特集
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2025.4.14
神戸女子大学がある兵庫県には、県立の美術館や博物館、動物園など、たくさんのミュージアムがあります。そうした施設の魅力を大学生の視点から紹介し、ときにはイベントも企画して盛り上げる活動をしているのが「ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズ※」。今回はそのメンバーとして活動するNさんからこの取り組みの魅力を聞かせてもらいました。※主催:兵庫県教育委員会 きっかけは大学からのお知らせ ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズには、県内の多くの大学生が参加しています。神戸女子大学からも多くの参加者がおり、Nさんもそのひとり。聞いてみると、昨年度から2年連続でこの活動に参加しているそうです。きっかけは何だったのでしょうか。 日本語日本文学科4回生 Nさん 「大学生になってから時折美術館に足を運ぶようになったのですが、企画展などの情報をキャッチできず、興味を持った企画展が終わってからその情報を知ることもありました。そんなとき、大学からヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズ募集の案内が送られてきたんです。さまざまなミュージアムのイベント情報を知ることができるし、学芸員さんと直接お話できる機会もあると知って、ぜひ参加したいと思いました」。 多くの芸術作品に触れるなかで、磨かれる感性 県立のミュージアムであれば、どこでも取材に行くことができるというヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズ。Nさんは美術に興味があるので、今日は横尾忠則現代美術館の企画展『横尾忠則の人生スゴロク展』を訪れ、取材した内容をヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズのInstagramやnoteで発信するとのこと。 『横尾忠則の人生スゴロク展』の会場を巡りながら、Nさんはこまめにメモを取っていました。気づいたことや驚いたこと、疑問に思ったことなどをメモしているそうで、一か所の展示を見た後にはその時の感情がびっしりと書き残されていました。 どんなことを考えながら館内を取材しているのか聞いてみると、「作品はもちろん展示方法にも興味があるので、後で学芸員さんに質問することもあります。今回の展示では空間全体がスゴロクに見立てられていて、こんな方法もあるんだと驚きました。」 ルーレットで出た数だけ進める…まさにスゴロク。 Nさんの足元には「一回休み」の文字が! ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズになったことで、美術館に行く回数は以前よりもずっと多くなったとのこと。「どの展示を見ても、アーティストの感性に圧倒されます。たとえば今回の展示だと、何気ない日常から驚くような発想が生まれるということを知って、自分自身も日頃からさまざまな所へ目を配るようになりました。感性が磨かれていくのを感じます」。 また、文化的な教養も身についてきた実感もあるそう。「昨年度は兵庫陶芸美術館に通っていたので、焼き物に関する知識が身につきました。そうした知識が、ほかの展示を見に行ったときに役立つこともあって、視野が広がっている気がします」。 昨年の活動の中で発刊したタブロイド紙の原稿 対話を通して多様な感性や知識に触れる ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズとして、取材した内容を自分の視点で発信することも大事な取り組み。Nさんは展示の感想や発見、見どころなどをアウトプットすることにはどのような意義を感じているのでしょうか。 「この活動をするまでは展示を見に行っても写真を撮ったり、同行者と『おもしろかったね』と言い合って終わりだったのですが、この活動を通して語ることのおもしろさに気づきました。ほかのメンバーと語り合い、対話することでそれぞれ異なる感性に触れたり、学芸員さんの解説からまた別の見方を教えてもらったり。そうして自分目線で考えたコンテンツが世界に広がっていくことはとても刺激的です」。 社会人と関わりながら経験を積めるチャンス そんなNさんは今、就職活動の真っ只中。このような地域での活動について、就職活動や自分の将来に役立つ実感はあるか尋ねると、「ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズは定期的に集まって打ち合わせをしています。そこでは、兵庫県教育委員会の担当者さんや学芸員さん、研究員さんなどさまざまなプロフェッショナルの方と関わることができるので、将来を考える上でもとてもいい機会になっています。」と答えてくれたNさん。残りの学生生活ではさまざまな資格取得を目指しつつ、卒業後は企画や広報の仕事に就きたいと考えているそうです。 ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズとしてのこれからの抱負を聞いてみると、今後は写真や文章だけでなく、ラジオでの発信も構想中なのだとか。 「移動中やすき間時間に、耳から楽しんでいただけるようなコンテンツがあれば、これまでとはまた違った人たちに届くのではないかと思っています。これからも、兵庫のミュージアムの面白さをもっとたくさんの人に伝えていきたいです!」と笑顔で語ってくれたNさん。ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズのこれからの活躍に期待が膨らみます! ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズ特設サイトヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズInstagram
特集
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2025.2.4
"巧妙な手口に惑わされ、焦って支払わないでほしい—"。そんな願いを込め、心理学部心理学科の学生たちが消費者トラブルに関する啓発ステッカーを制作しました。 阪神・淡路大震災から30年を迎えた2025年1月17日、HAT神戸のなぎさ公園で行われた「ひょうご安全の日のつどい・交流ひろば」でこのステッカーを配布した学生たち。防災意識と消費者被害防止を呼びかけた彼女たちの活動の様子をレポートします! 「心理学×社会貢献」プロジェクト このプロジェクトは心理学科の3回生が、兵庫県立消費生活総合センターやNPO法人C・キッズ・ネットワークと連携し、「心理学研究総合演習」の一環として行ったものです。学生たちは消費者心理や詐欺手口について学び、その知識を社会貢献に結びつける形で活動を展開しました。 完成したステッカーのキャッチコピーは、「焦るPay(支払い)が思わぬPain(痛み)に すぐに188にかけよう」。ネットショッピング詐欺や悪質商法はもちろんのこと、トラブルを避けるため、支払いの前によく確認するとともに消費者ホットライン「188(いやや)」の認知度向上を目的としています。 阪神・淡路大震災30年目の想い 2025年は阪神・淡路大震災から30年という節目の年。震災を直接経験していない世代の学生たちですが、被災した家族や地域の方の話を聞き、その教訓を受け継いできました。 今回は消費者被害防止とともに防災意識も高めようと、非常用目隠しポンチョやジッパーバッグなどの防災グッズに啓発ステッカーを貼って配布することに。学生たちは消費生活総合センター職員の方々と協力し、多くの来場者にステッカーが訴える意義と防災意識の重要性を伝えていました。 悪質商法の心理トリックにだまされないで 指導にあたった心理学部の秋山学教授は、「ショッピング詐欺や悪質商法は『残りわずか』『期間限定』などの手法で、消費者に焦りや切迫感を与え、冷静な判断を阻害します」と解説。 昨今、幅広い年齢層がインターネットショッピングを利用するようになったことや、成人年齢が18歳に引き下げられたこともあり、消費者被害は一層身近なものになりました。 例えば、『今だけこの価格!』という格安商品を購入し、代金を支払っても商品が届かないことや、1回限りの購入のつもりが自動的に定期購入になっているなど、巧妙な手口は多岐に渡ります。被害にあった消費者は金銭的にも心理的にも辛い思いをすることになってしまいます。 ステッカー制作の舞台裏 そんな消費者を守るべく、焦燥感にかられた支払いを思いとどまらせてくれるこのステッカー。制作開始から3カ月間、学生たちは試行錯誤を繰り返したと言います。 これまでの学びを総括した結果、①若者世代だけでなく、広い世代に刺さる言葉②「クリックして支払う」行動を止める③キーワードは“焦り”④相談窓口「188」の認知度アップこれら4点をポイントに、短くキャッチーな表現を模索し完成したのが「焦るPay(支払い)が思わぬPain(痛み)に すぐに188にかけよう」です。 デザイン、キャチコピーの提案の様子 プロジェクトメンバーのAさんは、「商品が届かないことや精神的な痛みを“直感的”に想起させる言葉やエフェクトを使ったり、黄・黒・赤といった警告を呼び起こす色を採用したり、細部にまでこだわりました。」と説明。 pain(痛み)にはヒビ割れたようなエフェクトが! 秋山教授とともに学生たちをサポートしてきた同学部の佐伯恵里奈准教授は、「彼女たちの閃きや試行錯誤を見守ってきましたが、視覚的にも響きにもインパクトのあるステッカーに仕上がったと思います。学びと実践が結びついた場面が多く見られ、学生たちにとって貴重な経験になりました。」と語ります。 学んだ心理学が社会で活きる瞬間 学んだ消費者心理を活かし、消費者を守るという実践的なこのプロジェクトを通じて、他人の視点を想像する力を養うことができたと話すAさんは、心理カウンセラーだけではなく、幅広い分野において心理学を活かすことができる可能性を実感しているとのこと。就職活動が始まりますが、「いろいろな場面で強みになる心理学を学んで良かったです。」と笑顔を見せてくれました。 Aさん Yさんは、「心理学科の学生らしく、言葉の伝え方やデザインを工夫した啓発活動ができ、とても充実感が得られました。」と振り返り、今後も積極的に社会課題に関わりたいと語りました。 写真左からYさん、Uさん Uさんはこの活動を通じて、今までより「言葉の伝え方」に興味を持つようになったと言います。「学科の課題や今回のプロジェクトの発表や制作に取り組んできたことで、臨機応変に言葉を使うことができるようになりました。」と話してくれました。 ステッカーで未来を守る 完成したステッカーは、これからも県消費生活総合センターの事業において防災用品や文具などに貼られ、幅広く消費者被害防止の啓発に活用される予定です。 心理学の学びを社会貢献につなげた今回のプロジェクトは、学生たちの成長と同時に、地域社会に希望と安心をもたらす一歩となりました。
特集
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2025.1.31
文学部史学科の考古学ゼミが神戸市西区の金棒池古墳を発掘調査すると聞き、取材を行いました!6世紀につくられた古墳の調査の様子をレポートします。 金棒池古墳とは? 金棒池古墳は、神戸市西区にある金棒池の中にあります。周辺で採集された土器から6世紀頃につくられたと考えられています。6世紀は古墳時代の終わりが見え始めた変革の時期。そんな中で築かれた金棒池古墳は、まさに「神戸市最後の前方後円墳」とも言える存在かもしれません。 この古墳の全容を明らかにすべく調査に乗り出したのが、文学部史学科の齋藤瑞穂准教授!神戸市の「大学発アーバンイノベーション神戸」の助成金を受け、本格的な調査に着手したのです。 金棒池古墳 写真右 齋藤准教授 寒空の下、発掘調査開始! 調査の現場となる金棒池古墳はため池の中にありますが、冬の時期は水位が下がるため、その時期を狙って調査を実施することになったそう。土を掘り返し、どこまで古墳があったのか、土や砂の層をよく調べていきます。 冷たい北風が吹きつけ、時折粉雪が舞うような現場でしたが、齋藤先生をはじめ誰も手を止めることなく、懸命に作業を続ける姿が印象的でした。 文字で書かれた記述が少ない時代の歴史は考古学の方法でアプローチしていくのが最も有効です。齋藤先生の研究領域はまさにその最前線。神戸女子大学は発掘調査を行っている全国でも珍しい女子大学です。 少しずつ掘っていくと、色が異なる土や砂の層が見えてきました!じっくり観察して、それらがいつ堆積したものかを検討していきます。 土や砂の層を注意深く観察します。 参加した史学科3回生のKさんに、『やり直しの効かない作業に不安が大きいのでは?』と伺ったところ、「大学の講義や論文で学んできたことを、調査で活かすことができてとても楽しいです!」と満面の笑みで答えてくれました。 毎日の学びが現場で活きていることが嬉しい!とKさん(写真右) 経験豊富な齋藤先生の背中を見ながら、実践的な学びが得られた貴重な機会。「将来は埋蔵文化財にかかわるような特に発掘に関連した仕事に就きたいです」と夢を語ってくれました。 仕事として歴史に携わる職業人を育成するシンジョ史学科に期待大! 「金棒池古墳」の発掘調査は、2025年度も継続予定。先生や学生たちの作業により、これからも一歩ずつ、歴史の解明が進んでいくことでしょう。そしてこの調査が、博物館学芸員をはじめとする歴史のプロを数多く生み出すきっかけになっていくことを、強く期待したいと思います!
特集
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2024.11.28
みなさん、いきなりですがBE KOBE大学という取り組みをご存知でしょうか?「学校では学べない社会にふれる もうひとつの母校」をキャッチフレーズに、神戸市内の大学生・専門学生が学校や学部の枠を超えて集い、神戸を盛り上げるための活動を行う取り組みです。(主催:BE KOBEミライPROJECT) そんな素敵な取り組みに、心理学科 吉川ゼミの学生がリーダーとなって神戸の老舗パン屋さん「イスズベーカリー」との商品開発プロジェクトを実施。そこで誕生したのが神戸のシンボルであるポートタワーをイメージした、コウベポートタワッフル「コポタワ」です。 2024年10月に開催された「神戸オータムフェスティバル」でコポタワが販売されると聞き、当日にスタッフとして参加したKさん(心理学科2回生)とTさん(心理学科1回生)の2名からこの商品企画がどのように進んできたのかインタビューしました! 写真左から、Tさん(心理学科1回生)、Kさん(心理学科2回生) BE KOBEミライPROJECTとは、市民・行政・企業・大学が連携し、神戸市のシビックプライド・メッセージである「BE KOBE」の実践活動として、神戸の未来を担う子どもたちを支援する取り組みです。―――引用 BE KOBEミライPROJECTについて – より 神戸らしさを詰め込んだ珠玉の“コポタワ”ができるまで 商品開発のために集まった100名以上の学生たち 今回のプロジェクトのはじまりは今年の7月、神戸市内の数々の大学から107名もの学生が集結。これから開発していく商品について、グループごとにアイデア出しをしていきました。 Tさんはまず、この人数の多さに驚かされたといいます。1回生のTさんにとって、周りは他大学の先輩ばかり。そんなグループの中で発言するシチュエーションを想像すると…勇気がいりますよね。その当時のことをTさんに聞いてみると… 「シンジョの心理学科の先輩が1グループに必ず1人ついてファシリテーションするようになっていて、その場の回し方がとても上手だったのでどのグループも積極的な議論ができていました。私自身も意見を出しやすい雰囲気を作ってもらえたので自分の意見をしっかり提案できました。」と話してくれました。 当時の様子を明るく話してくれたTさん 日々の講義でもグループディスカッションの機会が多いシンジョだからこそ、人が活きるグループづくり、そしてグループの中で活きる自分の動きができるのだろうと感じました! "神戸らしさ"を詰め込んだアイデアの数々 グループ間で話し合うときには内容がズレないように、『何が作りたいか』を軸としてアイデアを出し合っていくことに。みんなで話し合って決まった軸は、「"神戸らしさを感じさせるもの"を作り、"神戸のこどもたちを応援するモノ”」に決まります。 ここからは、自由な感性と発想力を持った大学生の独壇場!ぞくぞくとアイデアが湧き出てくる中で、実際に採用されたものはこんなアイデアたち。 神戸のシンボルをモチーフにしたい!→ポートタワーの形を再現!ポートタワーの鉄骨の形はどう再現する?→ワッフルのくぼみがピッタリ!ポートタワーの鮮やかな赤色はパン生地にどうやって着色する?→ベリークロワッサン生地を使用!神戸といえば山→六甲山→六甲山牧場→六甲バター株式会社(本社神戸市)提供の瀬戸内レモンクリームチーズを使用! 学生のこだわりアイデアが詰まったモノが形になりました。 そして、コポタワを1個販売すると、100円をこども支援に募金する「寄付つき商品」として販売することで、神戸の子どもたちを応援することに決定。 神戸らしさを詰め込んだ商品の方向性が決まり、次はプロモーションです! 学生を導く「その道のプロ」は心強い存在 8月にはコポタワのプロモーションについて考えるフェーズに入ります。「流行は若い世代から生み出される」という考えからSNSを中心にプロモーション展開していくことに。実際の投稿内容などを考えていく中で、イラストレーターの井上たつやさんのご協力のおかげでとてもかわいいキャラクターが誕生!その名もコポくん、タワちゃん。SNS展開に必須の魅力的なヴィジュアルが誕生したことでプロモーションも加速していきました。 井上たつやさんのInstagram、HPはコチラInstagramHP コポくん タワちゃん 9月にはコポタワの監修を担うイスズベーカリー本社で試作品試食会が実施されました。まず一口食べた学生から「とっても美味しい!」の声が続々!お味に間違いはないですよ…だってあのイスズベーカリーさんですから!(笑) でも、それだけで終わらないのが学生のすごい所!美味しさを更に引き出すトッピングのアイデアや、販売時にオーブンで焼いてカリッとさせてみてはどうか?という提案も寄せられるなど、更に魅力的な商品を目指してブラッシュアップが行われました。 そんな貪欲な学生たちを導いてくれたイスズベーカリーの井筒社長は、「神戸でがんばっている方々と一緒に活動することで地域を盛り上げることができればと思い、積極的に活動しています。今回のプロジェクトは多くの学生がアイデアを出したおかげで、我々だけではできなかった商品を完成させることができました。参加してくれた学生さんの『これから』につながる機会になればうれしいですね。」と熱く語ってくれました。 写真左からTさん、井筒社長、Kさん 地域活性化にも積極的なイスズベーカリーの情報はコチラから!HPInstagram 想いが込もったコポタワが遂にデビュー。この時のためにやってきた! 7月からの長く濃い道のりを経て、神戸の地で販売されることになるコポタワ。販売ブースではたくさんの学生スタッフがテキパキと準備を行いながら、通りかかる人たちをどんどん呼び込んでいきます。 学生たちの積極性は「自分たちで作りあげた商品を知ってもらいたい!」という熱心な気持ちから生まれるもの。その熱意が伝わったのか、たくさんの人たちがコポタワ販売ブースで足を止めてくれていました。 おそろいのコポくんTシャツを着たスタッフ 自分たちが提案した、提供時にワッフルを温める姿も。 「自分たちが考えた商品なので、『かわいい』という声が聞こえてくるとうれしいですね。色も形も一般的なワッフルらしくないので、『これは何?』と聞かれたりもしましたが(笑)、イスズベーカリーさんとのコラボだと知ると安心して買ってくださるお客様が多かったです。やっぱり昔から地元で愛されている老舗なんだなと実感しました」とKさんは話してくれました。 取材班もコポタワを実食!感想は…本当に美味しい!販売時にオーブンで焼くアイデアが大正解で、表面がカリッと仕上がります。中のもっちりした食感は生地の優しい甘みを引き出し、トッピングのドライフルーツやホワイトチョコの味わいと瀬戸内レモンクリームの爽やかな味の相性がバツグンでした。 本当に美味しかったコポタワ…また食べたいです。 他大学の学生や、社会にふれることで得られたものって? このプロジェクトを通してKさんは、ビジネスにおいて「なんとかなる」という曖昧な考え方では通用しないということを痛感したそう。しかしそこで諦めてしまうのではなく、やりたいことを実現させるために考える続けることを学んだといいます。 そのきっかけは、採算や技術的に実現させることが難しいアイデアを出したときに、井筒社長が頭ごなしに「できない」というのでなく「なぜできないのか」という理由を説明してくださったことで、「じゃあこの部分を修正すれば…!」と思えたそう。 「お店に並んでいるどんな商品も、たくさんの人が関わりながら細かいところまで考えて作られているのだと思うと、これまでとガラッと見え方が変わりました。」と話してくれました。そんなKさんは継続的にBE KOBE大学に参加し、中心メンバーとして活躍しています! イスズベーカリーの井筒社長(写真中央)とKさん(写真右)は実現しなかったアイデアの後日談に花を咲かせていました。 タワーの形も製品化するには相当難しかったそうですが、高い技術力で叶えてくれました! 一方、Tさんは初めて会うメンバーと一緒に作業することが刺激的だったそう。 「プロジェクトには100人以上参加していたので、ミーティングに行くたびに新しい人と出会いました。そのなかで人の意見を聞きながら、自分の考えも聞いてもらえるようなコミュニケーションスキルが鍛えられたと感じています。」 商品開発もプロモーションも、初めてのことばかりでしたが楽しみながら取り組むことができた!と力強く話してくれました。 2025年にはまた新たなプロジェクトが行われる予定ですが、KさんとTさんは「また絶対参加します!」と元気よく話してくれました。そして、この記事を見てくれたみなさんにもメッセージが! 「BE KOBE大学の募集を見かけたら、気軽に参加してくださいね!とても楽しいので、新しい体験がたくさんできると思います!」 「神戸のこどもたちを応援したい」という気持ちを形にしたい。その想いのもとみんなで話し、考え、作り上げたモノが人々を笑顔にしていく光景を間近で見ることができた学生たち。キャンパスだけではできなかったであろう経験を活かし、シンジョ生が次に何を見せてくれるのか…楽しみで仕方ありません! BE KOBE大学の情報はコチラからInstagram
神女サポート
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2024.11.3
神戸女子大学の須磨キャンパスの裏山には、かつて「万葉の道」と呼ばれる登山道があったそうですが、いつの間にかその存在は忘れ去られ、ただの裏山と化していました。 そんな「万葉の道」を蘇らせるために立ち上がったのは、登山やハイキング、キャニオニングなど、自然の中でアクティブに活動することが大好きな学生が集まったワンダーフォーゲル部。登山道の整備という大変な挑戦に取り組むことを決意した学生たちを取材しました。 かわいいマスコットキャラもいるワンダーフォーゲル部 きっかけは部内での何気ない一言から 「須磨アルプスにつながる道が須磨キャンパスにあるって知ってる?」ワンダーフォーゲル部が登山道の再整備をするきっかけは、顧問の先生の何気ない一言だったそう。 「そんな道があることはまったく知らなかったんですけど…」と当時を振り返るのは部長のIさん。(写真左) 裏山の全容はわからなくても、自分たちの大好きな登山の魅力を広めるチャンスだ!と意見がまとまり、部の活動としてやっていくことに決定! 早速現地に行ってみると…想像以上の荒れ具合。この状況を目の当たりにし、メンバーの間にはあきらめムードが漂ったといいます。 土砂や枯れ葉が積み重なって道なき道のように… 伸び放題の木の枝… 登山道の真ん中に大きな竹が! この状態から快適な登山道にするためには、土砂や枯れ葉をかき集め、枝や竹を切り落とすなど、さまざまな作業が必要になりますが、もちろんワンダーフォーゲル部はそのための備品などを持ち合わせていません。メンバーたちが頭を抱えていたところ、大学内から『神女support(学生課外活動助成金制度)』を活用してみたら?」というアドバイスが! 学生の「やりたいこと」を後押しするこの制度はまさに今回の活動にうってつけ。制度に応募するための資料作りや現地調査を行っていくなかで再整備への思いはますます強くなっていったそう。 実際に助成金を活用して購入した道具たち そして、再整備できた時にはたくさんの人に見てもらえるよう、学外の登山愛好家の方を招待して「万葉の道」お披露目登山の開催を目指すことになりました。 学生課外活動助成金制度(神女support)とは?学生による自主的な課外活動(地域貢献やボランティア等、地域の課題解決や活性化を推進する取り組み)を支援する独自の助成金制度。活動に必要な資金の助成を受けることができます。 いざ、再整備! 再整備が本格的に動き出したのは2024年5月から。「どうやって整備していったらいいか手探り状態でした」と部長のIさんが語るように、メンバー全員が登山道の整備はもちろん未経験。大学内外いろいろな方にアドバイスをいただきながら整備を行うことに。 実際の作業としては、階段に堆積している落ち葉や土砂を取り除くことや、登山道にまで伸びてきている枝の剪定、ルートを示したり、掴んで登りやすくするためのガイドロープを張るなど…体力勝負の作業の数々。 地道な作業を続け、登山道らしさを取り戻していきます。 7月に入ると、あまりの暑さにより作業を一時中断せざるを得ない期間もありました。そのため、事前に立てた計画から遅れることもありましたが、メンバー全員で協力し、イベント前の数週間は急ピッチで作業を進め、無事にお披露目の日を迎えることができました。 登山の魅力を多くの人と共有できたお披露目登山 待ちに待ったお披露目登山当日は20人を超える登山愛好家が集結。再整備と並行して、近隣の登山道や須磨離宮公園など、登山愛好家の方々に見つけてもらいやすい場所にチラシを掲示するなどの告知活動を行った成果が現れました。 早速、副部長のTさんを先頭に参加者のみなさんが「万葉の道」を進んでいきます。 見違えるように整備された登山道! ロープを掴んで登りやすい登山道に! 学生たちは、自分たちがどんな作業をして「万葉の道」を復活させたのか、そして自分たちの通うキャンパス敷地内にこんな素敵な登山道があることを参加者の皆さんに伝えながら、登山の魅力を共有することができました。 行きも帰りも笑顔で案内していた姿が印象的な副部長のTさん 「万葉の道」再整備を終えて イベント終了後に、ワンダーフォーゲル部のI部長に今回のプロジェクトを振り返ってお話を聞きました。 長い道のりで得られた経験を話してくれたIさん 「『万葉の道』の再整備は、ワンダーフォーゲル部が主導で行いましたが、一緒に汗を流してくれたメンバーや、いろいろなアドバイスをいただいた方々など、多くの方の協力のおかげです。 私自身、このプロジェクトに携わる前は人見知りで、人とのコミュニケーションが苦手でした。しかし、いろいろな方に助言やサポートをしてもらっていく中で、「絶対に成功させないと!」と自分を奮い立たせて突き進んできました。メンバーと協力し、一人ではできないことを成し遂げられた経験は、自分自身の大きな成長になったと思います。」 「万葉の道」の再整備プロジェクトを通じて、大きく成長することができた学生たち。そして、自分たちの「好きなこと」を活かして活動し、地元の登山愛好家の皆さんにも楽しんでいただけるイベントは大成功を収めました。次はシンジョ生がどんな活躍を見せてくれるのか、期待して待っています!
神女サポート
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2024.11.3
秋薔薇と紅葉がやさしく揺れる季節に、神戸市立須磨離宮公園の一角にある学生カフェ「Flower Cafe Bloom」が営業すると聞き、取材しました。そこでは好きなことを活かし、地域に貢献するシンジョの学生の姿がありました! 美しい花と噴水など地域の方に大人気の須磨離宮公園 学生カフェ「Flower Cafe Bloom」とは 「Flower Cafe Bloom」は、学生有志団体「潮見会」が須磨離宮公園の活性化を目指して企画・運営しているカフェです。公園内の休憩所を自分たちの発案でリノベーションすることから始まり、メニュー開発や仕入れ、当日の接客まで、すべてを学生たちが主体となって運営しています。 ちなみに、bloomという言葉は“開花、全盛期、花盛り“を意味し、須磨離宮公園の代名詞といえる『花』にお客様一人ひとりを重ね合わせ、花が満開に咲いている=いつまでも人が集まるお店になるようにと願いを込めてつけられています。 取材班が現地に到着すると、食品衛生責任者の資格を持つメンバーが衛生管理のチェックリストを確認しながらテキパキと開店までの準備を行っていました。 話を聞いてみると、2023年2月にプレオープンを行い、それ以降は月に1~2回程度のペースでこれまで営業を続けているそう。これまでの軌跡を語ってもらいました。 潮見会のリーダー Kさん 大盛況のプレオープンの裏側 「プレオープンはおかげさまで大盛況でしたが、お店としてはすごく大変でした。」と話すKさん。潮見会としても初めての営業のため、何をどれだけ準備すれば良いのかわからない中、「なんとかなる!」という気持ちで余裕を持って準備を進めていたといいます。 実際に営業してみると、次々に入るカフェメニューやハンドドリップコーヒーの注文に対応しきれず、お客様をお待たせしてしまうことも。準備不足な面は否めず、初のプレオープンは多くの課題も見つかる機会となりました。 プレオープンの様子 しかし、この経験から潮見会のメンバー全員で協力し、お客様に「また来たい!」と思ってもらえるような素敵なお店作りを目指していくきっかけになりました。 「自分たちらしいカフェ」に向けて前進 その後、カフェの営業を重ねるごとに学生たちの視野は広がっていき、お店の動線やカフェメニューの提供の流れを見直すことでスムーズなお店の運営ができる体制が整っていきました。あわせて、学内の助成金制度「神女support」を活用し、新しいコーヒーメーカーを導入。ハンドドリップコーヒーに引けを取らないコーヒーがスピーディーに提供できるようになり、設備面でも運営の基盤を固めていきました。 学生課外活動助成金制度(神女support)って?学生による自主的な課外活動(地域貢献やボランティア等、地域の課題解決や活性化を推進する取り組み)を支援する独自の助成金制度。活動に必要な資金の助成を受けることができます。詳しくはコチラ! スムーズな対応と素敵な笑顔で接客していた潮見会メンバー 店舗運営が安定してきた後には「また来たいと思ってもらえるお店をつくり、須磨離宮公園を盛り上げたい」という想いから、季節ごとの限定メニューを考案。 夏に提供したアイスクリームが大人気だったそうで、今回は温かい手作りのコーンスープを提供することに。時折冷たい風が吹くこの季節に、ほっとあたたまることができる商品を提供することで、多くの来園者に喜んでいただけました。 そして、今回の営業では、潮見会と同じく学生有志の団体で、パンやお菓子作りが大好きなメンバーが集まった「パン研究会」とのコラボレーションも実現!パン研究会のメンバーたち自ら焼き上げたチョコマフィンやスコーンが店頭に並び、コーンスープやコーヒーと相性が良いカフェメニューが更に充実し、「潮見会×パン研究会」の連携は、好きなこと、やりたいことを存分に発揮して活躍する、まさに“シンジョらしさ”を感じさせる取り組みになりました。 この日の営業も大盛況で、気付けば閉店時間を迎えていました。 左奥:手作りコーンスープ 右奥:チョコマフィン 社会とのつながりが、次の一歩を照らす 閉店作業中のKさんに、潮見会のリーダーとして経験できたことで、どんな成長を実感しているのかを尋ねました。 「これまでの人生でリーダーを務めた経験はなかったのですが、全体を見渡す力や周囲に伝えるときの言葉の選び方を少しずつ学ぶことができたと思います。頼もしい仲間たちに支えられながら、『実現したいお店作り』という目的に向かって、みんなで協力し合って進んでいくむずかしさと楽しさを感じることができました。」 Kさんの言葉には、迷いながらも前を向いて進んできた自信が感じられました。 学生カフェという実践の場を通じて、地域と関わり、学び、挑戦してきた学生たち。その一つひとつの経験が、確実に自信や成長につながっていることを感じました。地域の中で培った力は、きっとこの先の一歩を照らす大きな原動力になるはずです。
神女サポート
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2024.10.22
神戸女子大学には、キャンパスで講義を受けるだけではなく、キャンパスの外でも意欲的に活動する学生が多くいます。 今回の記事では、この制度を活用して市内の幼稚園・保育園児に英語を教える「ミニクラス」を実施している学生団体「English Study」にインタビュー!活動のやりがいや、充実した学生生活を送る秘訣について教えてもらいました。 学生課外活動助成金制度(神女support)とは?学生による自主的な課外活動(地域貢献やボランティア等、地域の課題解決や活性化を推進する取り組み)を支援する独自の助成金制度。活動に必要な資金の助成を受けることができます。詳しくはコチラ! 神女supportが活動を始める後押しに English StudyのメンバーのOさんとUさんは、2人とも英語英米文学科の学生たち。この団体を立ち上げた経緯は、以前から「何かやりたい!」という気持ちを抱いていたからだといいます。 「授業は充実していましたが、このまま卒業すると考えたときに、物足りなさを感じていました。そこで、自分たちの学びを活かし、英語教育で子どもたちに関わろうと考えたんです。」と2人は話してくれました。 写真左からOさん、Uさん 神女supportの助成金は、教材費やチラシ制作費に活用しているそう。教材の多くは、既製品ではなく材料を購入して手作りしているそうです。 その理由を聞いてみると、「子どもたちに英語を『楽しい』と感じてもらいたくて、市販のものでは目的に合うものが見つからなかったんです。」 たしかに、英語の教材というと個別で勉強するイメージ。たくさんの園児が一緒に見ることができるような教材は既製品では見つからず、自分たちで想いを込めて手作りしているそうです。 子どもたちの明るい声が響くミニクラス この日は神戸市内の保育園で15分程度のミニクラスを実施すると聞き、その様子も取材しました。園内の教室に2人が入り、「Good morning!」と明るくあいさつすると、園児たちも「グッモーニン!!」と元気にあいさつを返してくれました。 2人の自己紹介が終わると早速ミニクラスがスタート。手作りの大きなカードを見せながらみんなでアルファベットを読み上げたり、ABCの歌を歌ったりと、教室には園児たちと学生の明るい声が響きます。 手作りのカードはさまざまな使い方がされており、アルファベットのカードを誰が一番早く見つけられるかを競う「アルファベットかるた」にも挑戦。園児たちは真剣な表情でかるたを探し、見つけたときには弾けるような笑顔で大喜びする姿が印象的でした。 英語が「勉強」ではなく「楽しいこと」になるのが理想 ミニクラスを終えた2人に声をかけると、「最初は緊張していましたが、子どもたちの『グッモーニン!』という元気な声で一気に安心しました。最後にみんなが言ってくれた『また来てね!』という言葉もとても嬉しかったです。」と充実した表情で答えてくれました。 活動の対象に園児を選んだのは、小学校での英語教育が始まる前に少しでも慣れてほしいからだそう。 Oさんは「私自身、英語に苦手意識を持っていた時期がありました。だからこそ、子どもたちには『英語って楽しい』と思える体験をして、英語に対するポジティブなイメージを持って大きくなってもらいたいと思っています。」と話してくれました。 活動を通して身についたのは、責任感と行動力 今後はメンバーも増やして、さらに活動の幅を広げていきたいという2人。この活動を通して、Uさんは責任感が増したといいます。 「いろんな方に協力してもらっていますし、一度始めたからには中途半端にしたくありません。子どもたちがもっともっと楽しめる方法を考えたいです。私たちと過ごす時間によって、みんなが英語を好きになってくれるように責任をもって活動していきたいです。」 一方Oさんは、行動力が養われたと感じているとのこと。 「大学という場所には、授業以外にもさまざまな学びの機会がありますが、受け身でいると何もできません。今回、自分から行動することで、新しく活動を立ち上げることのおもしろさを知りました。社会人になってからも、与えられた役割だけにとどまらず、新しいことにもチャレンジしていく姿勢を持ちたいと思っています。」 「楽しい英語」でつながる、彼女たちと子どもたちの輪はこれからも広がっていくでしょう。「子どもに英語を教える」という活動が、自分自身の成長にもつながっていく——。これからの彼女たちの活躍にも注目していきます。
特集
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2024.10.16
2024年夏、心理学部で経営・消費者心理を中心に学ぶ学生有志が、山陽須磨駅前のシェアキッチン「SUMANOBA」に出店!お店の名前は「1st penguin」(ファーストペンギン)!(7~9月の期間限定出店。現在は営業終了) 今回、最終営業日にスタッフとしてお店を運営していた心理学科3回生のIさんとFさんの2人に、メニュー開発や集客など…実際に出店してみたことでどんな経験ができたのか聞いてみました! Iさん(心理学科3回生) Fさん(心理学科3回生) SNSだけじゃない。やってみたからこそわかる、人とのつながりの大切さ 「ファーストペンギン(以下、愛称であるファッペン)は同じゼミのメンバーで立ち上げた企画なので、企画運営や商品開発に興味のある学生が集まっています。出店が決まってから、まずはお店の方向性を定めるためにマーケティングの授業を参考にしてターゲット層を設定しました。みんなで現地を視察し、アイデアを出し合って『小さい子どもがいる主婦層』にターゲット層を決めたのですが…営業してみると実際の客層は少し違っていました。」とIさん。 「色んなことが想定通りにはいかなかったですね。」とFさんもうなずきます。「集客も思っていた以上に難しかったので、『大学生が営むカフェ』というのぼりを立てたり、お店の前でチラシを配ったりすることで少しずつ周辺の方々に認知されるようになり、お客様が増えていきました。」 他にも、メンバーは大学生である自分たちが得意なSNSを駆使。InstagramなどのSNSでファッペンのアカウントを開設してお店を宣伝し、アカウントをフォローしてくれたら50円引きなどの特典も用意しました。 店内のチラシにはSNSフォロー割の情報が! また、たくさんのフォロワーを持ち、SNS上で影響力のあるインフルエンサーにも声をかけて来店レビューを依頼。10万人以上のフォロワーをもつインスタグラマーが紹介してくれたときは予約がたくさん入り、県外からお越しのお客様がいらっしゃったりと、インターネット・SNSの力を感じたそうです。 ただ、お店を運営してみたからこそ肌で感じたこともあったそうで、Iさんはこう語ります。「SNSをきっかけに来店してくださった方も多いのですが、一度ご来店された方からのクチコミでご新規の方の来店に繋がったことや、オープンが決まった時にご挨拶に回った近隣の方々もたくさんお越しいただいたことで、地域の皆さんに受け入れてもらえているんだと実感できました。 他にも、営業時間終了後に近隣のお店の方にアイスコーヒーを差し入れとして振舞ったことがきっかけで後日来店につながったこともあり、人と直接会って、自分たちで営業活動をすることの大切さを感じることができました。」 メニュー開発、原価計算もこだわって実践。これが本当の社会経験 そんなファッペンで販売している商品は3種のクリームソーダフロート、レモネード、コーヒーやカフェラテのドリンクメニューを中心に、かき氷と看板商品でもあるリボンパンなど。今回取材班がオーダーしたのはレモネード、メロンソーダフロート、ピーチ味のかき氷とリボンパン!見た目も味も最高でした。 レモネード、クリームソーダフロート、ピーチ味のかき氷 さすが女子大生、写真映えする商品を開発! クリームソーダフロートやかき氷にはナタデココが入っています。こちらは神戸市に本社を置く「フジッコ株式会社」から提供いただいた日本唯一の国産ナタデココなんです!見た目、味に加え食感のアクセントも◎ リボンパンはドリンクでセットで購入すると更に写真映えするアイデア商品。こちらは神戸の有名老舗ベーカリー「イスズベーカリー」と共同で開発!もちろん単体でもかわいくておいしかったです。 ドリンクとセットで更にかわいく写真映え こんなにかわいいメニューを自分たちで開発できた経験は楽しかっただろうと思っていると、Fさんがメニュー開発で印象深かったことを話してくれました。 メニュー開発での出来事を教えてくれたFさん 「最初はバズる商品を作るとか、かわいいメニューを作ろう!という気持ちでメニューを考案したり試作に臨みましたが、ゼミの吉川先生のご紹介でスイーツのヒットメーカーの方にアドバイスをいただいたんです。 その内容は『店舗を営業し続ける、つまり経営していくためには、利益を出すための原価計算(注1)が不可欠』であるということ。(注1)商品を完成させるために必要な材料の分量や金額を算出すること。今回は主にシロップや炭酸水の分量など。 そして、『利益を出せるように算出した原価分の分量を守るため、オーダーが通ったら目分量でドリンクを作るのではなく、当たり前のことだけど計量しながら作らないといけない。』とアドバイスをいただきました。」 忙しくてもしっかり計量して提供! 「もちろんそれまでも真面目に取り組んでいましたが、おいしさやかわいさ以外に『利益』を出すために大事にしなければならないことがあると学びました。メンバーみんなで味見と計量を繰り返しながらメニュー開発をしたことは大変でしたがとても楽しかった思い出です。」 Iさんも、「授業でも原価や利益について考えることはよくありますが、実際に自分がお店に立ってみると思っていた通りにはいかないこともありました。例えば…しっかり計量して商品を提供しなければならないけど、目の前にはとても急いでいる様子のお客様が待っている時や、利益を出すために必要な一日の売り上げ目標に届かなかった日もあったり。 でも、想定外のことをたくさん経験したことで、この先に起こりそうなことを予想して『ここまで準備しておこう』と考えたり、その場で対応できる力を養うことができたと思います。」と前向きに話してくれました。 複数のオーダーを段取りよく、そして見栄えよく提供してくれたIさん 貴重な経験を通して身についた「〇〇力」を聞いてみた! 最後に、今回のファッペンでの経験を振り返って自分自身がどんな力が身についたと思うか聞いてみました。 Iさんは「行動力」とのこと。「やってみたい!おもしろそう!という思いで、いい意味で深く考えすぎずに始動したファッペンでしたが、みんなで力を合わせることでなんとかやり遂げることができました。 実際にお店を出店するというだけでも大きなことだと思っていたのですが、たくさんの人との出会いもあってグラングリーン大阪に出店するチャンス(のちに9月28日限定で出店)も頂けました。 行動してみたことで、私たちだけしか経験できないことができて、その次の展開や新しい人脈が広がっていく体験ができました。 『やればできる』を体感したことで、プライベートでも興味をもったところにすぐ足を運んだり、積極的に行動するようになったと感じています。」 そしてFさんは「問題解決力」。「この2か月の営業期間中は何度も壁にぶつかりましたが、悩んだときは一人で抱え込むのではなく声に出してみんなに伝えることが大切だと実感しました。 そうすることで問題に対してみんなの目線を合わせ、一致団結して問題解決に向けて動くことができました。ひとつひとつ問題を解決していったことで、目に見えてスムーズに営業できるようになっていきました。」 最後になりましたが、店名にもなっている「ファーストペンギン」という言葉の意味をご存知でしょうか?氷上で過ごすペンギンの群れの中から、エサとなる魚を求めて海に飛びこむ最初のペンギンのように『リスクを恐れずに挑戦する人』を表す言葉なんです。 この夏、チャンスを掴みに飛び込んでいった彼女たちは貴重な経験を経て大きく成長することができました。シンジョの『ファーストペンギン』の今後の活躍も見逃せません!
神女サポート
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2024.9.24
2022年5月に設立された神女ポーアイボランティアセンター(以下、ボラセン)は、学生が主体となって運営するボランティア団体です。設立初年度から神戸女子大学独自の助成金制度「神女support」を活用し、幅広い活動を実施しています。 神女support(学生課外活動助成金制度)とは…学生による自主的な課外活動(地域貢献やボランティア等、地域の課題解決や活性化を推進する取り組み)を支援する独自の助成金制度。活動に必要な資金の助成を受けることができます。詳しくはコチラ! ボラセン設立についてのインタビュー記事はこちら 親子で楽しく、オリジナルの風鈴作り 2024年の夏のとある日、ボラセンが企画したのは風鈴作りのワークショップ。夏ならではのアイテムであり、多くの小学校で夏休みの宿題として出される工作にもぴったりのテーマ。地域に住む親子を対象に参加者を募集し、この日を迎えました。 和気あいあいとしたムードが印象的なボラセンメンバー グループに分かれて準備を進めます。 こちらは何やらボンドと水を混ぜ合わせています… 時間になると、続々と参加者が到着。最初に挨拶と今回の流れを説明したら、早速風鈴作りスタートです! 7組の幅広い年齢の子どもたちが集まってくれました。 今回作るのは紙製の風鈴。まずは風鈴ぐらいの大きさに膨らませた風船にボンドを塗り、白い和紙をちぎって貼り付けます。 カラフルな風船と鈴を用意しました。 ハケを使って風船にボンドを塗っていきます… 難しい部分はボラセンメンバーがサポート。丁寧にボンドを塗っていきます。 手に持っている白い和紙を貼りつけていきます! 白い和紙を貼り終えたら、その上からもう一度ボンドを!そして今度は色つきの和紙を貼り付けます。 好きな色の和紙を選んでちぎりペタペタと貼っていきます。 色とりどりの仕上がりに子どもたちの個性が光ります! 和紙を貼り終わった後はしっかり乾燥させます。乾燥するまでには時間もかかるので、その間はみんなで身体を動かして遊びます!ボラセンの工夫を凝らしたゲームに熱中する子どもたち。たくさんの笑顔が弾けます。 子どもたちの俊敏性が余すところなく発揮された「だるまさんが転んだ」 最後の決勝戦まで白熱したじゃんけん列車。 ペットボトルボーリング。豪快なストライク連発で大盛り上がりでした! 楽しい遊びに熱中しているとあっという間に仕上げの時間に。しっかり乾燥したものは、風船をパン!と割って、短冊に付いた紐を通したら完成! 乾ききらなかったものは自宅に持ち帰って仕上げられるよう、ボラセンメンバーが丁寧にレクチャーしました。 簡単なステップで素敵な手作り風鈴が完成!かわいい! 3年目を迎えたボラセンの活動を振り返る ワークショップ終了後、ボラセン代表の3回生・Hさん、副代表の3回生・Tさん、企画担当の2回生・Mさんを直撃。この1年間の活動について振り返ってもらいました。 写真左から、副代表のTさん、代表のHさん、企画担当のMさん 2024年1月には、令和6年能登半島地震の発生を受け、ポートアイランドキャンパス内にて義援金募金活動を実施。初めての募金活動ながら、たくさんの協力を得ることができました。 5月には毎年恒例の「みなとじまクリーンプロジェクト」を開催。キャンパス周辺を中心に、ポートアイランド内の清掃活動を行いました。新入生にとっては、友達づくりの場にもなったようです。 前年の倍近い70名以上が参加。ボラセンの知名度UPを実感! そして8月初旬には、前年に引き続きポートアイランド市民広場にて行われた「ポートアイランド夏祭り」に出店。前年のわたがし、チェキ撮影に加え、チュロスとキャンドルすくいも提供し大盛況でした。 昨年のイベント記事はこちら 先輩から後輩へとバトンをつなぐ、ボラセンのこれから 設立から2年以上、多くの実績を積んできたボラセン。当初7名だったメンバーも、現在は32名に増えました。 「メンバーが増えたこともそうですし、色々な活動を通して社会福祉協議会や港島自治連合協議会、他大学の団体の方々ともつながりができて、どんどん人の輪が広がっています」とボラセン創設期から所属するTさんは感慨深そうに振り返ってくれました。 1回生の時からボラセンに参加し、2024年度からは副代表を務める3回生・Tさん。 同じく創設期からのメンバーであり、今年度から代表を務めるHさんは、「後輩たちの成長を実感する場面が多いんです。2回生は団結力がありますし、1回生も積極的。すごく頼もしいです」と後輩たちへの信頼を語ります。 2024年度から代表を務める3回生・Hさん。 そんなふたりの後輩にあたる2回生のMさんは、「昨年まで先輩方がやってきたことを、今年は私たち2回生を中心に実践していますが、やはり大変なことも多くて。これまで知らなかった先輩方の苦労に気付かされる日々です」と話します。 2024年度からボラセン内の企画部部長を務める2回生・Mさん。 また、3人はそれぞれ、ボラセンの活動によって自分自身の成長を感じる部分も多いのだとか。 Hさんは「特に代表になってから、人をまとめる力が養われたと感じます。30名以上のメンバーを率いることは想像以上に難しく、毎日が試行錯誤の連続。活動中は全体に気を配りなるべく全員に声をかけたり、会議での話し方を工夫したり、色々と試しながら現在進行形で学んでいます」と話します。 Tさんは「ボラセンに参加していなければ関わることのなかったような多くの人と出会い、アドバイスをいただき、学びの多い日々を送っています。特に、地域の方々とのつながりができてからは、より一層視野が広がったように感じます。また、先輩からだけではなく、後輩から学ぶことも多いですね」と笑顔。 自分たちが主体となって活動を行うからこそ得られる経験を語ってくれました。 Mさんは「私も学内外で同世代だけではなく、子どもから高齢者までさまざまな年代の方と関われることが魅力だと感じていて。皆さんと色々なお話をする中で、自分や周りの友人とは違った考えを聞けたり、新たな視点を得られることがとても魅力的です!」と言います。 今後、新たな試みも計画していると話してくれたボラセンメンバー。「学内でもまだ須磨キャンパスでの認知度は低いので、もっと高めていきたい!」「いずれはポートアイランドの外にまで活動の場を広げたい!」など、目標も尽きません。さらなる躍進が期待されるボラセンにぜひご注目ください! ボラセンのInstagram、ホームページはこちらから ■Instagram ■HP
神女サポート
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2024.9.20
「ポートアイランドに新たな交流の場を!」をモットーに活動を行う神戸女子大学の学生団体「ぐるりと。」現在は地元地域にお住まいの方々を対象に子ども食堂を開催しています。 そんな「ぐるりと。」は2024年に社会福祉学科の学生を中心に設立されたばかり。今回は初めて実施した子ども食堂の様子と併せて、団体の代表を務める学生たちにどんな思いでこの活動を始めたのかインタビューしました! 子ども食堂とは… 子どもたちやその家族に対して無料または低価格で食事を提供することや、勉強や宿題のサポートなどを行う地域密着型の支援活動です。主に地域の支援団体やボランティアが運営していることが多く、地域の子どもたちが安心して過ごせる居場所として、また地域の人々の交流の場としても近年広がりをみせています。 「ぐるりと。」結成のきっかけは授業後の雑談⁉ 結成のきっかけは、発起人であるMさんが一回生の時にインターンシップで参加した子ども食堂について、ある授業の中で発表したことでした。その授業が終わったあとにその発表を聞いていた他のメンバーが話しかけたのです。 メンバーはそれぞれが別の友人グループに所属しているそうですが、その日をきっかけに日頃学んでいる社会福祉について語り合う仲になっていき、「自分たちで地域貢献がしたい!」という強い思いから結成されました。 そんな「ぐるりと。」は、『やりたいこと』の元に個性豊かな学生が集まり、ポートアイランドの地域の方々が『ぐるりと』一周、みんなが手を繋いで、誰ひとり取り残されることがないような支援活動を目指しています。 団体結成後まもなく、メンバーは地域貢献のために何ができるかを考え、Mさんの経験をヒントに地域の子どもに無料で食事を提供する「子ども食堂」を開くことに。こうして地域貢献への第一歩を踏み出したのです。 各所への申請、調整から告知まで。自分たちで行った準備期間 やることが決まれば、あとは前に突き進むのみ!しかし、子ども食堂を実施するまでの道のりは想像以上に大変だったと学生たちは話します。 Mさんは「企画段階からたくさんの方にお世話になりました。やりたいことを実現させるためには、キャンパス内の場所の調整から提供するお弁当の準備、それを提供するための許可申請など…やらなければならないことが想像以上に多くて。 ひとつのイベントを実現させるためにこれだけの準備が必要だということを痛感したと同時に、地域の夏祭りや高校の文化祭などを楽しめていたのは、その時に自分の周りにいた大人の方々の努力があったんだなぁと思いました。 そして、これからは私たちが楽しんでもらう側になっていくんだ!と責任感も強くなりました。」 積極性を活かして関係各所との調整、相談を主に担当するMさん 各所への許可申請書類の作成などを中心になって担当したTさんは「神女support(助成金)の申請書類をはじめ、飲食物を提供するためなど様々な申請関係を担当しました。長い時間をかけて準備してきたことが今日、本当に形になったんだという達成感があります。 でも、これに満足せず、地域のみなさんが集まる場所を創る側として引き続き活動していきたいと思います。」と意欲高く語ってくれました。※「ぐるりと。」の運営には『神女support(学生課外活動助成金制度)』が使われています。 神女support(学生課外活動助成金制度)学生による自主的な課外活動(地域貢献やボランティア等、地域の課題解決や活性化を推進する取り組み)を支援する独自の助成金制度。活動に必要な資金の助成を受けることができます。詳しくはコチラ! 書類作成やイベント当日の運営準備などを主に担当したTさん 各種申請書類が完成してからも、新たな困難が彼女たちの前に立ちはだかります。それは参加者への広報、子ども食堂の告知です。いくらイベントを実施しても参加者がいなければ成り立ちません。たくさんの人に「ぐるりと。」の存在と、自分たちが開く子ども食堂を知ってもらうための広報活動が必要です。 当初は自分たちの手元にあるスマホでSNSを使って発信しようと考えていましたが、それ以外の広報活動にも着手していきました。まずは、保育園や学習支援教室のような子育て世代の方々が利用している施設をリストアップして訪問し、チラシの設置をお願いして回りました。 他にも、地域ごとのイベントが調べられる情報サイトに掲載するなど、『知って欲しい人に情報を届ける』という意識をもって広報に取り組み、子ども食堂の初日を迎えました。 いよいよ当日!たくさんの子どもの笑顔が溢れた一日 子ども食堂当日。開始の1時間前に集まった「ぐるりと。」の学生たち。これから始まる子ども食堂を円滑に進めるための打ち合わせを行います。地域の人々に安心・安全な場所を提供することはもちろんですが、「参加してよかった!」と思ってもらうためにも、学生たちの打ち合わせや確認作業に余念はありません! また、子どもだけで参加する場合はキャンパスの最寄り駅まで「ぐるりと。」メンバーがお迎えにいく送迎サービスも実施しています!ご家族も安心ですね。 子ども食堂「ぐるりと。」へようこそ! 実際に提供したハンバーグ弁当。おいしそう! 開始後まもなく、子ども食堂の会場は来場者のみなさまでいっぱい!友達同士で、そしてご家族みんなで美味しいお弁当を楽しく食べ、笑顔と笑い声で溢れる空間に。 子どもたちが食後にも楽しい時間を過ごせるように、レクリエーションを準備していた学生たち。多目的ルームを覗いてみると「ハンカチ落とし」で大盛り上がり!ご家族の方々はこの様子を席で見守りながら保護者同士の交流タイム。 この躍動感溢れるハンカチ落としは元気いっぱいの子どもならでは! そして、別の部屋を覗いてみると小学校低学年などを中心に「手遊び歌」のレクリエーションが行われていました。小さな子どもたちにも楽しんでもらえるように活動する学生たちの姿から、「ぐるりと。」らしい『誰ひとり取り残されない活動』の理念を感じることができました。 はじめはゆっくりですが、どんどんテンポアップしていく手遊び歌にみんなが夢中に。 「ぐるりと。」の子ども食堂は営業時間内であれば何時に来ても大丈夫!たくさんの方が来場し、食事やレクリエーションを楽しんで帰路につきます。初めての営業でしたが100名以上の地元地域の方々にご参加いただくことができました。そして、綿密な打ち合わせの成果もありトラブルなく無事に一日を終えることができました。 「ぐるりと。」の活動は始まったばかり。今後の展開にも期待大! 今回、美味しいご飯と楽しいレクリエーションを行う「子ども食堂」を開催し、モットーである「ポートアイランドに新たな交流の場を!」を見事に実現させることができた学生は充実感を感じていました。 ご参加いただいた方々にご挨拶するMさん 「ぐるりと。」の発起人であるMさんは、「1組でも来てくれたらいいな…という気持ちで始めた子ども食堂でしたが、思った以上の反響があって驚いています。たくさんのニーズがあることが分かったので、周りの期待に答えたい気持ちでいっぱいです!」と語ってくれました。 今後も子ども食堂を定期的に実施していく予定で、実施回を重ねるごとに、宿題や勉強をサポートする「学習支援」や、子ども食堂の食事支援が必要な人のご自宅まで食事を届ける「配食サービス」の導入も検討している「ぐるりと。」の今後の活動に期待が膨らみます! 「ぐるりと。」のInstagramはこちらから。
神女サポート
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2024.3.7
神戸女子大学の学生有志団体「潮見会」が、神戸市立須磨離宮公園の活性化を目的として同公園内の建物をカフェとして本格リノベーション!本オープンは2024年5月以降を予定しています。今回はプレオープンイベントの日に現地に伺い、いったいどんな建物ができたのか、その出来栄えとこれまでの経緯などを取材しました。 リノベーション…間取りから内装・配管などをゼロから考え直し、これから使用する用途に合わせてつくり替えること 企画立案から今後の運営まで、主役は常に学生たち! このリノベーションプロジェクトは2022年11月に始動し、学生団体『潮見会』のメンバーが中心となっています。リノベーションが行われる場所は、須磨離宮公園にある「潮見台休憩所」。プロジェクトが始動した直後の現地視察時には、10年以上前に売店として活用されていたテナントとベンチがありました。ここをどんな建物に生まれ変わらせるのか、そしてその建物で何をするのかは学生たちに一任されています。 リノベーション前の現地視察の様子 活動当初、自分たちの好きなモノを活かしつつ、SDGsを意識してリユース・リサイクルを促進する古着屋をオープンする構想を持っていたこともありましたが、プレオープンでお披露目されたのは『Flower Cafe Bloom』というカフェ。 ここが こうなりました! この経緯についてFさんは「私たちが考えたものが公園利用者のニーズに応えられているのかを確かめるために、来園者にアンケート調査を行いました。その結果、利用者は気軽に立ち寄ることができるお店を求めていることがわかったんです。その結果を参考にして構想を練り直し、『Flower Cafe Bloom』をオープンすることなりました。」と語ります。 カフェをオープンすることが決まると、次はコンセプト設計。一言でカフェといっても、オシャレ・隠れ家的・アメリカン・古民家・大人っぽい、など色々なコンセプトが思い浮かびますが、『リラックスできて、須磨離宮公園になじむカフェ』をコンセプトに、お店のレイアウトやインテリア、ロゴを考えたそうです。 店舗前の吊り下げ看板にはロゴが。 外観は白の壁面にあたたかみを感じる木材が映える上品な装い。しかし、これも当初は別案があったとFさんは話します。「はじめは若者に人気のネオンライトを活かした韓国風カフェも候補に挙がっていました。しかし、アンケートをもとに定めたコンセプトを軸に何度も軌道修正をして今の形になりました。」 「インテリアについても、メンバー内でいくつも候補が出たのですが、コンセプトを念頭に話し合いを進めることでスムーズにまとめることができました。椅子の高さは、家政学科で住環境を学んだメンバーの意見を参考に、座りやすい適切な高さの物を採用するなど、細かいところにもこだわっています。」 客席に設置したこだわりの椅子 照明も色味、サイズなどこだわりがいっぱいです シンジョでしかできない経験が、学生の成長を後押し! 図面作成などにも携わった潮見会の学生たち。その貴重な経験について聞いてみました。 「レイアウトやコンセプトイメージを建設会社の担当者様にお伝えし、作成いただいた図面に対して微調整を繰り返すことでまとめていきました。希望を全て叶えようとすると費用は際限なく膨らみます。当初決めた予算を意識しながら、理想を叶えることにとても苦労しました」と語るFさんは、この問題を希望するレイアウトの一つひとつに優先順位をつけることで解決したそうです。 「どうしても外せないお店のシンボル、ドライフラワーを飾るショーケースや、店内に開放感を与える大きな窓は外せないものとしてお伝えしました。一方で、支払いや商品の提供をするカウンターと厨房の間の仕切りは、当初想定していた扉から暖簾に変更することで、費用を抑えることができました。図面を書いたり、頭で考えるだけではなく、それが実際に形になるなんてなかなかできない経験だと思うので、とてもやりがいを感じました。」 開放感溢れる大きな窓がある店内スペース 変更した暖簾はオシャレで使い勝手も良好! 当時、建物担当としてメンバーをまとめていた家政学科2回生のKさんは、「今までにやったことのない大きな経験だったので、次から次へと起こる問題に対して、皆の意見をまとめることに苦労しました。それでもテキパキと物事を進めていく先輩の姿に刺激を受けながら、楽しくやり遂げることができたのはこのプロジェクトに参加しないと味わえない経験でした。」と振り返ります。 プレオープンは大盛況! 学生に届くたくさんの反響と大きな期待 『Flower Cafe Bloom』という名前は、お客様一人ひとりを須磨離宮公園の代名詞といえる『花』に例え、花が満開に咲いている=「いつまでも人が集まるお店になるように」と願いを込めてつけられています。 bloom…「開花、全盛期、花盛り」などの意味。 名前に込めた願い通り、オープンと同時にお店にはたくさんのお客様が! 学生たちはお客様から「いつもベンチで休憩させてもらうけど、こんなお店があると活気があっていいね」「いつからオープンなの?本オープン後もまた来るからね」といった温かい言葉をかけてもらっていました。 この日ご来店いただいたお客様のほとんどは、公園の入り口などに貼り出していたチラシを見て来られたそう。このチラシの印刷や店舗で必要な機器の購入には『神女support(学生課外活動助成金制度)』が使われています。 集客効果抜群だったチラシ 右手前のショーケースは保温も冷蔵も出来る優れモノ 学生課外活動助成金制度(神女support)って?学生による自主的な課外活動(地域貢献やボランティア等、地域の課題解決や活性化を推進する取り組み)を支援する独自の助成金制度。活動に必要な資金の助成を受けることができます。詳しくはコチラ! 今回のプロジェクトに協力してくださっている神戸市立須磨離宮公園の職員の方にお話を伺うと、「公園の利用者は年配の方や小さなお子様を連れたご家族が多く、大学生が持つ明るさや活気に魅了されているのだと思います。これから須磨離宮公園の活性化を促す、新名所になってくれるのではないかと期待しています。」と語ってくださいました。 大成功を収めた「潮見台休憩所」のリノベーション。『Flower Cafe Bloom』の本オープンは5月以降を予定しており、オープン後はワークショップや子ども向けイベントなどの企画も構想中です! 在学生のみなさんへ『Flower Cafe Bloom』の運営に興味のある学生はこちらからお気軽に問い合わせを!『Flower Cafe Bloom』Instagram
キャンパス
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2024.2.14
この日、須磨翔風高校野球部の皆さんが神戸女子大学のポートアイランドキャンパスに来校。野球部の皆さんの体組成やボディバランスなどの測定と、食事内容調査を実施することで食生活やトレーニング方法についてアドバイスを行う取り組みが行われました。 担当するのは、これまで数多くのプロアスリートを栄養学の観点からサポートしてきた坂元先生(健康スポーツ栄養学科)のゼミに所属する学生たち。全力でスポーツに向き合う野球部の皆さんと接する学生たちの様子を取材しました。 実施するのは一流選手も活用する“アスク測定” 今回実施したのは、 “アスク測定”と呼ばれる測定法。この方法では、選手一人ひとりの身体能力と健康状態を総合的に測定し、トレーニングプログラムや食事内容の最適化を図ることができます。 測定は3箇所に分かれて実施! 体組成の測定 体組成の測定は体組成計を用いて行います。体組成とは、筋肉や脂肪、骨など私たちの体を構成する組織のこと。体重だけではなく、身体の部位ごとの体脂肪率や筋肉率などの体組成をチェックして体のバランスを知ることができます。 測定中… 左右の手足と、胴を含めた体幹部それぞれの体脂肪率や筋肉量が細かく判明 ボディバランスの測定 ボディバランスの測定は、地面に対して垂直と並行に引かれたマス目の前で行います。体の軸がぶれることなく、指定されたポーズをとることができるのか測定し、その結果からその人に合わせた体幹トレーニングのメニューを提案します。 学生自ら測定時のポーズを指導。 さすが高校球児! 鍛えられた体幹を披露 カメラを通して手元のパソコンで測定、記録していきます ヘモグロビン量と骨密度の測定 骨折をはじめとした怪我や運動機能に直結する、骨密度とヘモグロビン量も測定。この結果は鉄分やカルシウムを対象とした栄養指導に役立てられます。 ヘモグロビン量測定器を使用し、40秒ほどで測定 野球部の皆さんは、お互いの数値に興味津々! 骨密度の測定では、「骨折リスクは高い方ですか?」と質問も 脂肪、筋肉、骨、水分など、身体を構成する成分を細かく測ることで、トレーニング内容だけでなく、日常の食生活に関する指導もできるアスク測定。 高校球児からの質問に笑顔で対応 野球部のコーチからは「部員は運動後に補食としておにぎりを摂るなど、『丈夫な体、大きな身体を作ろう』という意識を持っています。しかし、食事について専門的な知識を得る機会や、このような機器で自分たちの身体のことを数値で把握できる機会はありませんので、貴重な一日になっています。」という声をいただきました。 測定後はスポーツ栄養講習会。試合で実力を発揮するための食事について学ぶ! 測定後は、健康スポーツ栄養学科の坂元先生が高校生のみなさんに特別栄養講習を実施。試合当日、試合前日、それまでの日に分けて、それぞれのタイミングでどのような栄養を摂取することが望ましいのか、などの講義が行われました。その内容を少しだけ紹介します。 試合当日は、運動能力が発揮される交感神経を働かせる必要があるため、食べ物の消化時に働く副交感神経を落ち着かせるように4時間前には基本的な食事を済ませておくようにします。 食事の摂り方を誤れば、交感神経が働かず運動パフォーマンスに影響が及んでしまいます そして、忘れてはいけないのが運動後のリカバリー食。ここでは運動前に摂取できなかった栄養素を持つ肉や魚、野菜などを、胃への負担が少ない料理で摂取できると理想的。 野球部の皆さんは「今日の話を何とか自分のものにしよう」と、夢中になって講義に耳を傾けている姿が印象的でした。 坂元先生の講義は学生にとっても有意義な時間 参加学生と先生の想い。スポーツに携わる人の成長を願って。 測定終了後、体組成測定を担当していた健康スポーツ栄養学科4回生のHさんと、ボディバランスの計測を担当していた同学科3回生のOさんにお話を伺いました。 ――ゼミでは普段どのようなことをされているのですか? Oさん「最近は3回生を中心に今日測定する参加者の名簿の作成など、今回の事前準備をしていました。多い日は100人近い選手を計測することがあるので、当日の計測をスムーズにするためにも事前準備は重要です。」Hさん「あとは栄養調査で取得したデータの取りまとめをしていることが多いです。今回のデータをまとめていき、1か月後には今後の食事計画やおすすめのトレーニングメニューを一人ひとりに提案する予定です。」 左から健康スポーツ栄養学科3回生Oさんと、同学科4回生Hさん もちろん、測定中の空き時間にもデータの取り纏めを行います。 ――アドバイスは皆さんが考えられるのですか? Hさん「はい。栄養学を専門に学んできたので、その知識を活かして実践しやすいアドバイスを心がけています。」Oさん「この後3日間、何をどのくらい食べているのかを細かく調べる、食事調査を行います。様々な視点からたくさんのフィードバックをしていきたいです。」 インタビューの受け答えから、これまでにも多くのスポーツ現場での測定を経験している学生だからこそ、何をするべきか明確に理解していて、自発的に行動していることが伺えました。そして何よりも『スポーツに向き合う人の力になりたい』という考えや、実際にスポーツに携わっていることに対する充実感を感じることができました。 学生や高校球児へのメッセージを語る坂元先生 坂元先生は、ゼミ生に向けて「私のゼミには主体性を持った学生が多く集まっているので、活動そのものは参加する学生たちに任せています。今は大変でも、将来振り返ったときに『タメになっていたな』思えるようにたくさんの経験と技術を得てほしいと思います。」 高校生の皆さんには「高校生の今の時期は、体づくりができる最後のチャンスです。後日学生からお返しするフィードバックを、トレーニングと同じように自ら進んで実践してほしいと思います。」と話してくれました。 坂元ゼミに所属する学生の経験としてはもちろん、育ち盛りである高校球児の皆さんにとっても、成長を左右する大きな財産となったであろう本日の取り組み。健康スポーツ栄養学科はスポーツの現場で学ぶ"現場実践主義"で学ぶことが特徴!興味を持った方は、ぜひ学科WEBサイトやSNSをチェック! 健康スポーツ栄養学科 WEBサイト健康スポーツ栄養学科 Instagram