保護者の方にもおすすめ
204
2024.10.7
進学先を考えるときに欠かせない情報収集。WEBサイトやパンフレットを見るのもいいですが、実際に通っている先輩の声もとても参考になりますよね。 もしそれが家族からの声であればこれ以上ない程に信頼できる材料になるのではないでしょうか。 今回取材したのはシンジョに在学中のTさん姉妹。お姉さんの充実した姿を見ていた妹さんは、自然とシンジョを志すようになったそう。姉妹で入学するに至った経緯やそれぞれの学びの充実ぶりを聞いてみました! 写真左から妹さんのKさん(看護学科1回生)、お姉さんのHさん(家政学科4回生) 【ファミリー型の入学金免除制度】2親等以内の親族(祖母・母・姉妹・双子)に卒業生もしくは在学生がいる場合、入学金が免除となる入試制度を導入しました。詳細はこちらから 大好きな被服の勉強をしながら家庭科の先生をめざす姉 お姉さん(以下、Hさん)は現在、家政学科の4回生。これまで被服を学ぶゼミに所属し、家庭科の教職課程を中心に履修してきました。 「大学選びでは家庭科の教員免許が取れることを最優先で探していました。私が高校生の時、大学でそれが取得できるのは栄養や調理系の学部・学科がほとんどだったんです。でも、シンジョの家政学科では家庭科の教員免許が取れることに加えて、被服、住空間、生活マネジメントと幅広い分野を学べることを知り、調理よりも裁縫が好きな自分にぴったりだと思い入学を決めました。」 ちなみに、この日のイヤリングもなんと手作り!クオリティが高すぎて売り物かと思っていました。 現在は「雛人形」をテーマにした卒業論文に取り組んでいるHさん。 また、家庭科の先生になるために必要な教員採用試験の現役合格者数が関西地区トップクラスであることも入学の決め手になったそう。実際に通ってみて、期待していた以上に先生や教職支援センターからのサポートの手厚さを感じたと話してくれました。 授業、教育実習、教員採用試験の対策、そしてクラブ活動など…忙しいながらも夢に向かって進み続けたHさん。その努力が実り、なんと3つの自治体の教員採用試験で見事合格!家庭科の先生になるという夢を叶えました。 そんなHさんの姿は、当時高校生だった妹さん(以下、Kさん)にどのように写っていたのでしょうか。 お姉さんのキャンパスライフの充実ぶりを感じていたKさん(写真左 ) 「姉とは3歳差なので大学1回生から3回生までの姉の様子を家で毎日感じていました。もちろん忙しそうなときもありましたが毎日楽しく過ごしている印象が強くて、充実しているんだなと思っていましたね。そういう意味では、姉のおかげで『大学生活』にポジティブな印象を持っていました。 私は高校までずっと共学だったのでなんとなく『女子大は怖い』というイメージを持っていたのですが、姉は『シンジョの雰囲気はとても良い』と話してくれました。いつも本音で話している姉の言葉なので素直に信じることができて、そのままオープンキャンパスに申し込んだことを覚えています。」 現場経験豊富な養護教諭を目指し、姉の姿をきっかけにシンジョへ Kさんは高校生のときから自分の理想のキャリアプランがあったそう。それは、看護師としてしっかりとした現場経験を積み、ゆくゆくは養護教諭(保健室の先生)になるというもの。シンジョの看護学科では、看護師資格に加え養護教諭の免許も取得できる(注1)ことから、ますます志望度は高まっていきます。(注1)助産師課程を選択した場合は養護教諭一種免許状は取得できません。 お姉さんに聞いた雰囲気の良さと、看護師と養護教諭の免許をダブルで取得できること。Kさんがシンジョの看護学科への進学を決めた理由はこの2つが大きかったそうですが、もうひとつ推しポイントが! 「実習服がすごく可愛いんです。最近、病院でもさまざまな色のスクラブ(医療用白衣)を着用するところが増えていると思うのですが、白基調でクラシックな看護服のテイストもありつつ襟や袖に花柄があしらわれているんです!」 自宅に届いたときには、嬉しくてすぐに着てお姉さんに見てもらったそう。おうちでの楽しそうな2人の姿が目に浮かぶようです。 実習服を着用すると自然と気が引き締まります。 「この実習服を着て実習に行けたことがうれしかった」と話してくれました。 入学後には、お姉さんの『シンジョの雰囲気はとても良い』という言葉を実感したそうです。 「どの授業もみんなとても真面目に受けています。空きコマには友達と一緒に課題を進めたり、その合間におしゃべりしたり…。そんな毎日が『シンジョの雰囲気はとても良い』ということなんだなと思います。」 それぞれの道を歩みながら、これからも支え合う姉妹の姿 この取材ではいろんなパターンの撮影を行い、その中のひとつで手を繋いでもらったのですが「手繋ぐとか何年ぶり!?」という声が聞こえてきました。 素敵な2人の雰囲気から『ずっと一緒の仲良し姉妹』を勝手にイメージしていましたが、仲の良い姉妹だからこその「適度な距離感」がある様子。せっかくなので普段は面と向かって言うことのない、お互いへのメッセージをもらいました。 まずは、お姉さんから妹さんへ。「看護学科は忙しくて大変だと思うけど、夢を叶えるまでがんばってください。課題はギリギリになりがち(笑)だけど、やるときはやるタイプのあなただから養護教諭になる夢も叶えられるよ。 コミュニケーション能力が高いし、小さい子どもの対応も上手だからきっと向いていると思います。私はこれからも近くにいるので、実習中など忙しい時期はサポートするから安心してね。」 そして、妹さんからお姉さんへ。「教員採用試験の合格、本当におめでとう!いつも教職の授業や採用試験に向けてお姉ちゃんが努力しているのを見ていたので、自分のことみたいにうれしいです。お姉ちゃんの姿を見て、私も養護教諭になりたいという気持ちが大きくなりました。来年からは先生としてがんばってね。『助けて』といったらいつも助けてくれるお姉ちゃんがいてくれてよかった。これからもよろしくね。」 今回の取材では、それぞれの夢に向かって歩んでいく姉妹の姿から改めて「シンジョの学生の素敵な人柄」に触れることができました。二人のこれまでとこれからの努力が実を結び、『シンジョ出身の姉妹先生』が子どもたちを笑顔にする未来を心から願っています。
キャンパス
1443
2023.10.5
家政学科では『学生の居場所づくり』をテーマとして、在学生が求める学内環境や空間に関するアンケート調査を毎年後期に実施。家政学科の砂本文彦教授が担当する『室内環境学』の講義ではそのアンケート結果をもとに具体的な空間設計を目指す『課題解決型授業(Project Based Learning)』に取り組んでいます。昨年度は須磨キャンパスの学生ラウンジ『ma vie』をリニューアルし、今年は須磨キャンパスの食堂2階を改修していました。 今回、完成を間近にして新しく設置される「無垢材のビッグテーブル」の仕上げ塗装ワークショップの取材を実施。プロジェクト全体の流れと当日の様子をインタビューを交えて紹介します。 『食堂2階改修プロジェクト』とは? 立案から完成まで 『食堂2階改修プロジェクト』は、まず学内のさまざまな環境課題の把握からスタートしました。それぞれに学生ニーズに合わせた提案がありましたが、改修後によりたくさんの学生に喜ばれることが見込める『食堂2階』に大規模改修を行うことを決定しました。 これまでの先輩たちが把握してきた課題や提案を現在の受講生が引き継ぐとともに、3社の設計会社に設計要件として提出しました。それぞれの設計会社は自社のノウハウを活かしてどのように改修工事ができるのか、学生に向けてプレゼンテーションを実施。 学生たちはグループワークを経て実施設計案に質問をしたり、新たな提案を行っていき、自分たちの想いを形にしていただける設計会社を選定し、最終的には住友林業ホームテック株式会社様にご協力を依頼しました。そして今年の夏休みに施工を行いこの日を迎えています。 これまでの食堂2階は長机が並び多くの学生が食事をするためだけの空間でしたが、本プロジェクトはここを食事以外にも、空きコマや放課後に、グループでもひとりでも思い思いに過ごせる場所へとバージョンアップするというもの。そのために学生がまとめた改修前の問題点と、設計会社様ご協力のもと定めた改善案を一部ご紹介します。 ―問題点―・座席数が多く、窮屈さを感じ利用しづらい・交流や休憩、自習できるようなスペースが足りない・リラックスできるような空間が少ない・学生が気軽に使える水回りがない・空間が無機質で利用したいと思えない ―改善案―・座席数を減らし、空間にゆとりを持たせる・気軽に目的別の利用ができる4人用テーブルを並べた「カフェエリア」を設置・靴を脱ぎ、足をのばせる「小上りエリア」を設置・広いカウンターと洗面台を設けた「パウダーコーナー」を設置・3種類のタイルカーペットを貼り分け、温かみと落ち着きのある空間を演出 ゆったりできる『小上がりエリア』 洗面台もついた『パウダーコーナー』 『室内環境学』を受講する家政学科3回生のIさんは「機能性はもちろん、これまでの講義で学んだ採光などを意識した、温かみのある空間ができたと思います。また個人的に楽しみなのが今回のワークショップで塗装するビッグテーブルです。無垢材ならではの質感や、今後、学生みんなが大切に使っていくことで、神戸女子大学ならではのオリジナリティ溢れる設備になるのではないかと期待しています。」 新しく設置されたソファでくつろぐIさん(写真右) 仕上げは自分たちで。新シンボル『ビッグテーブル』を塗装 学生こだわりのビッグテーブルは、無垢材を使用したとても大きなもの。木の温かみある風合いが感じられます。ビッグテーブル塗装のワークショップはその風合いをいつまでも残すためにも、自然素材のワックスを使用し、定期的なメンテナンスを自分たちで行うことができるようになるためでもあります。 今回用いる塗料は『蜜蝋(みつろう)ワックス』。ミツバチの巣からとれる蝋成分と植物由来のオイルを混ぜて作る、自然素材のワックスです。定期的な塗り直しによるメンテナンスが必要ですが、木に染み込み表面に残らないため、塗装後も無垢材の優しい肌触りが楽しめます。 協力業者様による塗料の説明、塗り方の講習を真剣に聞く学生たち ムラができないようにスポンジを使って薄く塗装 塗装後も木の風合いは損なわれません 改修後の食堂2階の全体レイアウト 学生と教員が語る。『課題解決型授業』の魅力とは? 砂本教授は今回のように学生自ら課題を発見し、それを実際に解決する『課題解決型授業』を大切にされているそうです。 「『課題解決型授業』では自分で解決する喜びと満足感が得られるためか、学生が高い意欲をもって参加してくれます。また、私の講義では学習順序を入れ替え、前期に先輩が見つけた課題を引き継いで解決し、後期では自分が後輩に託す新たな課題を見つけるようにしています。こうすることで、より洗練された課題解決、そして課題発見能力が身につくのです。」と砂本教授。 このプロジェクトの感想をIさんに聞いてみました。 家政学科3回生のIさん 「学校を実際に改修できる講義は、他の大学ではなかなかできないと思います。パースを描いて終わりなどではなく、座学で学んだことを現場で活かす難しさ、自分たちが考えたものがどう形になるのかを最後まで見届けられる楽しみがこのプロジェクトにはありました。 将来は古民家再生プロジェクトに携わりたいと考えているのですが、今回住友林業ホームテック様にご協力いただいたことで、普段の講義では学べない本格的な現場知識を得ることもできました。今回のプロジェクトは単なる講義としてではなく、将来の夢に直結する大きな学びが得られたと思います!」 改修により一層魅力が増した須磨キャンパスの食堂2階。今回紹介しきれなかった魅力も盛りだくさんなので、ぜひ一度足を運んでみてください!
保護者の方にもおすすめ
820
2023.9.22
とある夏休みの日曜日。この日は神戸女子大学で学び、企業や公務員、主婦としてさまざまシーンで活躍する卒業生9人組を招待し、プチ同窓会を開催しました。集まったみなさんに『今までの人生の満足度』を聞いてみると、全員が90%以上と回答してくれました。学んだことを活かし、自分の人生を豊かにすることができた卒業生からお話を聞きました!卒業生のガクチカや思い出を中心に、在校生へのメッセージ盛りだくさんの後編をどうぞ。<前編>をお読みでない方はこちらから。 https://nyushi.kobe-wu.ac.jp/mag/parents/article-6016/ 卒業アルバムで振り返る!『ガクチカ』を聞いてみた 懐かしすぎ!面白すぎ!と大盛り上がり。 ここからは卒業アルバムを見ながら、学生時代に力を入れたこと『ガクチカ』や思い出を教えてください。 岡田さん「私はゼミでのウエディングドレス制作ですね。決められたルールの中でどう個性を出すか、満足のいくウエディングドレスを作ろうと必死でした。」<岡田さんの経歴>卒業後、神戸の医療機関で健康診断事務として8年間勤務。現在は業務ソフトウェア販売会社でカスタマーサクセス業務を担当しています。学生時代は「自分の結婚式では自作のウエディングドレスを着たい」という想いから、ウエディングドレスの制作ができる十一先生のゼミに所属。卒業してから数年後に挙げた結婚式では、オリジナルドレスを着用する夢を叶えました。 実際の式の写真。オリジナルドレスで想いを込めた特別な結婚式を実現。 金谷さん(スウェーデンからZoomで参加)「私は当たり前ですが『ちゃんと授業を受けよう』と意識していましたね。元々『海外に行きたい』という想いが強かったので、イタリア語、英語、中国語、ドイツ語など複数の言語科目を取得していました。」周囲からは、金谷さんが語学習得へ本気で取り組んでいる姿は印象的だったという声がたくさんあがりました。<金谷さんの経歴>在学中は、衣服に使われる繊維であるセルロースを研究対象として学ぶ山根先生のゼミに所属。卒業後は上海の大学へ約1年間の語学留学に挑戦。その成果として、上海の国際物流会社で新規開拓の営業として2年半勤務。現在はスウェーデンに移住し、主にトラックのパーツを取り扱うバイヤーとして活躍。海外で生活するという夢を実現させています。 スウェーデンからZoomで参加してくれた金谷さん。 秋吉さん「私は『服飾研究会』かな。関西の大学サークルが集まって、Zepp大阪でランウェイを歩くというファッションショーがあったんです。自分たちでイベントの構成、衣装のデザインを考え、実際に衣装を作ってモデルを集めて参加しました。今考えると無茶とも思えるスケジュールだったけど学生時代にしかできなかったと思います。」<秋吉さんの経歴>在学中は興味のあった被服関連を中心に学び、戦後の着物や色彩についての研究を行うゼミに所属。現在は新卒で入社した有名アパレル会社での勤務を続け、現在は出産・育児を機に時短勤務に変更。ライフステージの変化に合わせながらキャリアを続けています。 写真右奥 秋吉さん 小倉さん「服飾研究会には私も参加していたんですが、やりたいことを形にする楽しさを知りました。他の大学との交流が生まれる場でもあったので、縫製方法を教えてもらうなどスキルアップできる良い機会でした。Zepp大阪でのイベントは準備期間が2か月しかなく、寝る間も惜しんで作業をしていました。そういった大変なことでも楽しみながらできるメンバーと一緒にやり遂げた経験は財産になっていますね。」<小倉さんの経歴>ゼミでは戦後の着物の柄や色彩の特徴をまとめ、どのようにモダンな着物へと移り変わっていったのかを研究。卒業後は服飾の専門学校に入学し、さらに知識と経験を蓄積。その後、大手アパレル企業に就職し、商品企画を担当。現在はフリーランスとして東京を拠点にさまざまな大手企業と取引されています。 小倉さんは自らデザインした洋服で参加 卒業生の皆さんに共通していたことは、やりたいことや『目標』に対して真剣に取り組んだ経験があるということ。自分からアクションを起こすことで、うまくいかないことがあっても「どうにかしてやり遂げる」という考えや工夫が生まれ、その経験が自信に繋がっていくのだと感じました。 学業以外のキャンパスライフの思い出も聞いてみた 福井さん「本当にゼミ以外の時間はほとんどみんなと一緒に過ごしていましたね。誰かの誕生日の時は必ずみんなで食堂に集まって、用意したケーキでお祝いしてました。」一宮さん「みんなで学校帰りに夜ご飯を食べに行った後、遅くなっちゃったときには学校の下宿してる子の家にお泊りとかよくあったね。」小倉さん「7人乗りの車を借りてみんなで運転して、旅行にも行ったなぁ。あれどこやっけ?ナガシマスパーランド?」岡田さん「そうそう。ほとんど運転したの私やけどな!(笑)」 女子大生の青春。これもリアル。 みんなで(ほぼ岡田さん)運転していった旅行。仲間内で流行っていたポーズの写真。 仲間内で流行っていたポーズを再現! 卒業生から後輩へ。今こそ伝えたいメッセ―ジ 社会人の先輩として、在学生にメッセージをお願いします。 秋吉さん「神戸女子大学ではさまざまな資格が取れたり、課外活動のチャンスも多いと思います。『今、忙しい!』『遊びたい』『ちょっとでもラクしたい』と思ってチャレンジしないことは本当にもったいないです。自分の将来に役立つかもしれないと思うことには積極的に挑戦すると良いと思います。」 岡田さん「学力だけではなく思考力を身につけておくと、社会に出てから役立つと思います。普段、何気なくしていることでも、『なぜ』しているのか、『なぜ』それを使うのか、理由や根拠について考える習慣をしておくことで、自分で考える能力が身に着くと思います。そういった習慣や能力は社会人になってから急に身に着くものではないので、今のうちです!」小倉さん「今の時代はSNSなどの普及で何でも『知った気になってしまう』ことが多いと思います。卒業論文の制作時にも言われると思いますが、その情報が正しいかを気にかけ、本物の知識を身に付けることを意識してください。」 福井さん「同じ場所で、同じことを学ぶ人が周囲にいる環境って大学が最後。それって生涯の友人と出会うには最高の環境だから、積極的にたくさんの人と関わってみて欲しいと思います。私たちのグループは今でも連絡を取り合っているほど仲が良いので、社会に出てから辛いことがあっても『あの子も頑張っているし!』と思って踏ん張れることもありました。」一宮さん「今の神戸女子大学には、チャレンジする学生を応援するための準備が整っています。課外活動に対する助成金制度が出来て、快適に過ごせるスペースや設備が整備されました。ただ授業を受けるだけではなく、授業以外の経験をするためにどんどん学校を活用して欲しいです。何をしていいかわからない!という人は、地域連携推進センターにきてくださいね!」 現在通われている在学生の皆さん、これから神戸女子大学への進学を検討されている高校生の皆さん。神戸女子大学では、多様な学びを提供する学科だけでなく、さまざまな経験を得るためのサポート体制が整っています。1人でも多くの学生が明るい未来を歩めるように、充実キャンパスライフを過ごしてくれることを願っています!
保護者の方にもおすすめ
823
2023.9.22
とある夏休みの日曜日。この日は神戸女子大学で家政学科で学び、企業や公務員、主婦としてさまざまシーンで活躍する卒業生9人組を招待し、プチ同窓会を開催しました。集まったみなさんに『今までの人生の満足度』を聞いてみると、全員が90%以上と回答してくれました。学んだことを活かし、自分の人生を豊かにすることができた卒業生からお話を聞きました!まずは、なぜ神戸女子大学に入学したのか、入学後のキャンパスライフを中心とした前編をどうぞ! 集合して早々、楽しそうな空気感 スウェーデンで活躍する卒業生はオンラインで参加! 入学当初の雰囲気や志望理由から見える神戸女子大学の魅力 まずは皆さんが仲良くなったきっかけを教えてください。 一宮さん「席が近かったから、という単純な理由が大きいと思います(笑)当時の家政学科は出席番号でAとBの2クラスに分けられていたんですが、それでも合計70人ほどだったので今以上に距離が縮まりやすかったのかもしれません。少人数やクラス制で、みんなに居場所ができるんですよね。」<一宮さんの経歴>学生時代は梶木先生のゼミに所属し、地域の防犯や防災対策の現状を調べ、まちづくりに関する研究を行いました。卒業後は子供服ブランドの会社に勤務。現在はその民間企業での経験を活かして本学の地域連携推進事務室で勤務。地域と学生を繋ぐ業務を担当しています。岡野さん「たしかにはじめは『自分の周り、明るくてうるさいやつ多いなぁ』とか思ってたんですけど、時間が経つにつれてどんどん仲良くなっていった気がします。入学式が終わってすぐに全体懇親会のようなものを企画した人がいて、そこでも距離が縮まった気がするよね。」<岡野さんの経歴>学生時代には着物のように直線的に裁断した布を縫い合わせて衣服を作る「被服平面構成」をゼミで学び、卒業後はアパレル会社で5年間勤務。大学で学んだ幅広い教養を活かし、現在は兵庫県内の市役所で勤務されています。 写真中央 岡野さん 皆さんはなぜ神戸女子大学に進学したのか教えてください。 福井さん「私の姉が神戸女子大学に通っていたんです。その姉がいつも楽しそうだったので元々興味を持っていて。当時は神戸近郊で教員免許を取れる大学があまりなかったと思うので、自然と第一志望校でした。その上、教員免許以外の資格もたくさん取れるということが私にとっては最大の理由でしたね。」<福井さんの経歴>学生時代は大森先生のゼミに所属。就活用パンプスの開発を目指し、パンプスを履くことによってかかる足圧の研究に没頭していたそうです。卒業後は中学校の家庭科教員として日々生徒指導にあたっているそうです。 写真右から福井さん、松村さん 松村さん「私は服飾関係の職につきたいと思っていたのですが、専門学校では将来の選択肢が狭まってしまうのではないかと心配していたんです。そんな時に神戸女子大学なら服飾について深く学びながら、幅広い大学としての学びも得られることを知り、すぐに受験を決めました。」<松村さんの経歴>卒業後はアパレル会社に就職し、結婚と出産を機に退職。現在は専業主婦をされています。在学中のゼミでは、神戸女子大学70周年を記念して作られたオリジナルキャラクター「こじょこじょ」を用いて、神戸市の夏祭りイベントへの参加など大学のPR活動を実施。岡田さん「私は、私生活でも役に立つ知識が欲しくて家政学科を志望していました。いろいろな大学を見て回りましたが、決め手は入試方法でした。筆記試験が少し不安だったので『1科目の筆記試験と面接』で受験ができると知り、自分が得意な1科目の勉強と、自信をもって話せる面接で合格が掴める!と思ったんです。」 先生と偶然の再開!ここにも神戸女子大学の魅力が。 楽しく過ごしていると、家政学科の大森先生が姿が…。大森先生は福井さんの所属ゼミの先生!ということで声をかけさせてもらうと、快くプチ同窓会に参加してくれました。先生の姿を見た卒業生は大盛り上がり!『先生全然変わらない!すごい!綺麗!』の声がしばらく止みませんでした。特に、松村さん、福井さんはゼミでお世話になったことも多く、思い出話がたくさんあったようです。 先生からは「あなたたちは大人になったねぇ~」とのお言葉をいただきました。 大森先生は何百人もの学生が卒業していく姿を見届けていますが、今回のプチ同窓会の参加者のことも覚えておられました。少人数制、クラス担任制といった神戸女子大学の特徴により、教員と学生のコミュニケーションが密になっているからこそ、こうして卒業してから思い出話ができるのだなと思える出来事でした。 卒業生のガクチカや思い出を中心とした<後編>も必見です! https://nyushi.kobe-wu.ac.jp/mag/parents/article-6192/
カルチャー
688
2023.9.19
近代的なビルが立ち並ぶ、神戸市の一角に位置する日本庭園「相楽園」。2023年8月27日、この日本庭園が灯篭による幻想的な灯りでライトアップされました。このイベントの運営には神戸女子大学家政学科の学生やボランティアで参加した学生などが参加。今回はインテリアや住環境について学べる、家政学科 田中先生のゼミから参加している家政学科3年生にフィーチャーし、インタビューを交えながら活動の様子をお伝えします。 ●田中先生へのインタビュー記事はこちらから 待ちに待ったライトアップ当日。手作り灯篭の晴れ舞台。 このイベントの正式名称は「ひかりのさんぽ路」。当初は8月26日と27日の2日間で開催される予定でしたが、初日は準備した直後、荒天により中止になってしまったため、この日が初めてのイベントでした。今回使用する灯篭は学生やオープンキャンパスに参加された方の手作りです。切り絵を用いた装飾が施されていて、火をつけると灯篭の模様が可愛く浮かび上がるそう。これまでに準備した約200個の灯篭がどのように相楽園を照らすのか、学生のみんなも楽しみのようです。 いざ点灯。来場者を癒す炎の不規則な揺らぎ。 学生は相楽園に到着後、すぐに点灯作業に移ります。前日の悪天候の影響か、予定していた位置から少しずれている灯篭もちらほら。灯篭の位置はどのように決めているのか疑問に思っていると、家政学科3年生のTさんが「灯篭は来場者の動線にかぶらないことはもちろんですが、浴衣で来られる方もいると思うので、裾が引っかからないよう、細い道での足元への設置は避けています。また、安全面以外にも見る人の視線から灯篭同士がかぶらないよう微調整もしているんです」と話してくれました。 灯りがともりだすと次第に来場者も増加し、気が付けば辺りにはカメラを構えた大勢の人が。それでも、学生たちの気遣いのおかげか、つまずく人や転倒している灯篭を見ることはありませんでした。 道幅が細く、急な階段では足元以外に設置 数多くの灯篭に照らされた相楽園は日中とは異なる幻想的な装いに。コロナ禍を除き年に1度開かれるこのイベントに近所にお住まいの来場者は「すでに馴染みのある相楽園ですが、この時期だけは私たち地域住民にとっても特別なんです。今年もこの光景が見られてとても満足です」とおっしゃっていました。 灯篭の灯りはなぜこれほどまでに見る人の心を掴むのでしょうか。これには科学的な根拠があるようです。「私たちは2年生の時に『インテリアデザイン論』という講義でロウソクの炎が与える心理効果について学びました。ロウソクの赤みある光や炎の揺らぎにはリラックス効果があるようなので、それがうまく作用しているのだと思います」とTさんは語ってくれました。 イベントへの参加理由と感想を聞いてみた! 点灯作業を終え、巡回までの間に3名の学生にインタビューしました。 左から家政学科3年生 田中ゼミのHさん、Mさん、Tさん。 ― 今回どのような経緯で「ひかりのさんぽ路」の運営に参加したのですか? Hさん「将来リフォーム関連会社に就職したいと思い、インテリアや空間デザインが学べる田中先生のゼミに参加しています。そのゼミの中でこのイベントを教えていただいた時に、光が与える心理効果を体験できるのではないかと思い、参加を決意しました。」 Mさん「私は前回のオープンキャンパスのボランティアで、この灯篭づくりに協力していたんです。その時の灯篭がどのように輝くのか最後まで見届けたいと思い、参加しました。」 ― 実際に参加してみてどうでした? Tさん「思っていたよりも多くの方に来場いただき驚きました。来ていただいた方の楽しそうな表情をみて、『やってよかった』と思えたので、今後もこのようなボランティアがあれば積極的に参加していきたいと思います。」 家政学科では学生の自主性を尊重したうえで、やりたいことに参加できる場を数多く設けています。今回お話を聞いたTさんは入学時、「住宅模型を作りたい」という想いがあったそうですが、2年生の頃には選択授業でその想いを成し遂げたそう。神戸女子大学はこれからも学生の「やってみたい」に応えられるような環境づくりを続けていきます。
特集
653
2023.8.22
神戸女子大学では、企業や自治体と連携して、活きた知識や技術を学ぶ「産学連携プロジェクト」をこれまでに数多く実施してきました。企業や施設に足を運び、より実践的に学ぶことで学生は自らの成長に繋げることができます。 2023年7月、家政学科の学生は「産学連携プロジェクト」として、株式会社MORESCOが製造する有機薄膜太陽電池(以下「OPV」)の新たな導入事例を企画しています。今回はその様子をお伝えします! これまでの産学連携プロジェクトの記事はこちら!須磨パティオをPR!! 地域の課題解決にシンジョ生が立ち上がるローソンと共同で商品開発に挑戦!商品設定編 MORESCOの「OPV」とは? まずは製品を知り、可能性を探る このプロジェクトの目的は、株式会社MORESCOの「OPV」を用いて、デザイン性と実用性を兼ね備えた、新たな導入事例を神戸市内で作ること。そのためには、利用する製品の特性を正しく理解し、共同企業をうならせるような提案をする必要があります。これまでに参加学生は教員による事前授業と、MORESCOの社員の方による特別講義を受講しており、今回は会社見学ツアーに参加しました。 まずは30分ほどの座学で、企業についての理解を深めました。 現在MORESCOでは、「地球にやさしいオンリーワンを世界に届けるMORESCOグループ 未来のために もっと化学 もっと輝く」を中期経営ビジョンとして掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。そんな研究開発型企業であるMORESCOが開発する「OPV」とはどのようなものなのか、実物を見せてもらいました。 屏風型のOPVについて説明を受ける学生 MORESCOが製造する「OPV」は、軽さと柔軟性に加え、透け感と低照度光でも発電できる両面受光がポイントだそう。「アイデアのヒントを逃すまい」と真剣なまなざしで説明を受ける参加学生。 学生にはどのようなことを期待しているのか、「OPV」の開発担当者である早川様にお聞きしました。 「今後はこの素晴らしい技術を世界に広め、普及させたいと考えています。そこで重要なのが、どのように製品をアピールするかです。学生ならではの視点と発想で、話題になるような導入事例を作っていただきたいですね。」 既存事例を確認しに神戸どうぶつ王国へ!前例からイメージを膨らます この日は「OPV」を使用している、OPTree(オプツリー)を見学しに、神戸どうぶつ王国にも行きました。OPTreeは木をモチーフにし、その葉の部分に「OPV」を5枚導入。その下のベンチにある5か所のUSBポートから、スマートフォンを充電できるという仕組みです。「OPV」の可能性を目の当たりにした参加学生。好奇心と想像力が掻き立てられたことでしょう。参加学生に意気込みを聞いてみました。 「製品についての知識が増えるほど、既存の導入事例がよく考えられていると気づかされます。それでも、私たちだからこそできる自由な発想で、これまでにない提案をしてみたいと思います。『提案したものが採用されれば、実際に神戸市のどこかに設置してもらえるかもしれない』という期待をモチベーションに、これからも貪欲に取り組みます。」 このOPTreeは「OPV」の軽さや柔軟性、透け感を利用した代表例。このように「OPV」の特徴をうまく活かした提案ができるのか。今後の活動に目が離せません! 企業紹介 株式会社MORESCO(本社所在地:神戸市)1958年、当時はほとんどが輸入品であった特殊潤滑油を国産化すべく、株式会社松村石油研究所が設立。2009年には会社のグローバル化に合わせ、社名を株式会社MORESCOに。世界市場で競争力のある研究開発型企業として、創業時から手掛けていた高性能な特殊潤滑油や合成潤滑油はもちろん、ホットメルト接着剤やエネルギーデバイス材料など、独創的かつ技術性の高い「ものづくり」と「サービス」で様々な産業分野の発展に貢献しています。
保護者の方にもおすすめ
512
2023.7.10
「やりたいこと」を社会の中で実現するには、色んな壁があります。それは、テーマやコンセプトの設定、課題・問題・アイデアの発見、仲間づくり、スケジューリング、予算管理……。 「やりたいこと」によって越えなければならない壁はさまざまですが、共通していることがあります。それは、実際に自分で考え、問題を発見し、解決に向けて行動しなければ、壁を乗り越える力が育まれないということです。 神戸女子大学では、シミュレーションだけで終わらない「実践」を重視しています。 たとえば、家政学科の大森先生のゼミでは、須磨キャンパスのすぐそばにある「須磨離宮公園」と連携し、バラやハチミツの生産に伴う廃棄物の再活用について、学生たちが主体的に考え、実行する取り組みが行われています。 大森先生に取り組みの概要と、「自分で考えて行動すること」の大切さについてお伺いしました。 ゼミの学生が毎年、須磨離宮公園と連携したプロジェクトを実施 私のゼミでは卒業研究のほかにも、有志の学生たちを毎年集めて「自分で問題を考え、解決に向けて行動する」プロジェクトに取り組んでもらっています。参加学生を有志にしているのは、「主体性」を育むことが目標のひとつだからです。 プロジェクトの枠が「自分で問題を考え、解決に向けて行動する」だけだと広すぎるので、「須磨離宮公園との連携」や「廃棄物などの再活用」をアイデアのきっかけとして設けています。 本学とキャンパス・パーク連携を結ぶ須磨離宮公園 プロジェクトの主体は学生なので、基本的には学生が自分たちでプランを考え、行動して実現をめざします。 しかし、学生たちだけでは乗り越えることが難しい「壁」があるのも事実なので、教員として学生の主体性を損なわないように注意しつつ、アイデアの「種」となる情報の提供や、サポートやアドバイス、外部との連携などを行いながら、プロジェクトを進めています。 連携先の須磨離宮公園は、豊かな自然が広がる大型の都市型公園で、バラなどの多様な植物が育まれているほか「bee kobeプロジェクト」という養蜂事業が行われています。「bee kobeプロジェクト」は養蜂やハチミツ採集を通じて、地域住民や子どもたちの自然とのふれあいを促進する取り組みです。 他にも、須磨離宮公園と連携して行った取り組みをあげると「みつろうラッププロジェクト」があります。 「みつろう」を通じて、「持続可能な社会に必要なこと」を考えてもらうプロジェクト ハチミツはミツバチの巣を絞ったり溶かしたりして作られ、その際に「蜜蝋(みつろう)」と呼ばれるワックスが採取できます。 ですが、蜜蝋はあくまで「副産物」。そのまま廃棄されることも多々あります。その問題について学生たちに投げかけたところ、蜜蝋を食品保存のために使われるラップに活用できることを学生たちが調べてきて、「みつろうラッププロジェクト」がはじまりました。 「みつろうラップ」は蜜蝋を布に染み込ませてつくった、繰り返し使えて自然にも還る天然素材のラップです。須磨離宮公園の蜜蝋を活用したみつろうラップづくり・販売と、公園のお客さんに「つくってもらう」ワークショップを開催しました。 ものづくりや販売を行うだけでなく、ワークショップを通して、ミツバチと環境との関係性、ものづくりによる廃棄物の問題と活用方法、マイクロプラスチック問題などを人々に伝え、「持続可能な社会には何が必要か」を考えてもらうことをゴールに取り組みました。 記事(前編)はこちら 記事(後編)はこちら 現在は「須磨離宮公園のバラ」を活用したプロジェクトが進行しており、みつろうラップ同様、学生が主体となって実現に向けて行動しています。 「切り戻し」で捨ててしまうバラを新たに活用するために バラを次のシーズンにまた健康的に咲かせるには、適切な時期に咲いている花を一旦切り落とす「切り戻し」が必要となります。切り落とした花は捨ててしまうのですが、その中には傷んだ花だけでなく、綺麗な状態の花もふくまれています。 須磨離宮公園の切り戻しで廃棄するバラの花を調査したところ、おおよそ6割の花びらが綺麗な状態を保っていました。切り戻しはバラの健康を守るために必要ですが、せっかく綺麗に咲いたバラの花をそのまま捨てるのはもったいないですよね。 この問題について「どうしたらいいだろう」と学生たちに投げかけ、さまざまな切り口から解決方法をいっしょに考えています。 たとえば、廃棄されるバラからお香を作ったり、美容や食用に使える「ローズウォーター」を作ってみたり……。どちらも「作り方」は分かったのですが、「無農薬でないといけない」という壁に今ぶつかっています。 バラの無農薬栽培は非常にハードルが高く、農薬を使う栽培が一般的で、須磨離宮公園も農薬を使用しています。そのため、プロジェクトメンバー内の数名が現在、農薬を使って栽培されたバラから、農薬を洗浄・除去する方法を研究するなど、まさに問題を解決する力を養っています。 シミュレーションでは得られない学びから、「やりたいこと」を実現するために必要な力を身につける プロジェクトはすべて、メンバーが個々に進めるのではなく、チームになって連携しながら取り組んでいます。 「バラの活用」で現在取り組んでいることの例として、「農薬除去の研究」をあげましたが、他にも「ローズウォーターを使ったランチメニューづくり」や、「バラを活用したスキンケア商品の開発」など、それぞれの興味や得意分野に応じたさまざまな取り組みを行っています。また、「つくったモノをどのように社会に届けるか」という「出口」まで考え、行動しています。 どうすれば人々に知ってもらえるのか、どうすれば人々に使ってもらえるのか、「お金」はどうすればいいのか……。 シミュレーションだけで終わらせずに、「マーケティング」、「広報活動」、「資金調達」、「プレゼンテーション」といった「リアル」と向き合いながら実現をめざしています。 これまで学生たちがチャレンジしたプロジェクトの中には、予算などのリアルな事情で実現できなかったものもありました。しかし、その経験は決して無駄にはなりません。自分たちで問題を考え、仲間と頭を悩ませながら行動して得られた力は、どんな仕事に就いても役立つからです。 「自分で問題の解決に向けて行動した経験」をたくさんすることが、社会の中で自分らしく生きていくための基礎力となります。神戸女子大学には、私のゼミの他にもそんな学びがたくさんあります。 ぜひいっしょに、リアルと向き合いながら、「やりたいこと」の実現にチャレンジしましょう! プロフィール家政学部 家政学科大森 正子先生 色彩学と人間工学を専門とし、授業やゼミではこれらの専門分野と「社会との関わり」や「環境負荷の軽減」などのテーマを交えた学びを展開。企業と連携したユニフォームの開発や、須磨離宮公園のバラやはちみつを活用したプロジェクトなど、学生たちが実践を通して主体的に学べる場を提供している。
保護者の方にもおすすめ
489
2023.6.26
神戸女子大学の家政学科には、インテリアや住まいの空間づくりなどについて学べる「住空間」モデルが用意されており、神戸のフィールドを最大限活用して、「街で学ぶ」ことを重視した授業が展開されています。神戸は古くから日本の国際貿易の拠点として、さまざまな国々の人・物・文化が行き交ってきた街でもあります。 この記事では、家政学部 家政学科でインテリア・空間デザインを教える田中 栄治先生に「街から学ぶこと」がなぜ大切なのか、「神戸の街で学ぶ魅力」を聞いてみました。 「体験」してきた「もの・こと」の幅広さが、空間をつくる力になる 住まいの空間づくりには、「部屋の広さ」「窓の方向」「暮らし方」など、さまざまな条件のもと、空間やインテリアを具体的にイメージし、形にする力が必要です。そして、空間やインテリアといった「立体的なもの」をイメージする力を育むには「実物」を体験して学ぶことが重要です。 つまり、実際に街中に出て、さまざまな景観、住宅、インテリア、そしてそこで営まれている生活や文化に出会い触れることが、空間をイメージして形にする力に繋がります。 また、空間やインテリアは複数の要素が組み合わさって作られているため、「イメージの幅広さ」も重要です。ユネスコのデザイン都市である神戸の街は、そんな「イメージの引き出し」を増やすにはピッタリの街です。 神戸は和と洋が混ざり合う、現代日本文化の「始まりの街」。さまざまな特徴をもった住宅や建造物とたくさん出会える 三宮の北側の「北野エリア」には外国人の旧宅が点在する異人館街があり、異国情緒あふれる神戸を代表する観光地です 神戸は和と洋が混ざり合って発展した、現代日本文化の「始まりの街」です。江戸時代に鎖国を続けた日本が1854年に開国し、横浜開港の9年後の1868年に神戸港が開港、いち早く外国文化を受け入れてきました。その結果、外国人だけが暮らす「居留地」だけでなく、日本人と外国人が隣りあわせで生活を営む「雑居地」も設けられ、日本と外国文化が混ざり合い、独自の文化が形成されました。 神戸には今も、日本が外国文化を受け入れる過程で生まれた、特徴ある住宅・建造物が豊富に残されています。和の文化が色濃く残る住宅、西洋文化の新しい風を感じる住宅、そして、和洋両方の文化が調和した住宅。そのような多種多様な個性をもった住宅・建造物が神戸のあちこちに現存しており、だれでも気軽に訪れることができます。 「なぜ、このように作られているんだろう?」「なぜ、古いものと新しいものが調和できているんだろう?」「なぜ、この空間が魅力的に感じるんだろう?」 実物を体験するからこそ浮かび上がるたくさんの「なぜ?」に出会い、「イメージする力」と「引き出しの豊富さ」を育むことができます。 古いもの、新しいもの、海、山、街。幅広い文化と景観がコンパクトに集まる都市 さまざまな文化・景観がコンパクトな地域にまとまっているのも、神戸の特徴です。日本最古の現存民家「箱木千年家」など、数々の歴史的建造物。神戸港の開港当時に建てられた外国人住宅が集まる「北野異人館街」。日本三大中華街のひとつである「神戸南京町」。現代建築・アート施設が連なった「ミュージアムロード」。神戸の街には、さまざまな文化と景観がギュッと詰まっています。また、山・海・街が近く、それぞれの風土による住まいやインテリアへの影響、特徴の違いなどを1つの都市の中で体感することができます。 新しいもの、和の文化と西洋の文化、山・海・街のそれぞれ土地が織りなす街並み。これだけの幅広い文化と景観を体感できる街は、神戸以外にはあまり見つからないのではないでしょうか。さまざまな視点から住まいやインテリアについて考えを深め、視野を広げながら想像力と感性を磨ける環境です。 和・洋・中のインテリアを体験するフィールドワーク 家政学科のカリキュラムには「神戸の街で学ぶ」さまざまなフィールドワークが用意されています。たとえば、私が担当する2年次対象(2024年度からは1年次後期対象)の「インテリアデザイン論」では、和・洋・中のインテリアを体験できるフィールドワークを行っています。 明石海峡大橋のすぐ近く、「舞子公園」内にある「旧木下家住宅」・「旧武藤山治邸」・「孫文記念館(移情閣)」に訪れ、それぞれの空間・インテリアの特徴について、実物を見ながら学びます。 インテリアデザイン論のフィールドワークでは、住まいやインテリアの特徴や時代による変化を歴史的背景を交えながら解説しています。学生はフィールドワークに参加し、座学で学んだこと+αを体験して学ぶことができます。そうすることで、学生は理解を深めるだけでなく「イメージの引き出し」を身につけて成長していきます。教員としては、学生が成長する様子を間近で見ることができ、やりがいを感じています。もちろん、「インテリアデザイン論」だけでなく、他の授業もフィールドワークを重視して展開されており、神戸という街を存分に学べる学習環境となっています。 神戸は日本の街の中でも、特にオリジナリティにあふれた街だと思います。それは、「新しいもの好き」の神戸人たちが、多様な「外の文化・考え方」を受け入れて、自分たちの文化とミックスしてきたからです。 学生のみなさんには「自分らしさ」と「視野の広さ」、そして「イメージを形にする力」を育むために最適なフィールドと言える神戸の街で、さまざまな文化と出会い、成長して欲しいと考えています。 フィールドワークで訪れる住宅のひとつ「旧木下家住宅」 和の建築独特の、「住宅と庭」「内と外」の繋がりが感じられる空間づくりを体感する プロフィール家政学部 家政学科田中 栄治先生 研究テーマは、「住宅における建築・庭園・工芸の連繫」。現在は日本庭園の研究・実測を行った建築家 西澤文隆の論考を研究対象として、特に建築と庭園のかかわりについて文献研究を行っている。また、一級建築士事務所の代表として、住宅の設計や店舗のインテリアデザインに携わる他、歴史的建造物の保存・活用を担う兵庫県ヘリテージマネージャー(歴史文化遺産活用推進員)として、茅葺き民家の保全・活用といった取り組みも行っている。
キャンパス
1848
2023.5.26
就活や卒論、そして卒業を控えた4回生は大忙し!今回登場するのは家政学科のDさん(写真右)とHさん(写真左)。ふたりのリアルな一日に密着し、キャンパス内のお気に入りスポットを紹介してもらいながら、神戸女子大学で過ごした『これまで』と『これから』の目標について聞いてみました♪ まずはカフェテリアへ!勉強モードのスイッチを入れるこだわりのパンとドリンク 2023年4月にリニューアルしたmarberg ふたりが登校してからまず向かったのはカフェテリア。「オシャレに、今までよりもっと女子大らしくなった!」と二人は笑顔を浮かべます。大学直営のベーカリーカフェ『marberg』があるカフェテリアに、雰囲気抜群の内装やWe Proudly Serve StarbucksⓇ コーヒープログラムが導入され、これまで以上にシンジョ生のキャンパスライフを彩っています。 We Proudly Serve StarbucksⓇ コーヒープログラムとはスターバックスのコーヒー豆と、その豆に合わせ特別に調整したフルオートコーヒーマシンを使ってカフェ ラテやカプチーノ等をお楽しみ頂けるプログラム。友だちとのコミュニケーションを活性化させ、学生のお気に入りエリアの充実を図るために導入されました。 キャラメル ラテやココアなどコーヒー以外のドリンクも豊富なのが女子大生にも嬉しいポイント 学生のキャンパスライフになくてはならないほどの存在に。 Hさんは、「最近、同級生のSNSでカフェテリアで過ごす様子の投稿が増えていて、みんながInstagramにあげたくなるスポットになったことが伝わってくる!」とリニューアルしたカフェテリアがシンジョ生のお気に入りスポットになっていることを教えてくれました。 ゼミ室で卒業研究に向けて先生に相談へ 次の行先はふたりが所属するゼミを担当する大森先生の研究室。大森先生のゼミでは様々な企業と連携したプロジェクトに携わることができたそうで、「学生の私たちだけでは、普段できないような体験をたくさんさせてくれる大森先生のゼミを選んで良かった!」と笑顔で語ります。この日は、ふたりの卒業研究のテーマに密接に関連する『須磨離宮公園に咲いているバラ』について先生に相談へ。具体的な調査日程から、手法、そしてこれからの研究発表に向けてなど次から次へ質問をするふたりからは、好きな学問を追究している充実感を感じることができ、時折見せてくれた研究者のような表情が印象的でした。 明るく、いつも学生たちのモチベーションを上げてくれる大森先生(右) 将来の夢をかなえるためライブラリーコモンズで自習 大森先生との打ち合わせが終わり、次に向かった場所は図書館1階にある「ライブラリーコモンズ」です。Hさんはこれまでのキャンパスライフで、授業の空きコマに自習する習慣を大事にしてきたため、静かに自分と向き合って自習できるこのスペースがお気に入りなんだと教えてくれました。現在は内定先の大手ハウスメーカーで活躍するため、インテリアコーディネーターの資格取得に向けて毎日勉強しているそうです。 「私は家政学科の住空間コースに所属していて、建物の内装部分を重点的に学んでいます。平面図を描いたり、友達と一緒にコンセプトから考えて、建築模型やデザインを作ったりしました。部屋を広く見せたり、自然を感じたり、理想の内装を実現するためには家具の配置や色合いの細かい部分が大切。自分自身や家族の部屋づくりに活用できるので、とても身近な学問だと感じます。」と語り、「住宅に関する知識と卒業研究で研究している美容を組み合わせて、自分なりの4年間の集大成を形にしたいと思っています。」と力強く話してくれました。 シンジョ生が思い思いの時間を過ごす学生ラウンジ「ma vie」 続いてDさんが紹介してくれた場所は、こちらも昨年リニューアルしたばかりの学生ラウンジ「ma vie」。フランス語で『私らしさ』を表すように、シンジョ生のお昼ご飯や、ちょっとした休憩、授業の課題など、さまざまなシーンに寄り添うためのインテリアが揃った空間です。 実はこの空間造りには家政学科の学生が関わっています!記事はコチラ 「私は就職活動についてまとめたりすることが多いですね。静かな場所より、自然と周囲の会話や物音が聞こえる空間の方が集中できるんです。」と笑って教えてくれました。就職活動中のDさんは、最初はなかなか自分のやりたいことが見つからず不安だったと語ります。「ある住宅関係の企業説明会が転機になり、シンジョで学んだ住宅関係の知識と、アルバイトで培った接客業の経験が活かせるんだと自信を持つことができました。それからはどんどん住宅関係の仕事について調べ、将来を具体的に考えるようなりました。現在は、説明会やエントリーシート提出など、積極的に就職活動を行っていています。」この日、これから面接が予定されている企業の研究など自らの将来に向けて努力を続けているDさんの姿を見て、近い将来、企業との良いご縁がきっと訪れるに違いないと思いました。 シンジョの大学生活は友達との思い出がいっぱい! シンジョの特徴はクラス単位での行動と教えてくれたDさん。「すぐに友達ができて、とても仲良くなれる環境が整っています。友達が勉強しているのを見て、『私もがんばらないと!』と思ったり、休み時間のおしゃべりで元気をもらったり。4年間の中で、友達の存在はとても大きかったです!」と大学生活を振り返ってくれました。 学内に友達との時間を過ごせるスポットが増えてきたと話すHさん。「これから大学に入る皆さんも、友達との関係を大切にして、勉強もキャンパスライフも思いっきり楽しんで欲しいです!」と未来のシンジョ生に向けて、力強いメッセージで結んでくれました。
オープンキャンパス特別企画
2694
2023.5.9
家政学科でオープンキャンパスで家政学科を第一希望で申し込んでくださった方を対象に、全日程で送迎バス(要事前申込)をご用意しています。バスには楽しいお話で学科の魅力と充実のキャンパスライフを紹介してくれる家政学科の先生と学生スタッフが添乗員として乗車しているので、キャンパスに着くまでに色んなお話が聞けるお得な送迎バス!是非利用してくださいね! 申込フォームはこちら 【姫路ルート】※8月20日(日)は運休 集合場所:JR姫路駅南口すぐ 観光バス乗降場 受付開始:8時45分 出発時間:9時00分 人数制限:先着20名様まで 【三宮ルート】 集合場所:JR三ノ宮駅南側 ラウンドワン 三宮駅前店 前 受付開始:8時45分 出発時間:9時00分 人数制限:先着20名様まで
キャンパス
1085
2023.4.4
神戸女子大学では、学生が現場の第一線で働く社会人から、生きた知識や技術を学ぶことができる「産学連携プロジェクト」を実施しています。 2023年3月には本学の地域活性化学生団体「K→osmoseize(コスモシーズ)」が、企業と合同で神戸市須磨区にある商業施設、「須磨パティオ」のPRを行う産学連携プロジェクトに参加。今回はその活動の様子をお伝えします。 課題解決のカギはInstagram!?この日までの活動内容を聞いてみた 今回のプロジェクトの目的は、市営地下鉄名谷駅すぐの商業施設「須磨パティオ」のPR。その方法は須磨パティオとインスタグラマー「神戸人」さん、シンジョ生によるInstagramでの魅力発信です。 このプロジェクトに神戸女子大学を代表して参加するのは、これまでSNSを活用して神戸の魅力発信や、「北野はいからウォーキング」をはじめとしたさまざまなイベントを実施してきた学生団体「K→osmoseize(コスモシーズ)」。 このプロジェクトにおけるこれまでの活動をK→osmoseizeメンバー、家政学科3回生のBさんに聞いてみました!「私たちがこのお話をいただいたのは1月末でした。取り上げる店舗やスポットの選定、訴求コンセプトなどを決める打ち合わせから参加させていただけるということで、喜んで参加を決意しました。3月下旬の投稿を目指し、2月に投稿内容を決める打ち合わせが設けられました。その前にパティオについてもっと知っておこうと、事前に須磨パティオを職員さんに案内していただき、その時受けた説明などをもとに、2月の打ち合わせでは6つのコンセプトを提案。最終的には、昨年リニューアルされた芝生の広場を使って、『おしゃピク』をテーマにした投稿を行うことに決まりました。」 おしゃピクとは…可愛いカトラリーや敷物などのアイテム、写真映えのする食事などを用意して、おしゃれな空間で写真撮影も行いながらピクニックを楽しむことです。SNSにハッシュタグ「#おしゃピク」をつけて投稿することが最近のトレンド! 投稿の出来を左右する撮影準備。学生の発想×プロの経験 取材日は、インスタグラマー「神戸人」さんと投稿用写真の撮影日。まずはシンジョ生と神戸人さんがそれぞれ事前に用意した小道具のお披露目です。 神戸人 (@kobejin1218)さんって?2万人以上のフォロワーを擁する神戸を愛するインスタグラマー。数々の投稿には神戸市民はもちろん、かつて神戸に住んでいたことがある方も、きっと「いいね!」を押したくなる神戸の魅力がたくさん! ここで神戸人さんが驚いたのが、シンジョ生が持参した“ハムスターが遊ぶための小さな木製ボール”。この木製ボールにランチョンマットを敷いて、食材などを入れようというアイデアです。 写真左から、K→osmoseize(コスモシーズ)副代表のTさん、Bさん、インスタグラマー神戸人さん 神戸人さんから、「飾りつけといえば“花”というような固定概念ではなく、形がかわいいからという直感的な理由で新しいものを取り入れる発想が面白いです。シンジョ生にアドバイスをすると、そこに自分たちの発想を加え、想像以上の結果を見せてくれるので、一緒に活動していると、こちらも良い刺激がもらえます。」とお褒めいただきました。 自分たちで下見をし、撮影構図を考えて用意してきた小道具を披露しました。 その後は、この日の撮影で使う食材の買い出しに。 なにがSNSで映えるのかを考え、パティオを散策。コーヒーやパン、おにぎり、お花など「ピクニック」感を演出するさまざまな商品を須磨パティオのテナントで購入しました。改めて館内をぐるりと回ると、こんなにも魅力あるお店があるのかと驚きを隠せませんでした。 かわいいフォルムのおにぎり発見! 写真に彩りを持たすためのドリンクを購入する際は、神戸人さんからアドバイスをいただくシーンもありました。 グレープなど鮮やかな色のドリンクと炭酸水を混ぜることで、気泡が活きた綺麗な「写真映えドリンク」が作れるそうです 次はいよいよ撮影へ! 天気にも恵まれ、いざ撮影!自分たちのイメージを形に 今回の撮影テーマは「ピクニック」。パティオ内にある昨年リニューアルした芝生の広場で撮影を行いました。 撮影では自然光の当て方や被写体の設置方法による空間や奥行きの活かし方など、神戸人さんから、プロならではのアドバイスをいただくシンジョ生。いただいたアドバイスはその場ですぐに実践! 春らしく桜の色で統一感もあっておしゃれです 配置や食材を入れる容器など、試行錯誤を繰り返しながら完成した「おしゃピク」を表現した一枚がこちら。 この日の撮影素材を使用した投稿や、須磨パティオのどのお店で購入できるのかは、手のひらパティオ 〈須磨パティオ Official〉、神戸人さんの記事をご覧ください。 この投稿をInstagramで見る 神戸人(@kobejin2018)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る 手のひらパティオ 〈須磨パティオ Official〉(@tenohira.patio)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る 手のひらパティオ 〈須磨パティオ Official〉(@tenohira.patio)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る 手のひらパティオ 〈須磨パティオ Official〉(@tenohira.patio)がシェアした投稿 撮影後に今回の産学連携プロジェクトの感想をBさんに聞いてみました。「私たちはSNSを活用し、神戸の魅力を数多く発信してきました。しかし、これまではほとんどが独学での投稿だったので、今回いただいた専門的なアドバイスはとても刺激的でした。また、産学連携プロジェクトでは本物のビジネスに携わることができるので、周りよりも一足先に成長できている実感があります。もちろんビジネスマナーなども自然と身につくので、今後の就職活動でも活かしていきたいです。」 このプロジェクトを取りまとめる広告代理店の方も「これまであらゆる活動を積極的にされていたという背景が見えるほど、言葉遣いや対応がしっかりされている印象です。産学連携を活かしたこのプロモーションがパティオの活性化に繋がることを期待しています。」とシンジョ生を評価してくださっていました。 今回のプロジェクトが結果を残し、次の新たなる活動へと繋がることを願っています!またこのように、学生が成長できる学びの場を提供し続けられるよう、神戸女子大学はこれからも地域との結びつきを大切に、「産学連携プロジェクト」を積極的に企画していきます!!
教職支援
489
2023.1.6
大好きなアパレル業界を目指して家政学科に入学したKさん。在学中は被服のデザイン・構成・製作を学ぶ被服デザイン科学コースで学んできましたが、就職活動を開始後、家庭科教員志望へと大きく進路を変更。周囲から遅れてのスタートでしたが、教職支援センターのサポートで見事、中学校教諭(家庭科)に内定しました。大きな決断に至った経緯や短期間での試験対策について聞きました。 不安が芽生えた就活、本当にやりたかったこととは? ――企業への就職から教員試験を目指すと決断したのはいつ頃ですか? 3回生の11月くらいです。そこから翌年7月の試験に間に合わせるための勉強を始めたので、かなりギリギリでした。このタイミングから勉強をスタートして教員採用試験を受けたことが、私の大学生活で一番の挑戦でした。 ――なぜ、そのタイミングで教員を目指そうと思ったんでしょうか? もともとは一般企業への就職を志望していて、就職活動も開始していました。周りには服飾関連の企業などを視野に入れて就活している学生が多く、私も同じ道を検討していたんです。でも、企業説明会に参加してもなかなか仕事にやりがいを見出せず悩んでいました。そんなとき教職課程で授業構成を考えることになって、それがすごく楽しかったんです。入学当初から教育資格は取得したいと思い、教職課程を受講していたのですが、それが転機ですね。教育実習に行った際も、中学生の無邪気さに心を掴まれ、授業を行う楽しさも味わうことができました。服は好きなので、家庭科教員ならずっと被服に関われると考えて進路変更を決意しました。 ――思い切った決断ですが、アパレル業界に未練はありませんか? 小学生のころからコーディネートを考えたりファッション誌を読んだりするのが好きでした。かわいいものに目がなくて、今もフリルやピンクを身につけるとテンションが上がります。毎日、服を選ぶ時間が楽しくて仕方ありません。そんな興味から服の製作に関わりたいと思うようになったんです。でも実際に作ってみると、とても学ぶことが多くて大変でした。たとえば、3回生の「アパレル造形演習」で私はピンクのジャケットを製作しました。学生同士で採寸から縫製まで、授業外の時間も使って4ヶ月がかりで完成させたのですが、服の制作は本当に細かい作業の積み重ねで、全てが難しかったです。服やファッションが好きでも、関わり方はさまざまだと考えるきっかけになりました。作品は気に入っているので、大切に保管したいと思います! 短期決戦を乗り越えられたのは、シンジョだったから ――教員試験に向けて、あせりや不安があったのでは? ありましたね。やっぱり中学、高校時代からずっと先生を目指して努力してきた学生がたくさんいるなか、私は目指したタイミングが遅く、勉強時間も短い分、「大丈夫かな?」という不安がありました。それまでの自分なら諦めていたと思いますが、教職支援センターの方や友人、家族に励ましてもらい、なんとか乗り越えることができました。 ――不安に打ち勝つために、どんな対策をしましたか? 筆記試験はとにかく計画的に取り組むことを意識し、シンジョが開講している講座を受けてビデオで勉強をしていました。あとは教職支援センターの先生に「過去問を解いて傾向を知ることが大切」と教えていただいたので、過去10年分の問題を何回も解きました。すごい量に思われるかもしれませんが、他の学生もそのくらい解いている印象ですね。おかげで問題へのアプローチ方法がわかり、大学受験のときのように勉強の感覚を取り戻すことができました。特に数学・物理の勉強は高校以来だったので大変だったのですが、解き方をいちから覚えなおして、繰り返し問題を解くようにしました。 ――面接対策についてはどうでしょうか? 志望理由では就活を経験しているというほかの人にはない部分を伝えたいと思っていました。そこで教職支援センターの先生に何度も面接練習をしていただき、「もっとこうしたほうがいい」と具体的なアドバイスをもらいました。話し方など自分ではわからないところも指摘してもらえたので、とても参考になりました。教職支援センターではほかにもいろいろと親身になって相談にのっていただき、心強かったです。 在学中から卒業後まで手厚いサポートが魅力! 教職支援センター 教員免許取得希望者支援を目的として、在学中はもちろん、卒業後のサポートも充実。センターには過去問や教科書、指導書などの資料があるほか、採用試験対策のワークショップ、各自治体の採用人事担当者による説明会の開催も! 詳細はこちらから 大好きな服に勇気をもらい、春からは教壇に ――教育実習で授業を体験されましたが、実際に教壇に立った感想は? 人前で話すことに慣れていなかったので、実習が始まってからも不安な気持ちがありました。でも「やるしかない!」と吹っ切ることができてからは、楽しく授業できるようになりました。ただ「理解してもらえるだろう」と考えていた内容が生徒たちにあまり理解されなかったときには、戸惑いや大変さを感じました。その後は、あらかじめ準備した内容に対して生徒がどんな反応をしそうか、指導担当の先生に事前確認をしていただいて、生徒にわかりやすい授業作りに努めました。赴任後は1年目から担任を持つ可能性もあるので今から緊張していますが、かわいい生徒に囲まれて、大好きな服に関わりながら仕事ができるのは楽しみです。 ――理想の先生像などはありますか? 生徒一人ひとりを見て、個性を伸ばしていけるような教員になりたいです。中学時代に学年主任だった恩師が、まさにそのような人でした。当時、私は自分に自信がなかったのですが、その先生がかけてくれた言葉にとても救われましたし、同じように先生に支えてもらった同級生がたくさんいました。だから私も、受けもった生徒たちに「この先生なら相談してもいいかな」と思われるよう、笑顔で話しやすい雰囲気を心がけ、精神的に自立した女性になりたいと思っています。服が好きなことは変わらないので、自分の好きな服で気持ちを上げて、教壇に立ちたいなと思っています。 2022年11月取材 ※取材時4回生