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神戸女子大学のWebマガジン「シンジョマグ」

ハンドメイドのマスクを売ってみたら、思いがけない「!」がすごかった!

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2022.4.3

ハンドメイドのマスクを売ってみたら、思いがけない「!」がすごかった!

今回はクリエイティブな活動を行う家政学部 家政学科の N さんを紹介します。

市販のものと違い、他にはない個性的なデザインや、こだわりのある商品が見つかるハンド メイド。最近はさまざまなアプリが登場し、WEB 上で販売する人も増えているようです。

今回のシンジョガールもその一人。家政学科被服デザイン科学コースで学び、「halnatsu」と いうハンドメイドブランドでバッグとマスクを販売しています。商品を作るには、ターゲッ トを絞り、他の商品との差別化を図って……と考えることがたくさんありますが、その分、 売れた時の喜びが大きく、大学の授業で学んだこともしっかり役立っているよう。販売を通 して得た学びや経験について、また気になる商品の作り方やアピール方法についてもじっ くり伺いました。

「halnatsu」ならでのは魅力が必要

――こんにちは! ハンドメイドって温かみがあって、既製品にはない魅力がありますよね。 私も大好きです! 「halnatsu」ではどんなものを販売されているんですか?

今は主にマスクを販売しています。生地の素材、模様、色などを変え、全部で 8~10 種類く らいかな。もう売り切れてしまったけど、前はバッグも売っていたんですよ。うちは、もともと母がよくミシンで縫物をしていて、私もエコバッグのような生活雑貨なら、 以前から自分でほしいものを手作りしていました。
アルバイトもずっとハンドメイド雑貨 のお店で働いていたので、いろんな作家さんと出会う機会があって。お話を聞いているうち に、「私も一度、人にお金を払って買ってもらうものを作ってみたい」と思うようになった んです。

――minne などの販売アプリを見ると、可愛いハンドメイド雑貨がたくさん販売されていま すよね。

私も今回 minne で販売したんですが、よく見ると出品者のなかにはショッピングセンター で販売されるプロの作家さんもいて、「あ、この人たちと競っても技術面で負けてしまうな」 と思ったんです。だから、もっと「halnatsu」ならでのは魅力はないか? と考えるようにな りました。

――差別化ってやつですね?

はい。それで、高校生くらいの若い世代にターゲットを絞り、手軽な価格設定にしたんです。 例えばマスクだと、minne では 2,000 円くらいのものが多く、高いものだと 3,000 円くらい するのですが、私はコストを抑え、送料込みで 850~900 円にしました。バックも 1,800 円 くらい。前から欲しっかったものが、「この価格なら買える!」と感じてもらえれば、購入 につながると思いました。

――他にも工夫したことってあるんですか?

やっぱりデザイン面ですね。
正面部分の生地を光沢のあるサテンにしたり、花が刺繍された ものにしたり、いろんな生地を選びました。あと、アプリ内をよく見ていると、ハンドメイ ドのマスクって、三角形の布を 2 枚縫い合わせて作る立体タイプが多く、不織布マスクの ように一枚の布をプリーツ状にしたものって少ないんです。私自身はプリーツ状のが好き なので、「数は少なくても私と同じ人はいるはず!」と、あえてニッチなプリーツ状を作っ て販売しました。

他にも、耳にかける紐の部分をカラフルなリボンにしたものも。女性の中には、「コロナ禍 になって以降、マスクを着用すると、ゴムの部分がピアスやイヤリングにひっかかってしま うから付けなくなった」って人が結構いるんですよ。でも、耳の部分を長めのリボンにする と、ピアスやイヤリングをつけなくても華やかな印象になるので提案しています。周りの友 達の意見も参考にしながら、いろんなデザインを考案しました。

初めて商品が売れた時の感動。「売れることもあるんや!」

――なるほど! 結構しっかり作戦が練られているんですね。

3 回生の時に、ファッションビジネス論といって、数人のグループで仮想ブランドを立ち上 げる授業があったんです。ブランドコンセプトを決めて、どんな商品を提供するか、コスト 面はどうするか全部自分たちで考えて、分担しながら作業を進めました。その経験が今回、 結構良い参考になっています。

――授業で学んだことをさっそく実生活に役立てていてすごい! でも、minne で販売するだ けではなかなかお客さんの目に留まりにくいと思うんですが……。どのように知ってもらっ たんですか?

商品をいろんな人に知ってもらいたかったので、「minne」だけでなく Instagram でも情報 発信しました。あと、検索でも見つけてもらえるようハッシュタグをたくさんつけました。#ピンクベージ ュと商品の特徴を書いたり、商品を着用したコーディネート画像を載せて、#花柄コーデと 記載したり。雑貨店でアルバイトしていた時、新しい作家さんを探す仕事があって、その時 もよくハッシュタグを使って検索していたから、きっとみんなも同じことをするだろうな と思ったんです。

――あ、それ分かる! ショップやカフェを探す時も SNS のハッシュタグで検索することが 多いですもんね。

そうそう。あと写真を撮影するのも工夫があって、商品を窓際に置いて自然光の中で撮ると 商品がきれいに仕上がるんですよ。周囲に花を飾ったらハンドメイドの優しい雰囲気が出 るし、コーディネート画像を撮影するときも、屋外で撮ることが多かったです。

――商品作りだけでなく、SNS の投稿にも「売れるためのヒント」がたくさん詰まっていま すね。実は私も販売アプリを使っているんですが、全然売れなくて……。今のお話、さっそく マネさせてもらいます!
実際に商品が売れたら、相当嬉しいものでしょう?

はい、実際に売れた時は本当にビックリしました。「売れることもあるんや!」って。もと もと手頃な価格設定にしているのでたいした利益ではないんですが、それでもお金を払っ て買ってもらえたことが嬉しくて。「売れるということは需要があるんだ!」ってますます やる気が湧き、いろんなバージョンのマスクを作るようになりました。

――「売れることもあるんや!」って(笑)かなり驚かれたんですね。それ以降も販売されて いると思いますが、お客さんはどんな方が多いんですか?

最初は高校生くらいをターゲットにしていたんですが、購入後のメッセージのやり取りを 見ていると、落ち着いた雰囲気なので 20 代以上の大人の女性が多いと思います。

販売を通して得た、一番大切なもの
――メッセージって、購入後の簡単なやりとりがあるんですか?

そうなんです、購入ボタンを押すだけで商品を購入できるのに、わざわざ「すごくかわいい 商品なので到着を楽しみにしています」とか、マスクが届いた後も「次のお出かけの時に付 けていくのが楽しみです!」ってメッセージをくださるんです。
コロナ禍で人と会う機会が 減っている時だったから、余計に嬉しくって。 だから私も、「せっかく出会った人だから、一人ひとりとのつながりを大切にしたい」と思 い、商品の発送時にはカードに一言お礼を書いて同封することにしているんです。自分が他 の人から購入した時も、メッセージカードが一緒に届いて温かい気持ちになったことがあ るから。

――ネット上で、顔の見えない関係ではありますが、心の繋がりを感じることができると嬉 しいですね。実際に作ってみて、やっぱり趣味で作るのとは違いますか?

はい、意識が違います。自分がほしいもの、じゃなくて、ユーザーがどういうものを求めて いるかってことを常に考えています。

――「halnatsu」というブランドを通して、どんどん成長されていますね。今後はどんなこと を考えているんですか?

今、思っているのは存在感のあるヘアバンドです。この間、自分用にハンドメイドのヘアバ ンドを探していたんですが、4,000 円と結構高くて。コストを抑えたいから自分で作ってみ ようと思っていて、それをベースにデザインを変え、販売用にバリエーションを増やせたら いいですね。

あとは、巾着型のバッグ。最近、ショップのノベルティーのような小型の巾着を持っている 人をよく見かけるから、結構欲しい人もいると思うんです。巾着なら、サイズを変えていろ いろ展開しやすいし。 だけど、「たくさん売りたい」とか「これを本業にしたい」というわけではなくて、お客さ んとのやりとりを大切にしていくことが一番かな。そのためにはやっぱり「欲しい!」と感 じてもらえる商品がないといけないので、少しずつ種類を増やし、みんなに興味を持っても らえるブランドにしていきたいなと思っています。

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