特集
31
2025.6.30
英語英米文学科が開講している「English for Careers」は、ビジネス英語やツーリズム英語などを扱っていますが、その中のひとつに、さまざまな学科の学生が広く受講できるエアライン関連の授業もあります。この授業の中には大阪国際空港(伊丹空港)でのフィールドワークも含まれています。このフィールドワークが先日、JALグループ2社(株式会社ジェイエア・株式会社JALスカイ大阪)ご協力の元行われました。大阪国際空港(伊丹空港)でのフィールドワークの様子を写真で紹介します。
伊丹空港を拠点に、28空港41路線で1日226便(2025年5月時点)を運航するJ-AIRのオフィスを見学しました。一般には立ち入りができないエリアや、訓練施設などに入っての説明に、受講生は緊張しながらもワクワクと心を躍らせながらの見学です。
【機内対応】
機内でのドリンク提供について説明を受け、実際にやってみました。
機体が安定している時ばかりではないため、カートの動かし方にもコツがあります。
ドリンクカートを動かす際は、車輪の向きを意識して一旦後方に引き、車輪の向きを進行方向に向けてから進むと動きやすいということでした。
また機内は狭いので、乗客の方にぶつからないように「足元、お手元失礼します」とお声がけしながら進みます。
ドリンクを注ぐ際には、お客様にかからないよう低い位置で注ぎます。高い位置で注ぐと肘がお客様に当たったり、こぼれたりする危険があります。(熱いコーヒーなどは特に注意!)
お渡しする際にはJALのロゴマークを見せながら、お子様には目線を合わせてお渡しします。ドリンクをお渡ししたあとにもう1度アイコンタクトをすること、常に口角を上げて笑顔を意識することも重要ということでした。
さあ、いよいよドリンクサービスの体験です!教えて頂いたことをしっかり実践できるように、慎重にカートを引いていきます。乗務員役と乗客役にわかれて行いました。見ている時とは違い、難しく感じられましたが、次第に慣れてきて笑顔でサービスをすることができました。
機内ではさまざまな種類のアナウンスが流れます。搭乗時と離陸時のアナウンスについて学び、実践しました。
機内アナウンスは乗務員席にとりつけられたインターフォンを使用して行います。
右手で受話器を持って、マイクボタンを押しながらアナウンスします。
機内には日本語を母国語とする方ばかりではないため、すべての方に分かりやすく届くようにゆっくり、はっきりと話すように意識します。また、乗務員の姿は客室の後方からもよく見えていますので、立つ姿を意識し、背すじをのばします。
乗務員体験の最後には、受講生からさまざまな質問が出されました。
お客様の様々な状況にどのように対応するかなどを質問しました。
Q. 妊娠中の方にはどのような接客をしていますか?
A. 妊娠時期に合わせてお声がけをします。安定期のお客様には「お身体辛ければおっしゃってください」、敏感な妊娠初期のお客様には「不安なことがあると思いますが、何かございましたら遠慮なくおっしゃってくださいね」などとお客様に合わせた接客を行っています。お客様視点を貫く姿勢が大切です。
Q. 迷惑な行為をするお客様に対してどのように対応されますか?
A. たとえば他のお客様から、あるお客様がうるさいというような声があった場合、「静かにしてください」という言い方ではなく、代わりの案を提案するようにしています。すべてのお客様にとってより快適な時間を過ごして頂けるように心がけています。
伊丹空港の地上業務を担当するJALスカイ大阪のオフィスを見学しました。こちらも一般的には立ち入りできないエリアで、日々忙しく仕事をする職員の方から丁寧に説明頂き、実践しました。
【空港オフィス見学】
こちらはファーストクラス乗客専用のチェックインカウンターです。お客様はこちらで手続きした後、専用保安検査場を利用できます。搭乗手続き後は、隣接するラウンジでくつろぎながら搭乗時刻までを過ごすことができます。ぜいたくな空間の様子に旅への憧れが広がります!
保安検査場では機内へ持ちこみできないハサミ類や液体などをチェックし、場合によっては警察とも連携します。さらに、搭乗に遅れそうなお客様へむけたアナウンスも行います。
こちらは搭乗前の手続き(チェックインや座席の相談等)を行うカウンターです。入社
1年目で担当することが多いセクションです。大阪国際空港からは国際線に乗りつぎす
る場合もありますから、最終目的地までの手続きをこちらですることができます。混雑
時は1人1人のお客様の希望を的確に把握しながら、同時に迅速な対応が求められま
す。どのような点に配慮してサービスを進めているかについて説明を頂きました。
病気やけが、障がいなどによりお手伝いが必要なお客様のための専用カウンターを見学しました。その方にあわせて希望や困っていることなどをお聞きし、快適な空の旅をして頂けるように努めています。
車いすに乗ったまま保安検査場を通過できるよう木製車椅子を使用して頂いています。
空港では、どんな障がいを持つお客様でもストレスフリーで旅ができるように配慮をしています。
・車椅子体験
先ほど「スペシャルアシスタンスカウンター」でも説明頂いた木製車いすを実際に使ってみました。
職員がお客様の車椅子に触れたり動かしたりする際は、必ずお声がけをします。車椅子は座面が低いため、歩くスピードで押すとお客様は速く感じ、不安につながるので、ゆっくり押すように心がけます。
また、段差をのりこえる際はお客様に衝撃を与えないようゆっくり進みます。常に「動きます」、「ご安心ください」など、利用する側の気持ちになってお声をかけることが大切です。
・妊婦の方の体験
お客様の中には妊娠中の方も多くいらっしゃいます。妊娠中の方への配慮などを学び、疑似体験してみました。
妊娠中の方はお腹が大きいため真下が見えません。そのため、落ちたものが拾えない、靴下が履けない、といった問題があります。グランドスタッフはそれぞれの方の時期に合わせた対応をしています。
・視力に障がいを持つ方への配慮
アイマスクをつけてその案内を体験
ペアになり、アイマスクをして視界をさえぎられた人と案内する人に分かれます。
ペアで座った状態から立ち上がり、廊下まで進み、元の位置まで戻ります。
視界がさえぎられると、後ろから急に話しかけられることに恐怖を感じるため、斜め前から声をかけます。また、「腕か肩かどちらを支えればよろしいですか?」とお客様に尋ねてから支えます。
・高齢者の方への案内
聴覚:聞こえにくい状態を体験
高齢の方は聴力が弱くなるため、体が前のめりになってしまうこともあります。それぞれのお客様にあわせて声のボリュームをあげてお話しすることを心がけます。耳栓をして聞こえにくい状態を体験しました。
触覚:利き手にゴム手袋、指にテープを巻いて財布からお金を取り出そうとすると、取りづらいことがわかりました。
視覚:白内障の方の視界を再現したサングラスを着用し、文字の読み書きを体験
特殊なサングラスをしてメモに名前を書くと、書き慣れた自分の名前がうまく書けていないことがわかります。このような場合はスタッフがお手伝いをします。
(まとめ)
以上のように、大阪国際空港で客室乗務員・地上職員の体験学習を経験し、参加した学生は予想以上にきめ細やかなホスピタリティに感心すると同時に、こうした配慮を自分たちのこれからの生活の中のさまざまな場面で活かしていきたいと話していました。またエアライン業界やエアラインの仕事への興味がますます強くなったという声も多く聞かれ、今後も「English for Careers」ほかの授業での学びを続けていきたいと決意を新たにしていました。この体験授業を含む「English for Careers」は文学部・教育学部・家政学部の学生が受講できます。
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