特集
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2023.8.8
地域と連携した多彩な取り組みは神戸女子大学の大きな特徴の一つ。神戸市が推進する「こどもの居場所づくり事業」の一環であるこどもの学習&食事支援活動にも学生有志がボランティアとして参加しています。今回はその現場をレポートします!
「こどもの居場所づくり事業」は、神戸市が推進する子育て支援事業の一つ。近年では「こども食堂」というフレーズで食事提供をする活動が多く聞かれますが、それに加えて学習支援、団らんなどを通してこどもたちが安心して過ごすことのできる場を市内のさまざまな地域で展開しています。その数は、2023年3月時点で257か所。地域福祉センターや自治会館、神社や教会、児童館や小学校など、各地域のこどもたちに身近な場所で実施されています。
神戸市須磨区にある若草地域福祉センターも、「こどもの居場所づくり事業」の実施場所の一つ。一人親や共働き家庭に育ち、夜遅くまで一人で過ごすなどの課題を抱える地域の小中学生を対象に、毎週木曜日の放課後に学習支援と食事支援を行う「かがやけこどもひろば」という取り組みを展開しています。運営は若草地区民生委員・児童委員(※)協議会会長の田中敏和さんを中心に、民生委員、婦人会、その他ボランティアのみなさんから成る総勢24名。参加登録をしている小中学生は50名程に上ります。そして立ち上げ初期の2018年度から、同じ須磨区内にキャンパスを構える神戸女子大学にもボランティア募集のオファーがあり、これまでに延べ60名以上の学生が参加しています。
民生委員・児童委員とは
厚生労働大臣の委嘱を受けた特別職の地方公務員。神戸市では約2,500人、全国では約23万人が活動しています。担当区域において、住民の身近な生活相談に乗って専門機関につないだり、訪問や各種行事を通して高齢者や子育て世帯の見守り活動を行ったりしています。
夏休み目前の7月下旬、「かがやけこどもひろば」の現場を訪問。この日は教育学科2回生のSさん、社会福祉学科1回生のIさん、同じく社会福祉学科1回生のIさんの計3名が学生ボランティアとして参加します。
16:00のスタートに合わせてこどもたちが続々と到着。最終的に19名が揃い、会場内は大賑わいです。とにかくみんな元気いっぱい!
時間になると、まずは勉強タイムということで着席。各自が宿題のプリントやドリルを広げます。学生はその様子を見回りながら、積極的に声かけ。困っている様子のこどもがいれば隣に座り、サポートします。
こどもたちも学生も最初はお互い緊張している様子でしたが、すぐに打ち解けられたよう。「先生!」と呼びかけられて少しくすぐったそうな表情や、どんどん距離が縮まって弾ける笑顔が印象的でした。
こうして1時間程経ったら、机の上をきれいに片づけ。17:00からは食事支援、通称「こども食堂」のオープンです。ボランティアスタッフのみなさんが用意してくださった食事の配膳を学生もお手伝い。
ごはんを食べたら後片付けをして、18:00には解散。こどもたちは満面の笑顔で元気よく帰っていきました。見送る学生も晴れやかな表情。充実した時間が過ごせたようです。
「かがやけこどもひろば」を立ち上げ、運営する田中敏和さんは言います。「神戸女子大学の学生さんは、みなさん真面目で優しい。こどもたちと上手く一緒に遊んでくれるのでとても助かっています」。
田中さんは須磨キャンパスと若草地域福祉センター間の送迎をしてくださっている他、時には食事会を開いたり、現役の小学校教師との交流会を企画してくださったり、学生を手厚くサポートしてくださっています。
「神戸女子大学とは、この学習&食事支援ボランティア以外にも、民生委員・児童委員の体験型インターンシップなど、さまざまな取り組みをご一緒させていただいています。今後も学生さんたちの力に大いに期待しています」と田中さんは話します。
今回参加した学生3名も大きな手ごたえがあった様子。
教育学科2回生のSさんは、今回が3回目の参加。「同じ学科の友人に誘われて、今年の2月に初めて参加しました。最初はどうしたら良いか分からず立ち尽くしていたのですが、他のスタッフの動きをお手本に、徐々に自分から動けるようになりました。ここには積極的に話しかけてくれる子もいれば、こちらの言うことをなかなか聞いてくれない子もいて、楽しかったり大変だったり。でも、これだけ幅広い学年のこどもたちと一度に触れ合える機会はとても貴重です」とSさん。
将来は小学校教師を目指しているそうで、「低学年から高学年まで、それぞれの学年に合った対応を考えて実践できるので何よりの勉強になっています。今後も継続的に参加し、こどもとの関わり方を深めていきたいです」と話します。
一方、今回が初参加だった社会福祉学科1回生のIさんと、同じく社会福祉学科1回生のIさん。友人の紹介で参加したという二人ですが、それぞれに発見があったと教えてくれました。
「最初はこどもたちへの声かけが難しいと感じましたが、少しずつ打ち解けられました。元々児童福祉に興味があったので、実際に現場を体験できて嬉しかったです。こどもたちはみんな素直で、裏表ないリアクションがとても新鮮で面白くて。楽しい時間を過ごせました」。
「小学生ってこんなに元気なんだ! ってびっくり。最初は少し距離を感じましたが、楽しそうに遊んで、おいしそうにごはんを食べて、こどもって純粋で良いなと思うようになりました。私はこれまで児童福祉への関心は薄かったのですが、今日はこどもと関わる喜びややりがいを知る良いきっかけになりました」。
二人は口を揃えて「今後も参加したい!」と意欲的。「1回参加しただけではなく、何度も訪れてこどもたちと仲良くなって、この経験を自分の糧にしていきたいです。それに、人数が多いほうが絶対に楽しいので、ぜひたくさんの学生に参加してほしいです」と話します。
このボランティア活動には、学科・回生問わず誰でも、自分の都合の良いタイミングで自由に参加できます。今年度の取り組みは2024年3月末まで続くので、気になる在校生のみなさんは各キャンパスに設置されている『地域連携推進事務室』に問い合わせてみてくださいね!
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