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製品化されない豆を価値ある商品に!神戸発のサステナブルな未来につなげる商品企画プロジェクト

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2023.12.14

製品化されない豆を価値ある商品に!神戸発のサステナブルな未来につなげる商品企画プロジェクト

さまざまな企業と産学連携の取り組みを行っている神戸女子大学。今回タッグを組むのは、「フジッコのおま~めさん」のフレーズでお馴染み、自然の恵みを大切にしながら商品開発を続けるフジッコ株式会社。(本社:神戸市)

同社の看板商品である「おまめさん きんとき」は、つややかできれいな見栄えが求められるため、生産工程で出る皮の破れた豆は製品に使用せず食品ロスが発生していました。 しかし、この豆は皮が破れているだけで品質には問題がなく、おいしさは同じです。何とかして価値あるものに生まれ変わらせることはできないか…。

そしてもう一点、若者の豆離れにも一石を投じることができれば!ということを考え、『Z世代がZ世代のために考えた ちょっと高くてもついつい食べたくなる豆アイスの商品企画』がスタートしました。ちなみに、この特別講義は「教養演習1」という講義。学部学科の垣根を越えて、さまざまな学生が受講しています。

今回は、学生がこれまでの講義を踏まえて企画したオリジナル豆アイスを、フジッコ株式会社の役員や各部署の部長職など錚々たる面々にプレゼンする中間発表の日を取材しました!

看板商品である おまめさん きんとき
役員、各部署長の皆様もお越しくださいました。

各講義は「講座」「活用例」「実践」の3ステップ
力をつけながら商品企画を行う

産学連携で行われるこの商品企画プロジェクトは、全13回にわたります。本格的なマーケティングの知識と商品企画について、現場の第一線で活躍されているフジッコ株式会社の只野さんから直接ご指導いただき、学生ならではのアイデアで新しいアイスを企画。最終的なゴールである商品化を目指し、グループのメンバーと協働して商品企画を中心にターゲットの具体化、販売チャネル、プロモーションなどについて考えていきます。

1回の講義の中では、まずはマーケティング論など座学部分を講義形式で学び、その活用例として実務でどのように採り入れているか教えていただきます。その後、グループワーク形式で、その日に学んだことを活かしながら少しずつ商品企画を進めます。

この講義構成について、学生はこう話します。
「只野さんがこの講義のために時間を割いて丁寧に準備をしてくださっていることが至る所で感じられます。ここまで私達のためにわかりやすく、そして力がつくように準備してくださっていることに感謝するとともに、絶対に良い商品を作りたいと思っています。」

現場のプロから見たシンジョ生。感性と吸収力に期待!

これまで学生に、現場で使う本格的な知識や技術をわかりやすくご教授いただいている、フジッコ株式会社の只野さんに神戸女子大学の学生の印象をお聞きしました。

「ワークシートの記入など、目の前のやらなければいけないことに対し、常に一生懸命ですね。そのため講義内容の飲み込みが早く、教えたことをすぐに自分のものにしていると思います。また、グループワークで活発に話し合う姿が印象的でした。友達同士では明るく話せる子も、グループワークになると黙ってしまうことがよくありますが、それがありませんね。」と只野さん。

講義中の様子

グループワークの活発さは、普段の講義からグループワークを積極的に行っている神戸女子大学の特徴そのもの。それに加え、女子大だからこそ、女性同士でのびのびと積極的に取り組めているのかもしれません!

他にも只野さんは「神戸女子大学の学生のみなさんは感性が素晴らしいと思います。はじめは商品の価値(商品を通じてもたらされる嬉しい期待)を考えることに苦戦していた様子でしたが、具体的な生活シーンを想像しながら「元気にしてくれる豆アイス」「癒される豆アイス」「ほっと落ち着ける豆アイス」「楽しいが増える豆アイス」など、さまざまな意見を出してくれます。どうしても大人は理屈っぽい考えが多くなりがちですが、今日の発表にも『Z世代の彼女たちらしさ』が存分に発揮されています。」と仰ってくださいました。

うちの企画部でも通用するかも!とお褒めいただきました

これまでの集大成!想いをぶつける中間発表。

今回の発表内容は、販売ターゲットを絞り込んで具体化する「セグメンテーションとペルソナ設定」、提案する豆アイスを食べるのにぴったりな場面、生活の中での豆アイスの位置づけ、試作品から製品にするための改良点などをまとめた「商品企画コンセプト」、豆アイスがもたらす嬉しい期待とそれを実現する品質との関係をまとめた「ブランドエクイティピラミッド」など。4つのグループがそれぞれ特色ある考えを発表し、それに対して質疑応答を行いました。

●Aグループ
ターゲット:部活や仕事に日々全力で取り組むZ世代
アイスの役割:疲れた時のご褒美、癒して元気にしてくれる
提案アイス:『きんとき豆うさぎ』(想定価格250円)

きんとき豆が持つ甘味を活かした『きんとき豆うさぎ』。今後、元気を象徴する豆うさぎをデザインに施すそう。
「ライバル商品に勝つための強みは?」という質問に対し「豆が持つ食物繊維をはじめとした栄養素が取れること」と回答するAグループ

●Bグループ
ターゲット:一人暮らしで孤独を感じている女子大生
役割:一日の終わりに癒しを与える
試作アイス:甘えたくても甘えられない夜に癒しを与えるアイス(想定価格:300円)

アイスのイメージはツンデレ彼氏。滑らかな舌触りでやさしい甘さのきんときアイスとナッツの食感でツンデレを表現。
自分たちの体験をもとに、説得力のある発表を行うBグループ
試作品はみんなで試食!

●Cグループ
ターゲット:映える場所や物を求める、SNSを中心に生活する女子大生
アイスの役割:SNSに振り回され疲れたところを癒す
試作アイス:自分自身と向き合う時間を作るアイス(想定価格:300円)

きんとき豆と抹茶を組み合わせ、和の香りで心が落ち着くように。豆が苦手な人でも食べられる豆アイスに。
どういった状況でこの商品が選ばれるのか、図を用いてわかりやすく説明
アイスを「遠方に住んでいる優しいおばあちゃん」と表現し発表するCグループの皆さん

●Dグループ
ターゲット:大人数で初対面の人とでも仲良くしたいZ世代
アイスの役割:会話を生み、盛り上げる遊びのツールとして
提案アイス:食べて楽しいが増えるアイス(想定価格700円※ファミリーパック1箱)

ミルクきんとき味のアイスのまわりをチョコでコーティング。個包装のパッケージにクイズやゲームなど、大人数で楽しめる要素をつける予定。
類似商品を使用し視覚的にイメージを伝えるDグループ

「本気でヒット商品を作りたい」という想いを伝えるべく奮闘した学生たち。それに応えるようにフジッコ株式会社の皆様も真剣に質問を投げかけます。

「滑らかな食感を出すために豆の食感を感じさせないようにしたい」と発表をしたグループに対し、「豆アイスである必要があるのか?」という鋭い質問も。

それに対して、自分達の感性を活かしてその場で「粒あんが苦手でも、こしあんだったら食べることができる人も身の回りにいます。実は私も豆の皮の食感が少し苦手です。だから、豆の風味や味わいを残しながら食感を滑らかにすることで、よりたくさんのZ世代に寄り添える商品になるとイメージしています。」と答えた学生には、社員の方も納得の表情。

その道のプロの考えや空気感にも触れられたこの中間発表は、学生たちを大きく成長させたに違いありません!

山場をひとつ乗り切った学生たちにこの産学連携の魅力を聞いてみた

今回Cグループとして発表していた、心理学部心理学科2年のEさんとIさんにこの講義の魅力を聞きました。

――この講義の魅力を教えてください。

左:Eさん 右:Iさん

Eさん「学生のうちから商品企画に携われることはなかなかありません。自分たちが真剣に考えたものが、店頭で売り出されることになれば、かけがえのない経験になると思います。また、特別講師の只野さんが『学生だから』という甘い対応ではなく、一緒に商品企画をするメンバーの一人として接してくださっているのが非常に嬉しいです!」

Iさん「この講義では、主体的に動くかどうかで、得られる経験が大きく変わってくると感じています。そのような状況を理解しながら学んでいるので、課題に対してより細かく、具体的に考える習慣がつき、自分達の力になってきていると思います。」

前向きに取り組み、回数を重ねるごとに力をつけていく学生は、今回の試作アイスをどのようにブラッシュアップしていくのでしょうか。12月20日には企画する商品の最終プレゼンテーションも控えているそう。みなさんの身の回りのお店で、学生が企画した豆アイスが見られる日はそう遠くないかもしれません!

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