特集
826
2023.12.6
神戸女子大学では、現場の専門知識を持つ方を学外からお招きし、現場の空気感に触れられるような特別講義を数多く実施しています。
今回は心理学科の『産業組織心理学』の講義にTOPPAN株式会社とネスレ日本株式会社から講師をお招きした特別講義を取材。「ミライーね!出張授業inシンジョ」と題するこの講義では、身の回りにある『社会課題』を両社の『共創』によって解決している取り組み事例から、産業組織心理学について学びました。
●過去の特別講義はこちらから
神戸女子大学の学びは現場で活きる!特別講師による『教養演習』を取材してみた!(川崎重工業様)
【神戸女子大学×資生堂】シンジョの心理学科がまるわかり!特別講義を独占取材
●「ミライーね!」とは
TOPPAN株式会社が推進する、「企業」と「教育現場」をつなぎ、さまざまな企業のサステナブルな取り組みを楽しく、分かりやすく伝える「学び」と「体験」の場を提供する取り組み。様々な企業との共創活動を通じて、未来に「いいね!」を提供します。
そもそも『産業組織心理学』とはどのような学問なのでしょうか。まずはそれを簡単にご紹介します。
【産業組織心理学とは…】
・心理学的観点から、組織における個人の行動や心理を理解し、マネジメントや人事施策に役立てる学問
・組織のパフォーマンスを向上させるために、メンバーの能力やモチベーションを最大限に引き出すための手法や理論を学ぶ
人生の中で少なくない「就業時間」を心理学の観点からより良いものにするために学ぶことができるこの学問は、面接や人事評価、就職活動で用いられる適性検査にも活かされているほど!
まさに『なんだ、こころ なんだ』をキャッチフレーズにする『シンジョ心理』らしい講義です。
今回の特別講義では持続可能な社会の実現と企業価値の向上に取り組む「社会的価値創造企業」としてTOPPAN株式会社と、「ネスカフェ」や「キットカット」をはじめとした、誰もが知る超人気商品の開発・製造・販売を行い、「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます」という存在意義(パーパス)を掲げているネスレ日本株式会社の事業紹介からスタート。
その後、両社の共創が生んだ取り組み事例から産業組織心理学について学びます。
本講義のテーマは「社会課題解決視点×共創」。進行のTOPPAN株式会社の山田様は「地球温暖化や高齢化をはじめとした社会課題に立ち向かうことは、企業の大事な責任のひとつ」と語ります。
しかし、環境問題などの大きな社会課題に立ち向かうには1社だけではなく、複数の企業がそれぞれの知見や技術を持ち寄り、『共創』することが必要になります。TOPPAN株式会社とネスレ日本株式会社はこれまでもさまざまなシーンで共創した取り組みを実施しています。
まずは、両社の共創によって実現したサステナブルな取り組みをご紹介します。近年、環境への配慮のため、さまざまな企業や場面でビニール袋やストローなどのプラスチック素材のものが廃止されています。実は、ネスレ日本株式会社の有名な商品の「キットカット」も、環境に配慮した紙パッケージに生まれ変わるべく、同社から相談を受けたTOPPAN株式会社が総力をあげて開発!
従来のプラスチック製の外袋の特徴でもある高い耐久性、パッケージへの印刷の自由度に近づけた紙パッケージを開発し、現在の形で販売されています。外袋素材が紙になった「キットカット」はカカオ感やウェハースのサクサク感もリニューアルされ、「史上最高」と大きく印刷されたパッケージが目印。店頭で見かけたら是非、紙パッケージの手触りと史上最高のおいしさを確かめてみてくださいね。
そして、両社の共創が生んだ数ある取り組みの中でも、『産業組織心理学』として私達が注目したものは、「ネスカフェ パパママカフェ」。この取り組みは、幼稚園、保育園に関連する人々のコミュニケーションを円滑にし、社会課題を解決していったものです。
近年、社会環境やライフスタイルの変化により地域コミュニティの数が減少し、保護者、幼稚園の先生、保育士さんがコミュニケーションを取る場や悩みの相談ができる機会が少なくなっていると言われます。そこで、TOPPANのグループ企業で、児童書などの販売を行う株式会社フレーベル館が監修し、幼稚園や保育園の一角にスペースを提供。そこにはネスレ日本株式会社が誇るお菓子や「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」を設置し、保育士と保護者、保護者同士が集まる「パパママカフェ」を創りました。それにより、幼稚園、保育園に関わる人々のコミュニケーションの場や気軽に相談ができる環境を生みだすことに成功し、社会課題解決に貢献しています。
このように企業が経済活動を行うだけではなく、社会課題の解決に向けて取り組んでいることや、社会課題を見つける目とそれを解決するアイデアを持つ企業人に向けて、目を輝かせながら受講していた学生の姿が印象的でした。
――講義の感想を教えてください。
これまで学んでいた『産業組織心理学』が実際に社会でどのように活かされているかを知り、一段と理解が深まりました。また、企業様の具体的な取り組み事例を伺えたことで、今後私が受講しようと思っているボランティアを企画し実施する講義で、どのように実践すれば地域の方に喜んでもらえるか、というヒントを得ることもできました。今回の授業で得られたものは大きく、とても充実した時間だったと思います。
本学では、これからも学生が興味を持ち、自ら参加したくなるような有意義な講義をたくさん準備しています。 次回の特別講義もお楽しみに!
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