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健康スポーツ栄養学科の記事一覧

Sports

高校球児の身体作りをサポートする取り組みを徹底取材!

キャンパス

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2024.2.14

高校球児の身体作りをサポートする取り組みを徹底取材!

この日、須磨翔風高校野球部の皆さんが神戸女子大学のポートアイランドキャンパスに来校。野球部の皆さんの体組成やボディバランスなどの測定と、食事内容調査を実施することで食生活やトレーニング方法についてアドバイスを行う取り組みが行われました。 担当するのは、これまで数多くのプロアスリートを栄養学の観点からサポートしてきた坂元先生(健康スポーツ栄養学科)のゼミに所属する学生たち。全力でスポーツに向き合う野球部の皆さんと接する学生たちの様子を取材しました。 実施するのは一流選手も活用する“アスク測定” 今回実施したのは、 “アスク測定”と呼ばれる測定法。この方法では、選手一人ひとりの身体能力と健康状態を総合的に測定し、トレーニングプログラムや食事内容の最適化を図ることができます。 測定は3箇所に分かれて実施! 体組成の測定 体組成の測定は体組成計を用いて行います。体組成とは、筋肉や脂肪、骨など私たちの体を構成する組織のこと。体重だけではなく、身体の部位ごとの体脂肪率や筋肉率などの体組成をチェックして体のバランスを知ることができます。 測定中… 左右の手足と、胴を含めた体幹部それぞれの体脂肪率や筋肉量が細かく判明 ボディバランスの測定 ボディバランスの測定は、地面に対して垂直と並行に引かれたマス目の前で行います。体の軸がぶれることなく、指定されたポーズをとることができるのか測定し、その結果からその人に合わせた体幹トレーニングのメニューを提案します。 学生自ら測定時のポーズを指導。 さすが高校球児! 鍛えられた体幹を披露 カメラを通して手元のパソコンで測定、記録していきます ヘモグロビン量と骨密度の測定 骨折をはじめとした怪我や運動機能に直結する、骨密度とヘモグロビン量も測定。この結果は鉄分やカルシウムを対象とした栄養指導に役立てられます。 ヘモグロビン量測定器を使用し、40秒ほどで測定 野球部の皆さんは、お互いの数値に興味津々! 骨密度の測定では、「骨折リスクは高い方ですか?」と質問も 脂肪、筋肉、骨、水分など、身体を構成する成分を細かく測ることで、トレーニング内容だけでなく、日常の食生活に関する指導もできるアスク測定。 高校球児からの質問に笑顔で対応 野球部のコーチからは「部員は運動後に補食としておにぎりを摂るなど、『丈夫な体、大きな身体を作ろう』という意識を持っています。しかし、食事について専門的な知識を得る機会や、このような機器で自分たちの身体のことを数値で把握できる機会はありませんので、貴重な一日になっています。」という声をいただきました。 測定後はスポーツ栄養講習会。試合で実力を発揮するための食事について学ぶ! 測定後は、健康スポーツ栄養学科の坂元先生が高校生のみなさんに特別栄養講習を実施。試合当日、試合前日、それまでの日に分けて、それぞれのタイミングでどのような栄養を摂取することが望ましいのか、などの講義が行われました。その内容を少しだけ紹介します。 試合当日は、運動能力が発揮される交感神経を働かせる必要があるため、食べ物の消化時に働く副交感神経を落ち着かせるように4時間前には基本的な食事を済ませておくようにします。 食事の摂り方を誤れば、交感神経が働かず運動パフォーマンスに影響が及んでしまいます そして、忘れてはいけないのが運動後のリカバリー食。ここでは運動前に摂取できなかった栄養素を持つ肉や魚、野菜などを、胃への負担が少ない料理で摂取できると理想的。 野球部の皆さんは「今日の話を何とか自分のものにしよう」と、夢中になって講義に耳を傾けている姿が印象的でした。 坂元先生の講義は学生にとっても有意義な時間 参加学生と先生の想い。スポーツに携わる人の成長を願って。 測定終了後、体組成測定を担当していた健康スポーツ栄養学科4回生のHさんと、ボディバランスの計測を担当していた同学科3回生のOさんにお話を伺いました。 ――ゼミでは普段どのようなことをされているのですか? Oさん「最近は3回生を中心に今日測定する参加者の名簿の作成など、今回の事前準備をしていました。多い日は100人近い選手を計測することがあるので、当日の計測をスムーズにするためにも事前準備は重要です。」Hさん「あとは栄養調査で取得したデータの取りまとめをしていることが多いです。今回のデータをまとめていき、1か月後には今後の食事計画やおすすめのトレーニングメニューを一人ひとりに提案する予定です。」 左から健康スポーツ栄養学科3回生Oさんと、同学科4回生Hさん もちろん、測定中の空き時間にもデータの取り纏めを行います。 ――アドバイスは皆さんが考えられるのですか? Hさん「はい。栄養学を専門に学んできたので、その知識を活かして実践しやすいアドバイスを心がけています。」Oさん「この後3日間、何をどのくらい食べているのかを細かく調べる、食事調査を行います。様々な視点からたくさんのフィードバックをしていきたいです。」 インタビューの受け答えから、これまでにも多くのスポーツ現場での測定を経験している学生だからこそ、何をするべきか明確に理解していて、自発的に行動していることが伺えました。そして何よりも『スポーツに向き合う人の力になりたい』という考えや、実際にスポーツに携わっていることに対する充実感を感じることができました。 学生や高校球児へのメッセージを語る坂元先生 坂元先生は、ゼミ生に向けて「私のゼミには主体性を持った学生が多く集まっているので、活動そのものは参加する学生たちに任せています。今は大変でも、将来振り返ったときに『タメになっていたな』思えるようにたくさんの経験と技術を得てほしいと思います。」 高校生の皆さんには「高校生の今の時期は、体づくりができる最後のチャンスです。後日学生からお返しするフィードバックを、トレーニングと同じように自ら進んで実践してほしいと思います。」と話してくれました。 坂元ゼミに所属する学生の経験としてはもちろん、育ち盛りである高校球児の皆さんにとっても、成長を左右する大きな財産となったであろう本日の取り組み。健康スポーツ栄養学科はスポーツの現場で学ぶ"現場実践主義"で学ぶことが特徴!興味を持った方は、ぜひ学科WEBサイトやSNSをチェック! 健康スポーツ栄養学科 WEBサイト健康スポーツ栄養学科 Instagram

製品化されない豆を価値ある商品に!神戸発のサステナブルな未来につなげる商品企画プロジェクト

特集

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2023.12.14

製品化されない豆を価値ある商品に!神戸発のサステナブルな未来につなげる商品企画プロジェクト

さまざまな企業と産学連携の取り組みを行っている神戸女子大学。今回タッグを組むのは、「フジッコのおま~めさん」のフレーズでお馴染み、自然の恵みを大切にしながら商品開発を続けるフジッコ株式会社。(本社:神戸市) 同社の看板商品である「おまめさん きんとき」は、つややかできれいな見栄えが求められるため、生産工程で出る皮の破れた豆は製品に使用せず食品ロスが発生していました。 しかし、この豆は皮が破れているだけで品質には問題がなく、おいしさは同じです。何とかして価値あるものに生まれ変わらせることはできないか…。 そしてもう一点、若者の豆離れにも一石を投じることができれば!ということを考え、『Z世代がZ世代のために考えた ちょっと高くてもついつい食べたくなる豆アイスの商品企画』がスタートしました。ちなみに、この特別講義は「教養演習1」という講義。学部学科の垣根を越えて、さまざまな学生が受講しています。 今回は、学生がこれまでの講義を踏まえて企画したオリジナル豆アイスを、フジッコ株式会社の役員や各部署の部長職など錚々たる面々にプレゼンする中間発表の日を取材しました! 看板商品である おまめさん きんとき 役員、各部署長の皆様もお越しくださいました。 各講義は「講座」「活用例」「実践」の3ステップ力をつけながら商品企画を行う 産学連携で行われるこの商品企画プロジェクトは、全13回にわたります。本格的なマーケティングの知識と商品企画について、現場の第一線で活躍されているフジッコ株式会社の只野さんから直接ご指導いただき、学生ならではのアイデアで新しいアイスを企画。最終的なゴールである商品化を目指し、グループのメンバーと協働して商品企画を中心にターゲットの具体化、販売チャネル、プロモーションなどについて考えていきます。 1回の講義の中では、まずはマーケティング論など座学部分を講義形式で学び、その活用例として実務でどのように採り入れているか教えていただきます。その後、グループワーク形式で、その日に学んだことを活かしながら少しずつ商品企画を進めます。 この講義構成について、学生はこう話します。「只野さんがこの講義のために時間を割いて丁寧に準備をしてくださっていることが至る所で感じられます。ここまで私達のためにわかりやすく、そして力がつくように準備してくださっていることに感謝するとともに、絶対に良い商品を作りたいと思っています。」 現場のプロから見たシンジョ生。感性と吸収力に期待! これまで学生に、現場で使う本格的な知識や技術をわかりやすくご教授いただいている、フジッコ株式会社の只野さんに神戸女子大学の学生の印象をお聞きしました。 「ワークシートの記入など、目の前のやらなければいけないことに対し、常に一生懸命ですね。そのため講義内容の飲み込みが早く、教えたことをすぐに自分のものにしていると思います。また、グループワークで活発に話し合う姿が印象的でした。友達同士では明るく話せる子も、グループワークになると黙ってしまうことがよくありますが、それがありませんね。」と只野さん。 講義中の様子 グループワークの活発さは、普段の講義からグループワークを積極的に行っている神戸女子大学の特徴そのもの。それに加え、女子大だからこそ、女性同士でのびのびと積極的に取り組めているのかもしれません! 他にも只野さんは「神戸女子大学の学生のみなさんは感性が素晴らしいと思います。はじめは商品の価値(商品を通じてもたらされる嬉しい期待)を考えることに苦戦していた様子でしたが、具体的な生活シーンを想像しながら「元気にしてくれる豆アイス」「癒される豆アイス」「ほっと落ち着ける豆アイス」「楽しいが増える豆アイス」など、さまざまな意見を出してくれます。どうしても大人は理屈っぽい考えが多くなりがちですが、今日の発表にも『Z世代の彼女たちらしさ』が存分に発揮されています。」と仰ってくださいました。 うちの企画部でも通用するかも!とお褒めいただきました これまでの集大成!想いをぶつける中間発表。 今回の発表内容は、販売ターゲットを絞り込んで具体化する「セグメンテーションとペルソナ設定」、提案する豆アイスを食べるのにぴったりな場面、生活の中での豆アイスの位置づけ、試作品から製品にするための改良点などをまとめた「商品企画コンセプト」、豆アイスがもたらす嬉しい期待とそれを実現する品質との関係をまとめた「ブランドエクイティピラミッド」など。4つのグループがそれぞれ特色ある考えを発表し、それに対して質疑応答を行いました。 ●Aグループターゲット:部活や仕事に日々全力で取り組むZ世代アイスの役割:疲れた時のご褒美、癒して元気にしてくれる提案アイス:『きんとき豆うさぎ』(想定価格250円) きんとき豆が持つ甘味を活かした『きんとき豆うさぎ』。今後、元気を象徴する豆うさぎをデザインに施すそう。 「ライバル商品に勝つための強みは?」という質問に対し「豆が持つ食物繊維をはじめとした栄養素が取れること」と回答するAグループ ●Bグループターゲット:一人暮らしで孤独を感じている女子大生役割:一日の終わりに癒しを与える試作アイス:甘えたくても甘えられない夜に癒しを与えるアイス(想定価格:300円) アイスのイメージはツンデレ彼氏。滑らかな舌触りでやさしい甘さのきんときアイスとナッツの食感でツンデレを表現。 自分たちの体験をもとに、説得力のある発表を行うBグループ 試作品はみんなで試食! ●Cグループターゲット:映える場所や物を求める、SNSを中心に生活する女子大生アイスの役割:SNSに振り回され疲れたところを癒す試作アイス:自分自身と向き合う時間を作るアイス(想定価格:300円) きんとき豆と抹茶を組み合わせ、和の香りで心が落ち着くように。豆が苦手な人でも食べられる豆アイスに。 どういった状況でこの商品が選ばれるのか、図を用いてわかりやすく説明 アイスを「遠方に住んでいる優しいおばあちゃん」と表現し発表するCグループの皆さん ●Dグループターゲット:大人数で初対面の人とでも仲良くしたいZ世代アイスの役割:会話を生み、盛り上げる遊びのツールとして提案アイス:食べて楽しいが増えるアイス(想定価格700円※ファミリーパック1箱) ミルクきんとき味のアイスのまわりをチョコでコーティング。個包装のパッケージにクイズやゲームなど、大人数で楽しめる要素をつける予定。 類似商品を使用し視覚的にイメージを伝えるDグループ 「本気でヒット商品を作りたい」という想いを伝えるべく奮闘した学生たち。それに応えるようにフジッコ株式会社の皆様も真剣に質問を投げかけます。 「滑らかな食感を出すために豆の食感を感じさせないようにしたい」と発表をしたグループに対し、「豆アイスである必要があるのか?」という鋭い質問も。 それに対して、自分達の感性を活かしてその場で「粒あんが苦手でも、こしあんだったら食べることができる人も身の回りにいます。実は私も豆の皮の食感が少し苦手です。だから、豆の風味や味わいを残しながら食感を滑らかにすることで、よりたくさんのZ世代に寄り添える商品になるとイメージしています。」と答えた学生には、社員の方も納得の表情。 その道のプロの考えや空気感にも触れられたこの中間発表は、学生たちを大きく成長させたに違いありません! 山場をひとつ乗り切った学生たちにこの産学連携の魅力を聞いてみた 今回Cグループとして発表していた、心理学部心理学科2年のEさんとIさんにこの講義の魅力を聞きました。 ――この講義の魅力を教えてください。 左:Eさん 右:Iさん Eさん「学生のうちから商品企画に携われることはなかなかありません。自分たちが真剣に考えたものが、店頭で売り出されることになれば、かけがえのない経験になると思います。また、特別講師の只野さんが『学生だから』という甘い対応ではなく、一緒に商品企画をするメンバーの一人として接してくださっているのが非常に嬉しいです!」 Iさん「この講義では、主体的に動くかどうかで、得られる経験が大きく変わってくると感じています。そのような状況を理解しながら学んでいるので、課題に対してより細かく、具体的に考える習慣がつき、自分達の力になってきていると思います。」 前向きに取り組み、回数を重ねるごとに力をつけていく学生は、今回の試作アイスをどのようにブラッシュアップしていくのでしょうか。12月20日には企画する商品の最終プレゼンテーションも控えているそう。みなさんの身の回りのお店で、学生が企画した豆アイスが見られる日はそう遠くないかもしれません!

ユーハイム×神戸市×神戸女子大学 スイーツ×スポーツでアスリートの栄養補給に新時代を!

特集

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2023.11.30

ユーハイム×神戸市×神戸女子大学 スイーツ×スポーツでアスリートの栄養補給に新時代を!

神戸女子大学では、企業や自治体と協力して、実践的にプロジェクトを進める産学連携に取り組んでいます。企業のリアルな課題に触れることで、学生の成長に繋げます。 今回紹介するのは神戸市と、神戸生まれの老舗洋菓子メーカーである株式会社ユーハイムから本学にお声がけいただいたことがきっかけとなり、同社と健康スポーツ栄養学科が共同で商品を考案し、市内のテニススクールで販売するというまさに「地域密着型」のプロジェクト。健康とスポーツ、そしてスイーツが織りなすアイデアで、新しい商品と価値創造に向け挑戦中。今回は試作段階にある商品の試食会が行われると聞き、取材にいってきました! これまでの産学連携プロジェクトの記事はこちら!須磨パティオをPR!! 地域の課題解決にシンジョ生が立ち上がるローソンと共同で商品開発に挑戦!商品設定編学びの場は学外にも! 有機薄膜太陽電池の可能性を追求する産学連携プロジェクトに密着 運動後にバウムクーヘン!?株式会社ユーハイムと健康スポーツ栄養学科の挑戦 株式会社ユーハイムとの産学連携にチャレンジしているのは健康スポーツ栄養学科3回生の5人。「株式会社ユーハイムの皆さんが産学連携の相手を探しているという話を聞き、今まで私たちが学んできたことを活かせるチャンスだと思って、すぐに参加を申し込みました。」と語るAさん。株式会社ユーハイムはバウムクーヘンを焼くAI職人THEO(テオ)を開発。そのTHEO君が焼いてくれるバウムクーヘンに神戸女子大学の学生らしさをプラスし、神戸のスイーツの魅力発信を通じた地域振興に貢献することが目的です。ちなみに、THEO君はAI職人として認められ、神戸市から特別住民票が発行されています!※特別住民とは住民基本台帳に基づくものではありません。 これまでの取り組みでは、商品のコンセプトを考えた結果、疲れた体で心地良く味わえる『運動後のご褒美スイーツ』を目指すことに決定。そして、コンセプトに合致するバウムクーヘンの素材についてさまざまなアイデアを提案していました。 ドキドキの試食会当日!学生のアイデアはスイーツのプロに通用するのか! 当日の試食会には、学生からの提案をブラッシュアップしていき、生地には低カロリーで高タンパクのおからを混ぜ込んだ特製バウムクーヘンを試作していただきました。 一方、学生が準備していたものは、『運動後に食べる』というシーンを想定し、バウムクーヘンに新鮮なフルーツピューレを添えて食べることと、フレッシュジュースも併せて提供するという案! 普段のオヤツタイムで食べるにはしっとり美味しいバウムクーヘンですが、運動後に乾いた喉の状態でも食べやすいような工夫としてピューレ、フレッシュジュースとの組み合わせはナイスアイデア!クエン酸が豊富なキウイフルーツとオレンジのフレッシュジュースは疲労回復効果が期待でき、バウムクーヘンは運動によって失われた栄養素(糖質とタンパク質)を補給する『補食』にもなるようです!多くのスポーツ経験者が在籍する健康スポーツ栄養学科の学生だからこそのアイデアには『学生らしさ』が溢れます。 今回は4種類のピューレを試作 フレッシュジュースも勿論手作り 実際に試食会が始まると聞こえてくる明るい声!やはり、甘いスイーツとフルーツの相性は抜群に良いようです。また、今回特別に試作していただいたおからを混ぜ込んだバウムクーヘンは普段のバウムクーヘンのしっとりとした口当たりとはまた違う食感を感じる部分もあり、ピューレやジュースとの相性も◎『イチゴは間違いないよね~』『ピューレに使ったフルーツの酸味がちょうどいい!』と様々な組み合わせを楽しみながら試していく様子が印象的でした。 「現代の大学生は、もっと気軽にキャンパス生活を謳歌しているイメージでしたが、神戸女子大学のみなさんは一味違いました。」そのように学生の第一印象を振り返ってくださった株式会社ユーハイム本社フードテック事業部の岩本さん。「初めて皆さんにお会いした時に商品案についてプレゼンをしていただいたのですが、堂々と話す姿勢には驚きました。積極的に色々な経験を積んできたみなさんの姿勢は社会人と比べても遜色ないのでは…と思ったほどです!」と称賛のお言葉をいただきました。 株式会社ユーハイム本社フードテック事業部 岩本さん アスリートの食生活に新しい風を!神戸から発信する新しい栄養補給の形 今回手掛けている試作品が完成した後は、神戸市内のテニススクール内での販売を予定しています。テニススクールに通うスポーツを愛する皆さんや、併設されているスポーツジムの利用者という幅広い年齢層の方に美味しいバウムクーヘンを楽しんでもらうために、「運動後の栄養補給として最適と言われているオレンジ以外にも、様々なフルーツを試しています。」とCさんはキウイフルーツやイチゴで作った試作品を紹介してくれました。完成した商品をどのような容器に入れて販売しようかと、真剣にパッケージを選ぶ姿からも実践の日を心待ちにしている様子が伝わってきます! 健康スポーツ栄養学科ではこのような産学連携のプロジェクト以外に、プロスポーツチームの現場に実習に行く機会があります。Dさんは、プロ野球チームの選手寮で行われた実習の際に、選手の食事・栄養摂取に関わった経験がスポーツとスイーツを組み合わせる発想につながったと教えてくれました。 このプロジェクトに参加して、貴重な経験ができているという実感があります。と前向きに語ってくれた学生 「スポーツを愛する方やアスリートの食生活の中に、バウムクーヘンのようなスイーツをうまく取り入れることが出来れば、食生活に新しい楽しみが生まれ、より競技生活が豊かになるのではと思いました。」 今回の取り組みについて商品の考案だけではなく、調理方法、販売促進、当日のオペレーションなど、これから考えることはたくさん。成功させることが出来れば、さまざまなスポーツ現場での販売機会だけでなく、神戸のスイーツ文化発展にもつながるはず。 実際に学生たちが販売する日は12月2日(土)に決定!お近くの皆様は是非ご賞味くださいね! 場所 COSANAテニスアカデミー  所在地 〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町7丁目4-5 企業紹介 株式会社ユーハイム(本社所在地:神戸市) 日本で初めてバウムクーヘンを焼いたカール・ユーハイムから受け継がれるドイツ菓子を「純正自然」で提供する、老舗洋菓子メーカー。素材にこだわり、菓子職人としての誇りを持つユーハイムの多くのお菓子は食品添加物を使用していないため、品質表示に「/」以下の記載が存在しないお菓子づくりをしています。

神戸ストークス×株式会社オイシス×健康スポーツ栄養学科 産学連携プロジェクトが始動!

特集

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2023.11.21

神戸ストークス×株式会社オイシス×健康スポーツ栄養学科 産学連携プロジェクトが始動!

2023年夏より、神戸を拠点に活動するB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム・神戸ストークスと、神戸に本店を構える総合食品メーカー・株式会社オイシス、そして本学の健康スポーツ栄養学科による産学連携プロジェクトがスタート。そのきっかけや今後の取り組みについて、関係者の皆さんへお話を伺いました。 西宮のプロバスケットボールチーム、さらなる飛躍を求めて神戸へ! 神戸ストークスの始まりは、2011年に誕生した兵庫ストークス。2015年からは西宮市を拠点に、西宮ストークスとして活動してきました。そして今年、2023年7月より本拠地を神戸へ移転。チーム名も神戸ストークスに改め、新たなスタートを切りました。 新生、神戸ストークス 今回移転したのは、2026年に新設されることとなったB.LEAGUEの新B1リーグ参入を果たすため。参入条件は、入場者数平均4,000名以上、売上高12億円以上、新設アリーナ基準の充足の3点となっており、入場者数と売上高については2023-24シーズン中に達成する必要があります。また、神戸港の一角に建設中の新アリーナは2024-25シーズン中に完成予定ですが、最大1万人以上収容可能な規模で、市内での早期認知拡大が必須。そのため、2023-24シーズンからの神戸移転が決まったのです。 神戸ストークス&オイシスと取り組む産学連携プロジェクトとは? 移転をきっかけに、神戸ストークスは新たに「HELLO KOBEアクション」をスタート。これまでも地域に根差し、さまざまな地域貢献活動を積極的に行ってきた同チームですが、今後さらに注力、発展させていく方針です。内容は、神戸の企業や団体、大学との連携の他、県外に向けた神戸・兵庫の特産品PR、小中高校へのボール寄贈、清掃活動など多岐にわたるもの。本学との産学連携プロジェクトもその中の一つとなっています。 神戸ストークスと、チームのオフィシャルパートナーである株式会社オイシス、そして本学健康スポーツ栄養学科の3者合同で実施。地産地消、スポーツ栄養学に基づいた商品の共同開発などを計画しています。 「神戸に移って心機一転、選手たちのモチベーションも高まっています。新B1リーグ参入という大きな目標のもと、さらなる発展のためにはチーム力を上げ、試合をこなすだけでは不十分。地域のさまざまな企業、団体、メディアなどと向き合いながら、着実に裾野を広げていくことが最重要課題の一つだと考えています。その一環として、各大学とそれぞれの特色を活かした取り組みを進めていますが、神戸女子大学さんの場合は“食とスポーツ”。スポーツ栄養学のプロフェッショナルである健康スポーツ栄養学科の皆さんの力に、オイシスさんの知見と技術も加わる3者協業には大いに期待しています」と話すのは、神戸ストークスのビジネスコミュニケーショングループリーダー 江西宏介さん。 今後の展望を聞かせてくださった江西さん。 オイシス広報の岡野佑里子さんも、本プロジェクトへの期待値は高いと言います。「スポーツ栄養学の研究者である教授や学生の皆さんとご一緒できるということで、私たちもこれまでにない知見に触れ、学ばせてもらうことが多いと考えています。また、流行に敏感で常識にとらわれない、学生さんならではの斬新なアイデアにも期待。皆さんの柔軟な発想力は私たちにとって大きな刺激になります。共に臨む中で、新たな商品開発の道が開けるのではないかと思います」。 オイシス広報の岡野さん 本学代表として指揮をとる健康スポーツ栄養学科の坂元美子准教授は、「プロジェクトメンバーである私のゼミ生たちは皆、意欲的に取り組んでいます。出来上がった商品を通して、スポーツ栄養学というものを広くたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいです。また、今後の試作、試食など商品開発が進む中で、神戸ストークスの選手のみなさんに栄養についてより深く理解してもらうためにも良い商品が開発できればと考えています」と意欲を語ります。 健康スポーツ栄養学科の坂元美子准教授。 まずは第一弾として、2024年3月のホームゲーム会場での販売を目指した、スタジアムグルメを開発中!手軽なワンハンド&ワンコイン、皆が好きなスイーツなど、さまざまなアイデアを検討しながら、最終的にきちんと味や栄養にもこだわった商品が実現できるよう、協議を重ねています。 スポーツ栄養学の専門家として、選手への身体測定も実施 商品開発を進める一方、先日は神戸ストークスの練習会場を坂元ゼミが訪問。練習終了後、選手一人ひとりへの身体測定を行いました。 練習中の神戸ストークスの選手たち 練習後、選手たちに主旨を説明する坂元准教授。 測定したのは、筋肉量、体脂肪量、体水分量、骨密度、ヘモグロビン量。さらに、選手にはこの日から3日間の食事内容を報告してもらいます。こうして収集したデータは、坂元ゼミの皆で集計・分析。不足している栄養素などを割り出し、フィードバックします。 測定の様子 チームとしてこうした身体測定を受ける機会はあまりないそう。「ありがたい」ですとの声をいただきました。 選手の皆さん、その場で出てくる数値データに興味津々の様子 「今回の結果を普段の食事改善のアドバイスにつなげる予定です。いきなりは難しくても、まずは食事への意識を変えるきっかけになればと思っています。身体測定も例えば3か月ごとなど、定期的に継続していければ良いですね。選手にとってもゼミ生にとっても有意義な経験になればと思います」と坂元准教授。 スポーツ栄養学に基づいたスタジアムグルメの開発と選手の栄養サポートを皮切りに、まだまだ動き出したばかりの本プロジェクト。今後の展開にどうぞご期待ください!

バトントワリングで世界制覇を目指す!健康スポーツ栄養学科の学生にクローズアップ!

特集

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2023.10.5

バトントワリングで世界制覇を目指す!健康スポーツ栄養学科の学生にクローズアップ!

風に舞うバトン、その美しさとリズム感がまるで芸術のようなバトントワリング競技。健康スポーツ栄養学科1回生のKさんは、神戸女子大学で学びながら、バトントワリングで世界のトップを目指す学生アスリートです。新型コロナウイルスによる様々な制限を乗り越えてトップアスリートに成長した彼女の、神戸女子大学での新たな挑戦に迫ります。 情熱の起源!バトントワリングとの運命的な出会い Kさんが小学生の頃、お姉さんのお友達の体操教室に体験に行ったことがバトントワリングとの出会いでした。 バトンをクルクルと回し、天井に届くかと思うほど高く宙に放り投げる演技を見たKさんは、その迫力と美しさを兼ね備えた競技に一目惚れ。持ち前の好奇心で「同じようにできるかな」とさっそく挑戦してみましたが、思わぬ壁にぶつかることになりました。思った通りの動きがなかなかできない難しさに加え、もっとも大変だったのは鉄でできているバトン。思った以上に重く、うまくキャッチできなかった時の痛みは想像以上!しかし、技が成功したときの体験はかけがえのないものでした。 足の下や背後でバトンをキャッチしたり、少しずつ難しい技ができるようになってくるとすっかりバトントワリングの虜に。練習を重ね、大会に出場することになった時には、もちろんジュニア世代でも大会用のメイクをして、競技用の衣装を身に付けて臨みます。初めての大会で技を成功させたときの達成感は、今も記憶に残る貴重な経験だそうです。 練習場は公園!コロナを乗り越えたバトントワリングの軌跡 めきめきと上達するKさんはあっという間に国内のトップ選手へと登り詰めます。しかし、2019年、Kさんが高校1年生のときに世界中が新型コロナウイルスの脅威に襲われてしまいました。他の競技やイベントと同じように、バトントワリング競技も大会の延期や中止に追い込まれます。世界大会に出場する日本代表を決める国内選考会も例外なく延期に。1年後にようやく国内選考会が開催され、結果を残し日本代表に内定したものの、目指していた世界選手権はなんとさらに2年延期という結果に。 その間、競技環境が制限され、なかなか十分な練習に取り組めないという先行きが見えない日々が続きました。そんな中、Kさんが練習場所として選んだのはなんと公園!「他のことをしていても、なんとなくバトンを回したいなという気持ちが湧いてきて。バトンを触っていたいという気持ちが我慢できませんでした。コロナ禍を乗り越えられたのは中学・高校の時のバトン部の同期や先輩・後輩の存在があったからこそ。あの時期は確かに大変だったけどチームのみんなに会えなくても、連絡を取り合い、支え合って努力していた日々はすごく充実感がありました。」と思い出を笑顔で語ってくれました。 コロナ禍も落ち着き始めた高校生3年生のときに、2年間延期されていた「第35回世界バトントワリング選手権大会」がイタリアのトリノで開催。見事日本代表選手として出場し、女子ジュニア部門で世界第2位に輝きました!長い我慢を乗り越え、輝かしい成績で高校生活とジュニア世代を終えた彼女が、次の挑戦として選んだのが神戸女子大学でした。 健康スポーツ栄養学科への道はアスリートとしての直感と食べることへの愛 お姉さんが楽しそうに大学に通っていたこともあり、まずは「大学のオープンキャンパス」に行ってみたい、と感じた高校生時代のKさん。どの大学に行ってみようかと色々なことを調べているうちに、アスリートとして健康スポーツ栄養学科の学びに直感的な興味が湧いたそう。 「食べることが好きなので食に関連した学びができる学科を探していました。オープンキャンパスに行くと、そこで学生スタッフの先輩方が体組成の測定をしてくださったり、さまざまな先生や先輩の研究に触れることができて、楽しい雰囲気も感じましたし、ここで学んでみたいことがたくさんあると思いました。」 「実際に入学して勉強していると、体づくりに栄養がすごく重要だとわかりました。授業では化学式や数字がたくさん出てきて、思った以上に理系の勉強が多いことには少し驚きましたが、丁寧に教えてくださるので、友人と一緒に復習したりして、楽しみながら学べています。クラス単位での行動が多いので、友人が作りやすいことが特徴。新しい仲間と一緒に勉強することって楽しいなと思います。」と笑顔で話してくれたKさんは、健康づくりや競技力を上げるためにどのような食事が大切か日々新しい知識が刺激になっているそうです。 笑顔の裏に秘めた夢!楽しさと学びが交錯する健康スポーツ栄養学科 健康スポーツ栄養学科は、スポーツ経験者の仲間たちが多く、笑顔を絶やさず、いつも楽しい雰囲気に包まれていると教えてくれました。日本代表に輝く実力を持つアスリートであるKさんも、入学前は競技力を向上させるための栄養に関する知識には自信がそれほどなかったと振り返ります。 「入学前は『体づくりには絶対タンパク質!』って思っていたのですが、炭水化物を摂ることで得られるメリットなど授業でどんどん新しいことを学んでいるうちに視点が変わってきたことを感じますね。日々の食事が身体に与える影響や、競技パフォーマンスへの影響を考えるようになりました。」 そんなKさんが自身2度目の世界大会に出場したのは8月、イングランドリヴァプールで開催された世界大会。初めてシニア女子として出場し、2種目で世界第3位に輝きました!まさに日本を代表するバトントワラーのKさんの将来の目標は「様々なアスリートを支援する」こと。競技者としての経験を持ちながら、アスリートを支えるような職業に就くことを思い描き、健康スポーツ栄養学科で学んでいます。 堂々の世界3位に輝きました(写真右) 輝く『JAPAN』のジャージを着用するKさん(写真右) 世界大会後は観光もバッチリ 最後に、将来の目標ではなく「近い目標」について尋ねると、「世界一!」という答えが!夢に向かって努力を続けるKさんは、今回の取材中で最も輝く笑顔を見せてくれました。

【先生、教えてください!】勉強も仕事も、まずは朝食から。身体と脳のコンディションを整えるために大切なこと。

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2023.5.10

【先生、教えてください!】勉強も仕事も、まずは朝食から。身体と脳のコンディションを整えるために大切なこと。

みなさん、朝ごはんはしっかり食べていますか?ついつい忙しくて適当に済ませたり、抜いてしまったり……。勉強も仕事も、身体と脳が健康的でないと、せっかく頑張っているのに効率が悪くなってしまいます。 さまざまなアスリートの栄養指導を行い、身体づくりとコンディショニングを支える、健康福祉学部 健康スポーツ栄養学科の坂元 美子先生に、朝ごはんやコンディションを整えることの大切さについて、お話を聞いてきました。 コンビニなどで揃えられるオススメの朝ごはんや、勉強や仕事の合間に食べるといいもの、集中したい時にオススメな手軽な運動などもお話しいただきましたので、ぜひチェックしてください! 朝ごはんは、身体と脳のウォーミングアップ スポーツ選手は練習や試合を行う前、かならずウォーミングアップをして、身体や筋肉をほぐしたり、血流をよくしたりしてから、練習や試合にのぞみます。 それは、コンディションが整っていないと、100%の力を発揮しようとしてもできないからです。ウォーミングアップ無しに全力を出せないのは、スポーツ選手だけでなく、勉強をがんばる受験生たちも、仕事に向き合う社会人たちも、みんないっしょです。 勉強も仕事も、効率的に行うにはウォーミングアップが必要です。とは言っても、身体を動かす必要は別にありません。「朝ごはん」が、身体と脳のウォーミングアップになるのです。 朝ごはんを食べると、身体と脳が動き出す 起きてすぐは、1日の中で最も血流が悪く、身体も脳も働きが悪い状態です。 朝ごはんを食べると、消化するために内臓が働き始め、血流が身体の中心に集まっていきます。そして、吸収された栄養素を全身へ送り届けるために、身体の中心から末端まで血流が良くなっていき、コンディションが整っていきます。 朝ごはんを食べるのは、「栄養を取る」というのはもちろんですが、「身体と脳のウォーミングアップ」という面でも、非常に効果的です。 脳をしっかり働かせるには、炭水化物をとろう 勉強や仕事を行う時は、脳にしっかりとエネルギーを与えることが大切です。脳の主なエネルギー源は「ブドウ糖」で、集中力を維持するには血糖値を上げることが大切です。ブドウ糖は、ご飯などの炭水化物から摂取できます。 砂糖からも摂取できますが、血糖値が急激に上がりすぎてしまい、その分下がるのも早くて維持できず、肝心な時に頭が働かなくなってしまいます。しかし、炭水化物であれば、血糖値を徐々にあげて維持させることが可能です。 たんぱく質で体温を上げよう 人の体温は朝が一番低く、夕方にかけて高くなっていく仕組みになっています。体温が低い状態は血流の巡りが悪く、判断力が落ちたままなので、朝にしっかり体温を上げることが大切です。 たんぱく質を食べることで体温を高める働きがあるので、朝ごはんに炭水化物と共に摂取することで、脳も身体も良いコンディションに整っていきます。 コンビニで手軽に揃えられるおススメの朝ごはん 「バランスよく」が前提だけど、まずはできることから 栄養はバランスよく取ることが大切なので、「これを食べていればOK」というものがあるわけではありません。とは言っても、急に食生活を変えるのは難しいものです。 まずは、朝ごはんをいつも抜いている人は朝ごはんを食べること。適当にすましている方は、炭水化物とたんぱく質を意識してしっかり摂取すること。少しずつでもいいので、できることから始めていきましょう。手軽にトライできるように、コンビニなどでもそろえやすい朝ごはんにおすすめな食べ物をご紹介します。 重ねてになりますが、単品だけでは栄養バランスがとりにくく、せっかく食べても栄養を効率よく体内で利用することができません。「これだけ食べればOK」というわけではありませんので、ご注意ください。 納豆巻き 効率的に炭水化物をとるには、パンよりご飯がおススメです。ご飯の方が消化・吸収がゆっくりで、血糖値を維持しやすいためです。 納豆巻きに含まれている大豆は、植物性たんぱく質が豊富に含まれており、手軽に炭水化物とたんぱく質の両方を摂取できます。さらに、納豆にはエネルギーを作るために必要なビタミンや身体づくりに必要なカルシウム・マグネシウムといったミネラルが豊富です。 ヨーグルト+α ヨーグルトは非常に栄養バランスが優れており、動物性たんぱく質と、脳のエネルギー源となる糖質、腸内環境を整えてくれる善玉菌などが含まれています。ドライフルーツやグラノーラなど、食物繊維、ミネラル類、ビタミン類を美味しく組み合わせられるものも多く、サッパリしているので朝食にピッタリです。 仕事や勉強の合間にオススメの食べ物とちょっとした運動 集中力が落ちてきた時にオススメの食べ物 勉強や仕事をしている時、ちょこっとつまめる食べ物があれば、モチベーションを保ちやすいですよね。「ここまで進めたら、これを食べよう」と、ご褒美的な食べ方をしている方もいるかと思います。 そんな勉強や仕事のお供としてオススメな食べ物を紹介します。当たり前ですが、食べすぎはNGです。 グミ 疲れてくると甘いものが欲しくなるのは、血糖値が下がってきているからです。甘いものを食べると元気になるのですが、チョコレートなどは要注意。血糖値が一気にあがり、下がるのも早いので集中が途切れたり、眠くなってしまったりします。 甘いものであれば、グミがおすすめです。砂糖は入っていますが、コラーゲンで吸収が緩やかになりますので、血糖値を維持でき集中も保つことができます。 ナッツ類 ナッツ類も血糖値の上昇が緩やかなので、食べても集中力を持続させやすいです。血流をよくするビタミンEも多く、脳の働きをよくしてくれるでしょう。さらに、しっかり噛む必要があるため、脳への刺激につながり、眠気をさましたり、より集中力を高めたりすることが期待できます。 ちょっとした合間でもできるオススメの運動 食べ物以外にも運動は健康づくりに非常に重要ですが、勉強や仕事で忙しい方がジョギングなどを行うのは大変かと思います。ちょっとした合間でもできる、オススメの運動やストレッチをご紹介します。集中したい時、眠くなってきた時などにトライしてみてください。 眠気を飛ばす“隠れ筋トレ” 人には「交感神経」と「副交感神経」という自律神経があり、このバランスで「集中モード」「リラックスモード」が決まります。 眠くなっている時は副交感神経にバランスが傾いている状態です。そんな時は、少し筋肉に刺激を与えて交感神経を刺激すると、「集中モード」に切り替えられます。 坂元先生がオススメする、座りながらできる“隠れ筋トレ” 背もたれにもたれず、足をまっすぐ真横にあげて、腹筋に力を入れてキープ。思った以上にしんどいと思います(笑) 何度か繰り返すことで、眠気もスッキリしますよ。 あくびが出てきた時のストレッチ あくびがよく出るときは、脳に酸素が不足していることが多いです。首や肩回りの緊張をほぐすことで血流がよくなり、酸素が脳へ行き届きやすくなります。 肩へ両手を当てて、ぐるぐると肩を回してみてください。肩や首回りの血流がよくなり、酸素が十分脳へと届くようになります。時々このようなストレッチで首回りの血流を良くしてあげると、眠気防止になりますし、気分転換にもなります。 身体作りを学ぶことは、パフォーマンスの高め方を学ぶこと それほど身体を動かさない行為が生活の中心にある方にとって、「身体作り」や「栄養」は、自分にあまり影響しないとお考えかもしれません。しかし、身体の状態が脳や気持ちに与える影響はとても大きいものです。健康的な身体を維持することは、勉強や仕事でよい結果を生み出すためにも、重要な要素のひとつです。 私が所属する健康スポーツ栄養学科では、決して「スポーツを行う人」だけのための知識・技術を学ぶわけではありません。栄養学・食品学・調理学・衛生学・医学など幅広い分野をベースに、子どもから高齢者まで、「食と栄養」を通して健康的な身体と生活をつくるための技術・知識を学びます。 それは、自分自身の健康を守り、豊かな人生をつくっていくための方法を知ることでもあります。「食と栄養」は、あらゆる人々に関係する「生きることの基本」です。スポーツ業界で活躍したい人はもちろん、それ以外の分野をめざす方にとっても、有意義な時間を過ごしていただけると思っています。 プロフィール 健康福祉学部 健康スポーツ栄養学科 坂元 美子先生 人間総合科学大学大学院 心身健康科学修士課程修了。神戸女子大学 家政学部卒業後、兵庫医科大学の研究職を経てオリックスブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)の専属管理栄養士として活躍。在籍時には球団の優勝を経験。また、指導した選手の中にはメジャーリーグに移籍し、活躍した人も。2011年より、本学の健康福祉学部 健康スポーツ栄養学科の准教授に。学生の指導と共に数多くのスポーツチームの栄養指導に携わる。

【栄養×スポーツ】シンジョで叶える保健体育教諭の夢。

特集

975

2023.1.6

【栄養×スポーツ】シンジョで叶える保健体育教諭の夢。

健康福祉学部の健康スポーツ学科で保健体育教諭を目指すHさん。入学後、授業のなかで指導者には自分が想定している以上に幅広い知識と技術が必要と実感。スポーツ以外にも栄養や健康について深く学べるシンジョで、「強み」のある指導者になりたいと努力を続けています。 スポーツを安全に、誰にでもわかりやすく教えるために ――保健体育教諭になるために、現在どのようなことを学んでいますか? 教職科目には大きく分けて「実技」と「指導法」の2種類があります。前期の実技では水泳、後期では器械体操と陸上をしました。各競技のいろいろな技を正しく習得できるよう、先生から指導を受けています。3回生は教職科目がぐっと忙しくなって、陸上競技場に行ってみんなで走ったり、設定された目標タイムを切るための練習をしたりと、毎週、体操服に着替えて身体を動かしながら授業を受けています。 ――「実技」は自分の身体を動かすスキルを磨く授業ということですね。では「指導法」では、どのような授業をされているんでしょうか? 指導者として生徒に身体の動かし方を教えるスキルを身につける科目です。実技で習得した技を今度はどうやって相手に教えるかを学びます。学生同士、交代で模擬授業を行うのですが、先生役として模擬授業を行った後には生徒役から指摘を受けるなどして、各自の授業内容や指導方法を改善していきます。1、2回生で学んだ中高生への授業のつくり方を思い返しながら指導案を考えたつもりでも、実際に模擬授業を行って初めて気づくことが多いです。 ――実技の指導ではどういうところが難しかったでしょうか? 自分が思っている以上に相手に伝わらないという難しさがずっとありました。私は模擬授業で柔道を体験したのですが、ほとんど未経験の競技だったので、まずは2回生の実技で学んだ内容を一生懸命思い出すことから始めました。徐々にコツを思い出して自分ができるようになっても、今度はどう教えたら良いか見当が全くつかず、とても苦労しました。 ――確かに、実際に先生になったら自分の専門外の競技も教えないといけないですよね。 はい。だからまずはやっぱり勉強だなと改めて痛感しました。何を教えるにしても、その競技の知識が不足しているとうまく伝えられないですから。人に教えるにはさらに深く競技の特性を理解して、つまずきやすいポイントを押さえ、伝え方を工夫する必要があります。「指導法」では二人一組で模擬授業の指導案を考えて授業を行うのですが、ペアの友人と一緒にYouTubeで柔道の練習法を調べながら勉強をしました。文字と写真だけではわかりにくい部分もあって、実際に体を動かしたり動画を見たりと、工夫しながら考えています。 ――指導の準備段階でもいろいろな発見や成長があるんですね。うまく伝えるために意識していることはありますか? 細かく丁寧に言語化することです。模擬授業で「こうやって」とか「ああやって」という指示語を使ったあいまいな指示をしてしまうときがあるのですが、先生からはよく「誰が聞いてもわかる言葉で指示を出すように」と指導を受けています。たとえば「あっちを向いて進んで」ではなく「体育館の方を向いて進んで」みたいに。後者の方が圧倒的にわかりやすいですし、間違いがないですよね。 ――確かにそうですね!それぞれが思う「あっち」に進んでしまうと、危険もある気がします…。 そうなんです。私自身、友だちの模擬授業を受けたとき不安に思うことが何度かあって。相手の感覚に頼ったあいまいな指示には危険が伴うと感じました。その経験から危機管理の意識がとても大切だと思ったんです。大学生約10人に教える模擬授業とは違って、現場では中学生40人を1人で見ることになります。授業を安全に行うには、ものすごく広い視野と全員に伝わる的確な指示の両方が不可欠であると強く認識しました。4回生の春にはいよいよ教育実習が始まるので、そこは抜かりなく意識して臨みたいです。 栄養の知識を「強み」にして、生徒の力になりたい ――健康スポーツ栄養学科の授業ではスポーツや教育に関する学びだけでなく、栄養についても学んでいるんですよね。 はい。食物の消化・吸収の仕組みや衛生について、座学や実験を通して幅広く学んでいます。卒業すると栄養士の資格が取得できるくらい専門的な知識が得られます。私も中学・高校の保健体育教諭の免許だけでなく栄養士の資格を取得予定で、実習では実際に学校で提供される給食の献立作成や調理を行いました。 ――保健体育教諭を目指す上で役に立つ部分もあるのでしょうか? はい。以前、スポーツ栄養の授業で高校の運動部員に栄養指導を行ったのですが、私の想像よりもはるかに熱心に話を聞いてくれる生徒たちの姿に驚きました。彼らはいわゆる強豪チームで普段から自分なりに食生活にも気を遣っていたそうなんですが、私の話を興味深く聞いて、次々と質問をしてくれました。これまで勉強してきた栄養の知識で生徒たちの力になれることがわかって、とても嬉しかったですし、栄養の知識は保健体育教諭としての私の強みになると実感しました。 ――まさにスポーツと栄養を関連づける健康スポーツ栄養学科の学びが活きた瞬間ですね。 そう思います。将来教員になっても、スポーツの楽しさや技術を教えるのはもちろん、健康的な体づくりに必要な栄養管理についても指導するなど、部活動や勉強に励む生徒たちを支えたいです。保健体育の科目を教えるにあたっても、栄養の知識を取り入れることで私ならではのおもしろい授業ができるんじゃないかと考えています。 健康スポーツ栄養学科の特色 人の健康を支える「食(栄養)」と「運動」の両方を学び、卒業後には栄養士の資格取得が可能。スポーツのパフォーマンス向上に必要な栄養などを理解することで、アスリートを含む運動をする人の栄養・運動指導ができる人材を養成します。 詳しくはコチラ! 生徒たちに伝えたい「努力を続けられる強さ」 ――今、授業以外で何か打ち込んでいることはありますか? 幼稚園児が通うサッカー教室でボランティアをしています。あとは同好会でバドミントンをするなど、勉強のためでなく純粋にスポーツを楽しむ時間もつくっていますよ。なかでも一番の思い出は、3回生の12月にハワイで開催されたホノルルマラソンに出たことです! ――ホノルルマラソン!何か参加のきっかけがあったのですか? 実は以前からシンジョでは授業の一環でホノルルマラソンに参加できる機会があったそうなのですが、新型コロナの影響でしばらく中止になっていたんです。それが3年ぶりに復活したと聞いて参加を決意しました。いつかはフルマラソンを走ってみたいと思っていたんですよね。大学からは私を含めて20人弱が参加しました。ホノルルの気候は走りやすい上に景色が最高で!最後は足が動かなくなるほど疲れましたが、素晴らしい景色のおかげでなんとか完走できました。ただ目標タイムの5時間は4分だけ超えてしまって。「あと少し!」と悔しい思いをしたので、いつかまたリベンジしたいです。 ――4回生では教育実習や教員採用試験に向けての勉強も本格化します。これからの目標を教えてください。 まずは、教員採用試験に向けて最後まで頑張り切ることです。保健体育教諭は倍率が高く難しいとされています。仲の良い高校時代の体育の先生も一発合格は難しいと言っていました。だから、後で振り返ったときに「自分の人生の中で一番頑張った!」と思えるくらい、努力の1年間にしたいと思っています。 ――大変だと思いますが応援しています!採用試験に合格したら、どんな先生になりたいですか? 私の尊敬する中学時代の先生は「頑張ることは恥ずかしいことじゃない」とずっと言ってくれました。中学生は全力で頑張ることが恥ずかしくなる年頃だと思いますし、特に体育では運動が得意な子と苦手な子の差が開きやすく、苦手な子は頑張り続けることが難しいかもしれません。だからこそ、生徒たちと接するときには「できる・できない」ではなく、頑張ることが何よりも素晴らしいと伝えられる先生になりたいと思います。 2023年1月取材 ※取材時3回生

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