特集
217
2024.10.16
2024年夏、心理学部で経営・消費者心理を中心に学ぶ学生有志が、山陽須磨駅前のシェアキッチン「SUMANOBA」に出店!お店の名前は「1st penguin」(ファーストペンギン)!
(7~9月の期間限定出店。現在は営業終了)
今回、最終営業日にスタッフとしてお店を運営していた心理学科3回生のIさんとFさんの2人に、メニュー開発や集客など…実際に出店してみたことでどんな経験ができたのか聞いてみました!
「ファーストペンギン(以下、愛称であるファッペン)は同じゼミのメンバーで立ち上げた企画なので、企画運営や商品開発に興味のある学生が集まっています。出店が決まってから、まずはお店の方向性を定めるためにマーケティングの授業を参考にしてターゲット層を設定しました。みんなで現地を視察し、アイデアを出し合って『小さい子どもがいる主婦層』にターゲット層を決めたのですが…営業してみると実際の客層は少し違っていました。」とIさん。
「色んなことが想定通りにはいかなかったですね。」とFさんもうなずきます。
「集客も思っていた以上に難しかったので、『大学生が営むカフェ』というのぼりを立てたり、お店の前でチラシを配ったりすることで少しずつ周辺の方々に認知されるようになり、お客様が増えていきました。」
他にも、メンバーは大学生である自分たちが得意なSNSを駆使。InstagramなどのSNSでファッペンのアカウントを開設してお店を宣伝し、アカウントをフォローしてくれたら50円引きなどの特典も用意しました。
また、たくさんのフォロワーを持ち、SNS上で影響力のあるインフルエンサーにも声をかけて来店レビューを依頼。10万人以上のフォロワーをもつインスタグラマーが紹介してくれたときは予約がたくさん入り、県外からお越しのお客様がいらっしゃったりと、インターネット・SNSの力を感じたそうです。
ただ、お店を運営してみたからこそ肌で感じたこともあったそうで、Iさんはこう語ります。
「SNSをきっかけに来店してくださった方も多いのですが、一度ご来店された方からのクチコミでご新規の方の来店に繋がったことや、オープンが決まった時にご挨拶に回った近隣の方々もたくさんお越しいただいたことで、地域の皆さんに受け入れてもらえているんだと実感できました。
他にも、営業時間終了後に近隣のお店の方にアイスコーヒーを差し入れとして振舞ったことがきっかけで後日来店につながったこともあり、人と直接会って、自分たちで営業活動をすることの大切さを感じることができました。」
そんなファッペンで販売している商品は3種のクリームソーダフロート、レモネード、コーヒーやカフェラテのドリンクメニューを中心に、かき氷と看板商品でもあるリボンパンなど。今回取材班がオーダーしたのはレモネード、メロンソーダフロート、ピーチ味のかき氷とリボンパン!見た目も味も最高でした。
クリームソーダフロートやかき氷にはナタデココが入っています。こちらは神戸市に本社を置く「フジッコ株式会社」から提供いただいた日本唯一の国産ナタデココなんです!見た目、味に加え食感のアクセントも◎
リボンパンはドリンクでセットで購入すると更に写真映えするアイデア商品。こちらは神戸の有名老舗ベーカリー「イスズベーカリー」と共同で開発!もちろん単体でもかわいくておいしかったです。
こんなにかわいいメニューを自分たちで開発できた経験は楽しかっただろうと思っていると、Fさんがメニュー開発で印象深かったことを話してくれました。
「最初はバズる商品を作るとか、かわいいメニューを作ろう!という気持ちでメニューを考案したり試作に臨みましたが、ゼミの吉川先生のご紹介でスイーツのヒットメーカーの方にアドバイスをいただいたんです。
その内容は『店舗を営業し続ける、つまり経営していくためには、利益を出すための原価計算(注1)が不可欠』であるということ。
(注1)商品を完成させるために必要な材料の分量や金額を算出すること。今回は主にシロップや炭酸水の分量など。
そして、『利益を出せるように算出した原価分の分量を守るため、オーダーが通ったら目分量でドリンクを作るのではなく、当たり前のことだけど計量しながら作らないといけない。』とアドバイスをいただきました。」
「もちろんそれまでも真面目に取り組んでいましたが、おいしさやかわいさ以外に『利益』を出すために大事にしなければならないことがあると学びました。メンバーみんなで味見と計量を繰り返しながらメニュー開発をしたことは大変でしたがとても楽しかった思い出です。」
Iさんも、「授業でも原価や利益について考えることはよくありますが、実際に自分がお店に立ってみると思っていた通りにはいかないこともありました。例えば…しっかり計量して商品を提供しなければならないけど、目の前にはとても急いでいる様子のお客様が待っている時や、利益を出すために必要な一日の売り上げ目標に届かなかった日もあったり。
でも、想定外のことをたくさん経験したことで、この先に起こりそうなことを予想して『ここまで準備しておこう』と考えたり、その場で対応できる力を養うことができたと思います。」と前向きに話してくれました。
最後に、今回のファッペンでの経験を振り返って自分自身がどんな力が身についたと思うか聞いてみました。
Iさんは「行動力」とのこと。
「やってみたい!おもしろそう!という思いで、いい意味で深く考えすぎずに始動したファッペンでしたが、みんなで力を合わせることでなんとかやり遂げることができました。
実際にお店を出店するというだけでも大きなことだと思っていたのですが、たくさんの人との出会いもあってグラングリーン大阪に出店するチャンス(のちに9月28日限定で出店)も頂けました。
行動してみたことで、私たちだけしか経験できないことができて、その次の展開や新しい人脈が広がっていく体験ができました。
『やればできる』を体感したことで、プライベートでも興味をもったところにすぐ足を運んだり、積極的に行動するようになったと感じています。」
そしてFさんは「問題解決力」。
「この2か月の営業期間中は何度も壁にぶつかりましたが、悩んだときは一人で抱え込むのではなく声に出してみんなに伝えることが大切だと実感しました。
そうすることで問題に対してみんなの目線を合わせ、一致団結して問題解決に向けて動くことができました。ひとつひとつ問題を解決していったことで、目に見えてスムーズに営業できるようになっていきました。」
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