特集
599
2023.1.6
小学校の先生だった母の背中を追って、春から小学校の先生になるTさん。経験豊富な教育学科の先生たちの指導や実習に加え、アルバイトや部活動などシンジョで過ごした日々は、すべて教員の糧になったと実感しています。印象的な学びや活用したサポートについて聞きました。
――そもそも小学校教員を目指そうと思ったきっかけは?
母が小学校の教員だったので、先生の仕事は私にとって身近なものでした。家族として間近に見ていて「大変そうだなぁ」と思うこともありましたが、子どもたちが一番成長する大事な時期を見つめられるのは、とてもやりがいのある仕事だとも感じていました。児童一人ひとりの目標や夢に向かって一緒に頑張っていける楽しみは、教員しか味わえない醍醐味だと思い、小学校の教員を目指すようになりました。
――教員を目指す上で、シンジョの教育学科を選んだのはどうしてですか?
大学選びの第一条件は、小学校の教員免許を取得できることでした。シンジョは教員採用試験の合格率が高いと知り、志望しました。実際に大学生活を送ってみると、学科での学びや「教職支援センター」のサポートなど、さまざまな場面で合格率の高さを裏付ける工夫が施されていて、シンジョで学ぶことができて良かったと思っています。
――シンジョで学べて良かったと思う点を具体的に教えてください。
1回生から模擬授業を経験できる機会が多く、子どもたちの主体性を育む授業づくりを意識しながら取り組むことができました。友人の授業を見る機会も多く、勉強になりました。ほとんどの先生が実際に初等教育の現場経験をもつ方なので、具体的な事例を交えながら実践的に学ぶことができる点もとても良かったです。「教職支援センター」の試験対策講座も充実していました。学生一人ひとりに合わせた合格へのカリキュラムが組まれているので、効率的な勉強ができますよ。学内説明会では、モチベーションを高めてくれるお話をしていただくこともありました。学科の友人たちも本気で先生を目指している子ばかりなので、一緒に勉強したり、お互いの勉強時間をSNSで共有して刺激し合ったり。モチベーションを保ったまま試験にのぞむことができました。
――教員採用試験の勉強を本格的に始めたのはいつ頃でしたか?
3回生の12月頃から少しずつ始めていましたが、本格的にスタートしたのは年が明けた2月頃からです。教員採用試験を受ける学生のほとんどが使っている「セサミノート」という問題集で、ひたすら過去問を解くようにしました。過去10年分を3~4周はしたと思います。何度も解くので直接書き込まず、別の紙に回答を書くようにしていました。間違えた箇所は解けるまで何度も繰り返して自分の頭に叩き込みました。
――教職支援センターはどのように利用していましたか?
4回生の試験の時期には大変お世話になりました。とくに2次試験の面接対策では何度も通って練習を重ねました。毎回本番さながらの対応で細かく改善点を指摘いただけるのが、とてもありがたかったです。
――4回生の教育実習ではどのような経験をされましたか?
私は小学6年生のクラスを担当しました。ちょうど思春期に差し掛かる年齢なので、最初は照れていたのか緊張していたのか、あまり話しかけてもらえませんでした。そこで、休み時間や給食の時間に積極的に自分から話しかけたり一緒に体を動かして遊んだりして、できる限りリラックスした時間を共有するように意識しました。すると、子どもたちが徐々に心を開いてくれて、いろいろな話をしてくれるようになりました。自分なりに工夫して子どもたちとの関係性を良い方向へもっていけたので嬉しかったですし、自信にもつながりました。
保育園・幼稚園から高校まで、教育のスペシャリストを育むシンジョ
人や社会の変化に柔軟に対応できる力を育むシンジョの教育学科。教員採用試験合格率の高さの秘訣は子どもたちと接する機会がたくさんあること。経験豊富な先生からの指導と現場での経験を交えながら、これからの教育の現場で求められる素養をしっかり積み上げ、憧れの先生への道を切り開きます!
――教職のほかにも在学中にチャレンジした資格があるとか。
はい。幼稚園教諭免許と小学校英語指導者資格にチャレンジしました。幼稚園から小学校に上がると、子どもたちをとりまく環境はガラリと変わり、自分のことはすべて自分自身でしないといけません。幼稚園との環境の違いにショックを受け、心理的ストレスを感じてしまう「小1ギャップ」という問題があるんです。そこで、小学校に入学した子どもたちがどのような困難を感じているのか察知できるようになりたいと思い、幼稚園教諭免許にチャレンジしました。園児について学んだことは、今後の幼小連携や幼小接続の面でも役立つと思っています。
――「小学校英語指導者資格」とはどういった資格ですか?
NPO法人小学校英語指導者認定協議会が認定している資格で、アルクやイーオン、ECCといった教育系の事業者や大学などが講座を実施し、資格取得をサポートしています。2020年から始まった小学校での完全英語必修化により英語の指導能力が求められると思い取得しました。私自身、英語は苦手だったのですが、大学入学後に通った英会話教室が楽しくて英語が好きになりました。子どもたちにも、最初に触れる英語に苦手意識をもたず、楽しいことを知ってもらいたいです。小学生のうちに「英語は楽しい」「やればできる」と思ってもらえるように、歌や映画、音楽などを使った授業で英語に親しんでもらいたいです。
――小学校教諭だけでも授業や実習などが大変だと思いますが、そのほかに2つも資格を取られたのですね。課外活動やアルバイトの時間はありましたか?
アルバイトをして、スキー部にも所属していました。部活では主将を務めているので他大学と交流する機会もあり、忙しいなかでも充実した活動を送ることができました。私はアルバイトも部活も、学生のうちからいろいろな社会経験を積める場だと思っていたので、普段からマナーや人との関わり方を身につけられるよう意識していました。一見、教員とは関係ない活動に見えても、ここで得た経験が教員としての立ち振る舞いにつながっていると思います。
――在学中、ご自身ではどのように成長したと思われますか?
もともとどちらかというと消極的な性格で、本当は人前に立つこともあまり好きではありませんでした。教育実習や部活、アルバイトなどで多くを経験し、何かにチャレンジする勇気や行動力が身についたと思います。失敗もありますが、それは次につながる大切な経験だと前向きに捉えられるようになりました。
――将来はどのような先生になりたいですか?
グローバル教育に力を入れたいです。英語は低学年から学習することになりますし、これからの社会を考えると言葉だけでなく、歌や絵本、映画などを通じて文化の違いやおもしろさを知ってほしいです。私自身、さまざまな人の外国での体験談を聞く機会があり、視野が広がったと感じています。その経験や小学校英語指導者の資格を活かして、多様な文化や価値観を知る楽しさを伝え、他者を思いやり、尊重し合える姿勢を育んでいきたいです。
2022年11月取材 ※取材時4回生
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