保護者の方にもおすすめ
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2023.6.14
幅広い分野で専門的な学問を保有する神戸女子大学。2024年から学生が所属する学部・学科、そしてキャンパスを超えて自由に履修することができる授業『テーマ型ユニット』が始まります。今の時代に求められる新しい学習形態、そして女子大学としての役割について、教務部部長の砂本文彦先生(家政学科教授・写真右)、教務部次長であり『テーマ型ユニット』の推進役の曽田里美先生(社会福祉学科准教授・写真左)にお話を伺いました。
※『テーマ型ユニット』は神戸女子短期大学の学生も履修できます。(3・4年次配当科目を除く)
Question1.
『テーマ型ユニット』を発案した動機を教えてください。
砂本「本学の授業の特徴に、担当教員による柔軟な授業展開や、アクティブラーニングなどの手法で内容の充実化を図り、学生の興味関心と学びの主体性を高める授業形態があります。2024年から始まる『テーマ型ユニット』は、所属するキャンパス・学科・学年を問わず、学生自身が興味関心の赴くまま学習機会を得られる制度です。学生にとって、より自分自身の興味や潜在的な可能性の発見につなげられる学習形態であると思います。
『テーマ型ユニット』
神戸女子大学が誇る11の学科が擁する専門性の高い教員陣の授業のうち、全学に開かれたオープン科目(学科や学年を問わず、履修可能な授業)をテーマごとに「ユニット」としてまとめたもの。履修登録の際には、そのユニットの授業を履修することでどのような能力を身に付けることができるかを明示し、多様な学生に履修後の自分がイメージしやすいようにします。
曽田「学習の選択肢が増えることは、知的好奇心が広がるきっかけになります。もちろんアイデンティティの基礎となる、自身が所属する学科の専門科目をしっかり勉強するのも大事。しかし専門知識や技術・技能を、より適切に認識し、判断する力を身につけるためには他者や他学科など自分とは異なる領域との関わりが必要です。」
砂本「これまで他学科の授業を選択するのは授業間の空き時間を埋めるためや、卒業単位を取得するため…という意見が多くを占めていることもあったと思いますが、これからは学習のモチベーションを高めるきっかけになってほしいと思います。他学科の授業を履修するのは勇気が要るかと思いますが、総合大学である神戸女子大学には、新しい自分になれるチャンスが溢れているんです。」
Question2.
『テーマ型ユニット』はどのような内容になるのでしょうか。
砂本「『テーマ型ユニット』は、学生自身が学び方をカスタマイズできることがポイント。他大学にあるようなメジャー(主専攻)に対するマイナー(副専攻)ではなく、学生自身の知的関心に沿ったユニットを自由に選択することで、神戸女子大学だからこそできる、自分らしい学びのデザインが可能です。」
曽田「これまではキャンパスの立地的な条件や学習の必要性の点などから他学科の授業を選択しづらい現状がありました。しかし、現代社会は非常に複雑で高度化しており、最近ではAIの生成技術なども注目されています。そのため、これからは専門知識以外に、自身の関心に合わせた幅広い知識や経験を通じて、多角的にものごとを見通す力が必要になるでしょう。神戸女子大学には11学科の専門領域がありますので、これらを『テーマ型ユニット』として、学生に提供していくことで、学習のきっかけや個々の学生が四年間の学びの中心となる目標を見つけられるようにしています。」
「歴史学」の講義では、ヨーロッパの古代・中世史とアジアの近世・近代史のトピックから、現在へのつながりを探ります。また「民俗学」の講義では、日常生活の中から問いを見出し、それを明るく生きがいのあるものにするためにはどうすればよいかを、日本の歴史や文化に即して考える。
私たちの未来を考える際、未来における生活の質(QOL)は重要である。しかし、現在も感染症などの問題や気候変動など環境など様々な問題に直面している。地球規模からコミュニティレベルで起こっていることについて理解を深めると共にその解決方法についても授業を通して考える。
超高齢社会になり、多くの人が身近な人の介護を考える時代が来ています。高齢者や認知症のある人について理解し、基本的な介護を大学で学ぶ機会を提供する。
人が生きていく上で必要な要素である運動、栄養、健康について、障害者からの視点、国際的な視点など様々な観点から考察し、最終的には人の行動を科学できる視野を養える科目を提供する。
誰もが医療を受ける機会があり、患者になる可能性がある。賢い患者になるための、医療と法や生命倫理の基礎を学び、治療選択に重要な疫学の知識を身につけることを目指す。
本学は教職免許を取る学生も多いことから、児童・生徒に起こりやすい健康問題や、在留外国人の健康問題など、教育に関連した健康について学ぶ。
Question3.
今後、この『テーマ型ユニット』を履修していく学生に期待することはなんでしょうか。
砂本「学生にとっては、他学科の学生と一緒に体験する授業は、場合によっては自身の知識不足に気づき、頑張ろうというモチベーションにもなります。このように異なる学科に所属する学生との共同学習は、新たな発見やチーム力の向上につながりますし、教員としては他学科の学生が混ざることで、新鮮さが生まれ講義にも新たな工夫が為されます。したがって、『テーマ型ユニット』は学生にも教員にもメリットがあり、絶対的なプラスの効果があると信じています。」
曽田「現在の女子大生にとって重要なことのひとつが他者との繋がり。入学前にはすでにSNSを通してグループが形成されており、大学生活スタートの不安を和らげる一方で、友人関係の亀裂が発生したときの心理的ダメージは強烈です。自由な学びの中で自己を探求することが、彼女らの救いとなる可能性があります。私たち教員には、自由に学習できる環境を整えることで、学生たちに学びのきっかけを提供することが求められています。学生にはそのきっかけを掴み、専門分野にとらわれず、適切な判断力や大局的な視点を身につけることを期待しています。」
砂本「将来的に結婚や出産などを迎える可能性がある女性にとって、ライフステージの多様性や自立した力、創造性を身につけることは重要だと考えています。『テーマ型ユニット』を通じてそのきっかけをつかんでほしいですね。」
保護者や高校生にメッセージをお願いします。
砂本「総合大学である神戸女子大学は、さまざまな学科が存在し、大規模なスケールメリットを有することが魅力のひとつです。学生たちはさまざまな学びの余白や専門外の領域を知ることで、他の学生や教員、社会と交流することの有用性を理解し、自身の成長や協働の楽しみを見出すきっかけになるでしょう。私たちは常に学生の成長を見守り、彼女たちが自分自身の可能性に気付き、追究していける環境を提供していきます。」
学生、教員、地域社会との交流で「学ぶ楽しさ」を追究できる環境を提供し続ける神戸女子大学。今後の展開にもご期待ください。
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