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子どもたちに“第3の居場所”を―。神女生がゼロから始めた子ども食堂「ぐるりと。」1年半の軌跡

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神女サポート

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2026.4.11

子どもたちに“第3の居場所”を―。神女生がゼロから始めた子ども食堂「ぐるりと。」1年半の軌跡

神女生による子ども食堂「ぐるりと。」。地域住民やNPO団体などが中心となって立ち上げるケースが多い子ども食堂を、大学生の手で“ゼロ”から立ち上げたのが、この「ぐるりと。」です。

ポートアイランドのキャンパス内において、2024年7月の第1回目からこれまで毎月1、2回の開催を続け、地域にとってかけがえのない場所となりつつある「ぐるりと。」。2025年12月には、神戸市内の⼦ども⽀援団体を顕彰する「BE KOBEミライセッション2025」で大会初の学生部門特別賞を受賞‼ 活動から1年半を迎えた彼女たちに、これまでの取り組みを振り返っていただくとともに、今後の展望について伺いました。

※子ども食堂とは…子どもたちやその家族に対して無料、または低価格での食事の提供や、勉強や宿題のサポートなどを行う地域密着型の支援活動。

神女らしい行動力と気配り

子ども食堂「ぐるりと。」は、社会福祉学科に所属する学生たちが、「学びのなかで見えてきた社会課題に向き合い、実践に活かしたい」との思いで意気投合し、地域で孤立してしまう家庭や子どもが安心してつながれる居場所をつくろうと、2023年11月頃から構想を練り、準備を始めました。 現在のコアメンバーは7人。単発ボランティアの学生たちが、やりがいや楽しさを感じるうちに運営メンバーに加わるなど、共感しながら少しずつ活動の輪を広げてきたことも、この子ども食堂の大きな特徴です。食物栄養学科、心理学科の学生も加わったことでより一層、学科の特性や専門分野を活かした取り組みを行えるようになりました

基本的に、毎月第4木曜日の午後5時から開催し、子どもたちに人気のメニューを取り入れたお弁当や食堂のオリジナルメニューを、中学生まで無料(大人は300円)で提供しています。みなとじま駅からキャンパスまでは学生が送迎し、無事に送迎が完了したら保護者にLINE送信するなど、神女生ならではの細やかな気配りも見られます。

実際に提供しているお弁当。子どもたちが大好きなゼリーは必須もの!

大学の食堂で提供されたオリジナルメニュー。  おいしくてあっという間になくなっちゃう人気ぶり

お弁当を食べた後は、絵本の読み聞かせやハンカチ落しなど、大学生と一緒に楽しく活動。子どもたちが遊んでいる間は、ママ達のお喋りも弾むそう。今では毎回50人ほどが集まるようになっており、地域にとってなくてはならない場所になりつつあります。

見守る想いが、子どもたちの安心できる遊び場を支えています。
子どもたちに大人気のおにごっこ。

社会の期待に応えるなかで、磨かれた実践力とチーム力

とは言っても、事業運営などしたことのない大学生が、ゼロから立ち上げた訳ですから、運営が安定するまでには、いくつもの悩みや壁がありました。

たとえば、子ども食堂の運営に欠かせない財源。「どこから資金を得るのか」「どの団体に、どうやったら申請できるのか」。申請先の選定から書類作成まで初めてのことばかり。自分たちで動かなければ、支援に必要な社会資源は得られません。さらに、お弁当屋さんへの発注や予約受付方法、アレルギーの確認や会場の確保など、運営には細かな調整が山ほどありました。

やることは決まっても、「誰がやるのか」を決めるのも、一筋縄ではいきません。「メンバーそれぞれに得意、不得意があり、慎重に役割を決めていく必要がありました」と現代表は振り返ります。

活動を続けるうちに、少しずつ意見を言い合える関係が育ち、代表はタスクを共有したり、ミーティングの司会を交代制にしたり、メンバーみんなが主体的に関わる仕組みづくりに取り組んできました。ほかのメンバーも、「代表にばかり負担がかかっている」ことを懸念し、自分ができることを増やそうと努力を継続。今では、それぞれが補助金をいただいている支援団体ごとに口座を管理し、申請書類を作成するなど、「できる人がやる」から「全員で回す」スタイルへ変わってきたそう。困ったときは顧問の川端麗子先生に相談しながら、一つずつ課題を解決することで、メンバーは成長を積み重ねてきました。

恥ずかしがり屋なメンバーが、少しずつ積極的に

「ぐるりと。」には、優しくて温かい、でもちょっと恥ずかしがり屋な学生がたくさんいます。活動を通じて、そんなメンバーが少しずつ積極性や主体性を身につけてきたことも、特筆すべきところ。

※左から「ぐるりと。」を支えるコアメンバーのIさん、Dさん、Tさん

Iさんは「子どもとの接し方が難しい」と悩みながらも、叱るべきときの声のかけ方や、一人でいる子どもへの寄り添い方など、苦手な部分に向き合い続けてきました。「失敗もありますが、子どもたちに名前を覚えてもらって、もっと親しくなりたい」という思いが、彼女の成長を後押ししています。

クリスマス会で子どもと一緒にスノードームを作成するIさん
子どもたちのイラストと折り紙で、教室はクリスマス一色になりました。

2025年12月20日(土)に開催したクリスマス会ではクリスマス飾りの作成や外部ボランティアスタッフによる演奏会、BINGO大会など楽しいイベントが盛りだくさん!楽しい会話とおいしいお弁当で、子どもたちも大喜び。大勢で過ごすクリスマス会はみんなにとって、素敵な思い出になりました。

BE KOBEミライセッション学生部門特別賞

「ぐるりと。」の活動の中で、学生たちが最もやりがいを感じる瞬間は、やはり子どもたちの喜びの声。「習い事前の1時間だけでも、ここに寄るのを楽しみにしているよ」という子や、「みんなで同じご飯を食べるのがうれしい」と笑顔を見せてくれる子がいます。保護者からも、「家ではスマホばかりになるので、大学生との交流は子どもにとって貴重で、楽しい時間になっています」などの声が寄せられています。

単発ボランティア経験のあった食物栄養学科の学生は、食堂とのコラボ企画でメニュー考案に携わり、心理学科の1年生2人は、待望の新メンバーとなりました。クリスマス会をはじめ、茶道部学生によるお茶会、神戸市の社会福祉協議会に所属する団体とコラボした演奏会やマジックショーなど、多彩な活動を展開しながら、「ぐるりと。」は地域の温かい居場所を築いてきたのです。

交換留学生に英語で活動紹介をしたDさんは、BE KOBEミライセッション2025でもプレゼンを披露。「人前で話すのは不安でしたが、大きな自信につながりました」と語ります。仲間を募るために、新入生歓迎会やオープンキャンパスで単独プレゼンに挑戦したメンバーもいます。

BE KOBEミライセッション2025で活動内容を発表するDさん

代表も「昔の自分とは正反対と言えるほど成長しました」と語り、ほかのメンバーたちも、「もっとみんなの力になりたいという意識が芽生え、自身の成長を感じています」と教えてくれました。

このような実績が認められ、2025年12月に開催された「BE KOBEミライセッション2025」で「ぐるりと。」は、学生部門特別賞を受賞しました。社会人団体が多く受賞するなかで、今回新設された学生部門の初受賞‼この受賞は、「ぐるりと。」の取り組みが客観的に評価されたことを実感できる大きな励みになったとメンバーは口をそろえます。

BE KOBEミライセッション2025で表彰を受ける学生メンバー

本当に求めている子どもたちへ届けたい

「ぐるりと。」は、地域にとって欠かせない存在になりつつあるからこそ、継続していくことが大きな使命だと感じています。地元の小学校・港島学園には、外国ルーツを持つ子どもも多く、メンバーたちは彼らへのアプローチにも意欲を見せています。

また、地域の高齢者から「自分たちも子ども食堂をやってみたい」という声があり、立ち上げのサポートを行ったことも。実現はしなかったものの、「世代を超えた協力体制やつながりが生まれれば、地域の力が広がるのでは」と、タッグを組める可能性を探っています。

子どもたちにとって、家庭や学校に次ぐ“第3の居場所”であり続けたいという「ぐるりと。」。

最後にTさんは、「本当に子ども食堂を求めている子どもたちにこそ、この活動を届けたい」と語り、代表もまた、「さまざまな学科の学生や先生方にも知ってもらい、仲間を増やしながら、安心できる居場所を守り続けたい」と思いを重ねました。

子どもたちと楽しく食事をするTさん。活動を通じて今では互いに親しみを込めたあだなで呼び合うほど仲良くなりました。

最後にTさんは、「本当に子ども食堂を求めている子どもたちにこそ、この活動を届けたい」と語り、代表もまた、「さまざまな学科の学生や先生方にも知ってもらい、仲間を増やしながら、安心できる居場所を守り続けたい」と思いを重ねました。

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