憧れと、人生を重ねたときに感じる美しいものへの想いの変化についてのプレゼンテーションや、共通認識の独自調査などの発表には佐藤さんや先生たちも感心の表情。そのあとは佐藤さんから美しさにまつわる歴史的背景や、より良い未来・世界を目指す、資生堂の取り組みが紹介されました。 メイクによって気分が上がったり、心地よさを感じたりすることがどのように社会につながるのか、学生たちが熱心に耳を傾けている姿が印象的でした。 美がつなぐ日常と健康。そして人生の多様なシーンで活きる心理学の学び ―――講義の後半では、アイメイクを例に、一対比較法を用いた知覚実験や、大きさの恒常性など、美に関わる科学的背景が紹介されました。 一対比較法…被験者に刺激を2つ提示し、その刺激について評価や選択をさせ、刺激の主観的価値を測定する方法。人間の感覚的判断以外に計測法がないような分野において活用される。 ファンデーションよりもポイントメイクのほうがテンションを上げやすい理由や、化粧水や洗顔料の心地良さの追究など、日常のあらゆるシーンで心理学が多用されていること、スキンケアやメイクなどの化粧行為を通じて心身機能やQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の維持向上や健康寿命を延ばすなど、資生堂の化粧療法も紹介され「美とはその時の一瞬だけじゃなく、人生そのもの。自分自身がどういう風にありたいのか、どう感じているのかをぜひ自分に問いかけてください。それが心理学の第一歩。この講義を通して、自分自身に向き合ってもらえれば。」と佐藤さんは力強く語りました。 現場目線のプロフェッショナルな講義で新しい学びの扉が開く ―――大学生として学びながら、実際に心理学を社会に活かしている方のお話を聞けるのは貴重な機会。最後はグループワークの時間が設けられ、今回の講義についての自分の考えをブラッシュアップしたり他の人と意見交換を活発に行う学生の姿が見られました。 学生からの意見 「今まであまり美や化粧にこだわりがなかったのですが、美の奥深さや化粧品会社としての資生堂の熱い想いがすごく伝わりました。これからは幅広い視点を持ってものごとに向き合いたいです。」 「美しさは女性だけのものではないんだなと思いました。美しさはあらゆるジェンダーに開かれていることを忘れないようにしたいです。」 ―――グループワークにより、聴く力に加えて、話す力を自然に引き出す授業スタイルは、学生の数だけ見方や感じ方があることを全員で共有できるのがポイントです。講師から学生への一方的な授業にとどまらない双方向の授業が体験できるのは、シンジョならでは。佐藤さんと積極的なコミュニケーションをとる学生もいたりと、活気あふれる時間となりました。 シンジョの心理学科が目指す未来。ココロを知って新しい世界へ 心理学科で4年間をかけて心の専門家を目指す学生の未来を想い、学部長の小原教授は「今回のお話は心理学科の目指す姿とぴったり!」と笑顔で語ってくれました。 心理学部 心理学科 小原依子学部長 「心を知るということは、人間にとことん深く向き合うこと。そこから新しい価値を創造する力が生まれます。自分を知り、相手を知り、問題解決に挑むときに活きるのが心理学の知識や研究手法などの応用。学年を重ねて振り返った時、学びのつながりが感じられる環境を、学科一丸となって整えていきたいと思います。」 シンジョの心理学科は⼼理学の基礎を学んだ上で、臨床⼼理だけでなくメディア⼼理、経営・消費者⼼理を学べるという珍しいカリキュラムが魅⼒。今後も世の中の課題を解決し、幸せな社会「well-being」をつくり出す実践的な学びをご紹介していく予定です!シンジョの心理学科にご興味をお持ち頂いた方は心理学科のInstagram、Facebookも是非ご覧ください!