特集
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2023.1.6
健康福祉学部の健康スポーツ学科で保健体育教諭を目指すHさん。入学後、授業のなかで指導者には自分が想定している以上に幅広い知識と技術が必要と実感。スポーツ以外にも栄養や健康について深く学べるシンジョで、「強み」のある指導者になりたいと努力を続けています。 スポーツを安全に、誰にでもわかりやすく教えるために ――保健体育教諭になるために、現在どのようなことを学んでいますか? 教職科目には大きく分けて「実技」と「指導法」の2種類があります。前期の実技では水泳、後期では器械体操と陸上をしました。各競技のいろいろな技を正しく習得できるよう、先生から指導を受けています。3回生は教職科目がぐっと忙しくなって、陸上競技場に行ってみんなで走ったり、設定された目標タイムを切るための練習をしたりと、毎週、体操服に着替えて身体を動かしながら授業を受けています。 ――「実技」は自分の身体を動かすスキルを磨く授業ということですね。では「指導法」では、どのような授業をされているんでしょうか? 指導者として生徒に身体の動かし方を教えるスキルを身につける科目です。実技で習得した技を今度はどうやって相手に教えるかを学びます。学生同士、交代で模擬授業を行うのですが、先生役として模擬授業を行った後には生徒役から指摘を受けるなどして、各自の授業内容や指導方法を改善していきます。1、2回生で学んだ中高生への授業のつくり方を思い返しながら指導案を考えたつもりでも、実際に模擬授業を行って初めて気づくことが多いです。 ――実技の指導ではどういうところが難しかったでしょうか? 自分が思っている以上に相手に伝わらないという難しさがずっとありました。私は模擬授業で柔道を体験したのですが、ほとんど未経験の競技だったので、まずは2回生の実技で学んだ内容を一生懸命思い出すことから始めました。徐々にコツを思い出して自分ができるようになっても、今度はどう教えたら良いか見当が全くつかず、とても苦労しました。 ――確かに、実際に先生になったら自分の専門外の競技も教えないといけないですよね。 はい。だからまずはやっぱり勉強だなと改めて痛感しました。何を教えるにしても、その競技の知識が不足しているとうまく伝えられないですから。人に教えるにはさらに深く競技の特性を理解して、つまずきやすいポイントを押さえ、伝え方を工夫する必要があります。「指導法」では二人一組で模擬授業の指導案を考えて授業を行うのですが、ペアの友人と一緒にYouTubeで柔道の練習法を調べながら勉強をしました。文字と写真だけではわかりにくい部分もあって、実際に体を動かしたり動画を見たりと、工夫しながら考えています。 ――指導の準備段階でもいろいろな発見や成長があるんですね。うまく伝えるために意識していることはありますか? 細かく丁寧に言語化することです。模擬授業で「こうやって」とか「ああやって」という指示語を使ったあいまいな指示をしてしまうときがあるのですが、先生からはよく「誰が聞いてもわかる言葉で指示を出すように」と指導を受けています。たとえば「あっちを向いて進んで」ではなく「体育館の方を向いて進んで」みたいに。後者の方が圧倒的にわかりやすいですし、間違いがないですよね。 ――確かにそうですね!それぞれが思う「あっち」に進んでしまうと、危険もある気がします…。 そうなんです。私自身、友だちの模擬授業を受けたとき不安に思うことが何度かあって。相手の感覚に頼ったあいまいな指示には危険が伴うと感じました。その経験から危機管理の意識がとても大切だと思ったんです。大学生約10人に教える模擬授業とは違って、現場では中学生40人を1人で見ることになります。授業を安全に行うには、ものすごく広い視野と全員に伝わる的確な指示の両方が不可欠であると強く認識しました。4回生の春にはいよいよ教育実習が始まるので、そこは抜かりなく意識して臨みたいです。 栄養の知識を「強み」にして、生徒の力になりたい ――健康スポーツ栄養学科の授業ではスポーツや教育に関する学びだけでなく、栄養についても学んでいるんですよね。 はい。食物の消化・吸収の仕組みや衛生について、座学や実験を通して幅広く学んでいます。卒業すると栄養士の資格が取得できるくらい専門的な知識が得られます。私も中学・高校の保健体育教諭の免許だけでなく栄養士の資格を取得予定で、実習では実際に学校で提供される給食の献立作成や調理を行いました。 ――保健体育教諭を目指す上で役に立つ部分もあるのでしょうか? はい。以前、スポーツ栄養の授業で高校の運動部員に栄養指導を行ったのですが、私の想像よりもはるかに熱心に話を聞いてくれる生徒たちの姿に驚きました。彼らはいわゆる強豪チームで普段から自分なりに食生活にも気を遣っていたそうなんですが、私の話を興味深く聞いて、次々と質問をしてくれました。これまで勉強してきた栄養の知識で生徒たちの力になれることがわかって、とても嬉しかったですし、栄養の知識は保健体育教諭としての私の強みになると実感しました。 ――まさにスポーツと栄養を関連づける健康スポーツ栄養学科の学びが活きた瞬間ですね。 そう思います。将来教員になっても、スポーツの楽しさや技術を教えるのはもちろん、健康的な体づくりに必要な栄養管理についても指導するなど、部活動や勉強に励む生徒たちを支えたいです。保健体育の科目を教えるにあたっても、栄養の知識を取り入れることで私ならではのおもしろい授業ができるんじゃないかと考えています。 健康スポーツ栄養学科の特色 人の健康を支える「食(栄養)」と「運動」の両方を学び、卒業後には栄養士の資格取得が可能。スポーツのパフォーマンス向上に必要な栄養などを理解することで、アスリートを含む運動をする人の栄養・運動指導ができる人材を養成します。 詳しくはコチラ! 生徒たちに伝えたい「努力を続けられる強さ」 ――今、授業以外で何か打ち込んでいることはありますか? 幼稚園児が通うサッカー教室でボランティアをしています。あとは同好会でバドミントンをするなど、勉強のためでなく純粋にスポーツを楽しむ時間もつくっていますよ。なかでも一番の思い出は、3回生の12月にハワイで開催されたホノルルマラソンに出たことです! ――ホノルルマラソン!何か参加のきっかけがあったのですか? 実は以前からシンジョでは授業の一環でホノルルマラソンに参加できる機会があったそうなのですが、新型コロナの影響でしばらく中止になっていたんです。それが3年ぶりに復活したと聞いて参加を決意しました。いつかはフルマラソンを走ってみたいと思っていたんですよね。大学からは私を含めて20人弱が参加しました。ホノルルの気候は走りやすい上に景色が最高で!最後は足が動かなくなるほど疲れましたが、素晴らしい景色のおかげでなんとか完走できました。ただ目標タイムの5時間は4分だけ超えてしまって。「あと少し!」と悔しい思いをしたので、いつかまたリベンジしたいです。 ――4回生では教育実習や教員採用試験に向けての勉強も本格化します。これからの目標を教えてください。 まずは、教員採用試験に向けて最後まで頑張り切ることです。保健体育教諭は倍率が高く難しいとされています。仲の良い高校時代の体育の先生も一発合格は難しいと言っていました。だから、後で振り返ったときに「自分の人生の中で一番頑張った!」と思えるくらい、努力の1年間にしたいと思っています。 ――大変だと思いますが応援しています!採用試験に合格したら、どんな先生になりたいですか? 私の尊敬する中学時代の先生は「頑張ることは恥ずかしいことじゃない」とずっと言ってくれました。中学生は全力で頑張ることが恥ずかしくなる年頃だと思いますし、特に体育では運動が得意な子と苦手な子の差が開きやすく、苦手な子は頑張り続けることが難しいかもしれません。だからこそ、生徒たちと接するときには「できる・できない」ではなく、頑張ることが何よりも素晴らしいと伝えられる先生になりたいと思います。 2023年1月取材 ※取材時3回生
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2023.1.6
社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験合格を目指す社会福祉学科のNさん。授業や実習を通してさまざまな社会問題に直面するなかで、自分の目指す将来像が見えてきたと言います。夢の実現に向けて、どのように学びを深め、サポートを受けてきたのか聞きました。 福祉現場の実習で得た、多くの学びと精神保健福祉士になるという目標 ――まずはシンジョの社会福祉学科に入学した理由を教えてください。 障がいをもつ友だちが身近にいたこともあって、将来は誰かの役に立てるような職業に就きたいと思っていました。社会的に弱い立場にいる人をサポートできないかと考え、福祉に関わる仕事にたどり着いたのと心理カウンセラーにも興味がありました。シンジョの社会福祉学科なら心理学と福祉を同時に学べると思い入学を決めました。 ――社会福祉学科の授業では、どのようなことを学んできましたか? 1回生は英語などの共通科目を中心に履修し、専門的に福祉を学びはじめたのは2回生からです。授業では障がい者や児童、高齢者に加え、ひとり親家庭、生活保護、虐待、ヤングケアラーなど、さまざまな社会問題を多くの事例とともに学びました。 ――福祉施設での実習もあると聞いています。具体的な学びについて教えてください。 3回生で受講した「社会福祉士援助実習」は、実習先として高齢者施設や児童養護施設、障がい者施設などから第3希望まで選ぶことができます。私は第1希望の救護施設で、利用者さんとコミュニケーションを取りながら個別支援計画の作成などを行いました。先生から指導いただきながら利用者さんを主体としたニーズの把握や支援のあり方を学びました。それと同時に生活保護の課題や障害への理解を深めることもできました。4回生では「精神保健福祉士援助実習」として精神科病院へ実習に行きました。社会的入院の背景にあるのは患者さんの病状だけでなく、退院後の行先がなかったり、家族との関係性が希薄であったりすることを知りました。精神保健福祉士の役割をはじめ、患者さんとご家族に対する支援のあり方や精神障害の特性、多職種連携など多くのことを学びました。この実習が精神保健福祉士を目指すきっかけにもなりました。 ――実習を通じて、自身の発見や気づきにつながったエピソードを教えてください。 4回生の実習では、自分が「精神保健福祉士は、こうでなければならない!」といった理想に固執していたことに気づかされました。現場ではスタッフみなさんで課題を共有しながら解決し、患者さん一人ひとりの特性や気持ちに寄り添った対応をされていました。その姿を見ているうち、完璧にこだわるよりも自分の未熟さに向き合い、わからないことはわからないと率直に伝えることが長期的な関わりを意識した本当の意味での「誠実さ」だと教えられました。 多様なフィールドで活躍できる力が身につく社会福祉学科 医療や福祉の現場でより幅広い専門性を発揮できる力を身につけるための学びを提供。「社会福祉士」「精神保健福祉士」「介護福祉士」の3つの資格を目指すことができ、試験合格に向けたサポートも充実しています。 詳しくはコチラ! 実習での経験や大学での人とのつながりが、2つの資格取得を目指す原動力に ――2つの国家資格取得を目指そうと思ったのはなぜですか? 現在目指しているのは、社会福祉士と精神保健福祉士の国家資格です。シンジョは国家試験の合格率が高いと聞いていたのですが、入学当初は「受かったらすごいだろうな」「親孝行になるかな」くらいにしか考えていませんでした。でも実習を通じて福祉現場で活躍されている方々の姿を間近で見るうち、私もこんなふうになりたいと感化されました。当初は社会福祉士だけを考えていましたが、4回生の実習で精神疾患の方と関わったことで、視野や可能性を広げるためにも精神保健福祉士とのダブル取得を目指そうと思うようになりました。 ――国家試験の勉強は大変だと思いますが、頑張る原動力となっているのは何なのでしょうか? まず実習で多くの患者さんと関わり、支援者の立場を実際に体験できたことが資格取得へのモチベーションの維持と向上につながりました。もうひとつは1回生からの友だちの存在です。目指す資格が同じなので、悩みや辛さを共有したり、「お互い頑張ろう」と励まし合ったりできる大きな心の支えになっています。 ――試験に向けて、シンジョの資格取得サポートをどのように活用していますか? 本格的に準備を始めたのは、3回生の実習を終えた2~3月ぐらいでした。シンジョの「国家試験対策室」のサポートで利用したのが、社会福祉士国家試験に向けた対策講義です。外部の専門講師が来られて、前期は試験の頻出項目や重要項目にポイントを絞り、基礎知識がしっかり身につくよう指導いただきました。後期は演習問題などで習熟度を確認しながら知識の底上げを目指します。木曜の開講日には必ず出席をして、メモは翌日までに見直すようにしています。 ――自分が行っている勉強方法や、必携アイテムを教えてください。 勉強をするときは5年分の国家試験過去問解説集と大きめの付箋を常に机に置いています。過去問の解説を自分なりに要約して、それを書き込んだ付箋をページごとに貼り付けているんです。私は書かないと内容が頭に入らないタイプなので、この方法を実践しているのですが、どんどん付箋で分厚くなっていく問題集を見ると、自分の頑張りが目に見えてやる気が上がります。それから、私は切り替えが苦手なのでストップウォッチを使って勉強時間を設定しています。集中力や勉強の質が高まるのでオススメですよ! 合格は、将来の夢への第一歩 ――大学生活での学びや経験などを通じて、身についた力や自分が成長したなと感じることを教えてください。またそれは、どのような体験を通じて培われましたか? ひとつがコミュニケーション力です。私は今までかなりの人見知りでしたが、実習では自分からコミュニケーションを取りにいかなければならない機会が多くありました。試行錯誤しながらいろいろな方とお話しすることで、普段の会話や発表の場などでもあまり緊張しないようになりました。また講義や実習のなかで知らない事例と向き合うたびに、背景やアプローチ方法を積極的に考える探求力が高まったと思います。試験対策では勉強を習慣化したことが成績にも反映され、継続する力がついたと実感しています。 ――卒業までにどのような専門科目を学びたいと思っていますか? 低所得者層と精神障害の分野について学びたいと考えています。社会福祉士援助実習で救護施設へ行ったのですが、そこでは精神障害の方が多く、それぞれ生活保護に至るまでの背景が異なり、さまざまな事情を抱えていることを知りました。そうした方々への支援のあり方や制度、サービスを考えるためにも、もっと専門的な知識を身につけたいと思ったんです。 ――では最後に、将来の夢やプランを教えてください。 将来は社会福祉士・精神保健福祉士として、福祉現場のフィールドで働くのが目標です。さまざまな理由で生活に生きづらさを抱える人たちに誠実に寄り添い、身につけた正しい知識や技術で「この人になら安心して相談できる」と信頼していただける存在になりたいです。 2022年10月取材 ※取材時4回生
特集
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2023.1.6
今回は管理栄養士養成課程から、食のプロである管理栄養士と、子どもたちに食の楽しさを伝える栄養教諭を目指す在学生にお話をお聞きしました。 小学校での食の経験が、栄養教諭を目指す原点に。 ――栄養教諭を目指すようになったきっかけを教えてください。 食に対する関心が芽生えたのは小学生のときでした。公立の小学校でしたが、給食がバイキング形式だったり、季節の行事に関する内容だったり。食育の授業にも力が入っていたんです。それが当たり前の環境で育ってきたのですが、中学、高校と進むにつれて小学校で得られた食の経験は栄養教諭の先生がすごく努力されたからだと気づきました。おかげで嫌いな食べ物もほとんどなくて。いろんな食材を食べることができるってすごいことだと。自分もそんな食の経験を子どもたちに提供したいと思い、栄養教諭を目指すようになりました。 ――大学選びでは何が決め手になりましたか? 大学は栄養教諭の免許が取れるところを志望していました。私は高校では文系だったのですが、シンジョの管理栄養士養成課程は文系科目でも受験することができ、入学後も管理栄養士に必要な生物や化学を基礎からフォローしてくれる授業があるところに大きな魅力を感じていました。また、近隣の女子大では附属高校から入学する学生が多く、入学時にはその学生同士のグループができていることがあると聞き不安だったのですが、シンジョには附属高校がないので、ほとんどが初対面から始められるところも魅力でした。 ――管理栄養士としての専門的な知識や技術はどのように学んでいきましたか? 1・2回生の間に、食材についての知識や栄養計算など、現場で必要とされる基礎となる知識を授業で習いました。また、調理実習も1回生のうちからあり、いろんな食材に触れて、調理技術を身につけるところから学びました。個々の授業で学んだ専門知識を実習で少しずつ実践と紐づけ、積み上げていくことができ、着実に成長している実感がありました。 ――高校は文系とのことでしたが、実際に入学した後の授業はどうでしたか? 「管理栄養士のための化学・生物」という授業では、管理栄養士になる上で必要な専門的な知識を学びました。こちらは必修科目なので全員が受講するのですが、私はそれに加えて「特別化学・生物」という選択科目も受講しました。理系の高校で学ぶような基礎からしっかり学ぶことができ、生物・化学に自信がない学生はこの授業を受けていましたね。大学によっては自力でカバーしないといけない部分だと思いますが、丁寧に教えてもらえるのはすごくありがたかったです。よく友人と得意な分野を教えたり、質問し合ったりしていました。一緒に目標に向けて頑張る仲間ができたのも心強かったです。 ――管理栄養士養成課程では大量調理の実習もあると聞きました。 はい、まさに一番印象に残っている実習です。3回生のとき給食経営管理実習室で大量調理を経験しました。5~6人の管理栄養士役と20人ほどの調理役に分かれ、50人分の給食をつくるという授業です。管理栄養士役は、栄養価のバランスを考えて献立を作成し、発注から調理まですべてを担当します。栄養価ももちろん大切ですが、食事なので見た目も良く、味もおいしく、食品ロスがない食べきれる量で…と考えないといけないことが多くて。1、2回生で学んだことを総動員して献立を作成しました。大変でしたが自分が学んできたことが力になっているなと実感できた実習でした。 ――大人数で大量調理はすごく大変そうですが、やりがいもありそうです。 実習では管理栄養士役と調理役を週ごとに交代して行いました。管理栄養士役のときは自分が手を動かすのではなく、調理役のメンバーにいかに動いてもらうかに注力する必要があるのですが、これが本当に難しかったです。20人の担当を割り振って、指示をするための計画書をつくって挑んだのですが、実際にやってみると早く作業を終えて手が余ってしまう人がいたり、管理栄養士役の学生ではなく先生に質問する学生がいたりと反省点が多かったです。 ダイナミックな大量調理が体験できる「給食経営管理実習室」 学校、事業所、福祉施設、病院などの特定給食施設で、ニーズや栄養・食事計画、献立、サービスのあり方など、給食を運営し管理するための体験学習をします。100食以上の大量調理に対応できる設備で、現場の雰囲気を感じながら技術を磨くことができます。 栄養教諭としてのスキルを身につけながら、夢を再認識。 ――教職課程ではどのような授業がありましたか? 教職課程の必修のなかに、模擬授業のような形で食育を経験する授業がありました。テーマや対象を自分で決められるもので、私は大学生を対象に栄養の偏りや食に対する興味喚起をテーマに授業を行いました。料理のイラストの裏に栄養価を記したカードを使ったのですが、小学生を対象にした学生はカルシウム量を数値ではなく骨のイラストで表すなど、見せ方に工夫の仕方が見られました。自分で一から授業を考える経験はもちろん、他の学生の授業を見られたことも、すごく勉強になりました。 ――周りからも良い刺激があったんですね。同じように教職を目指す学生は多かったですか? どちらかというと、管理栄養士として現場で活躍することを目指している学生がほとんどなので、私の学年では教職志望は5人ぐらいでした。でも、教職の授業で一緒になることが多かったので自然と仲良くなりましたし、授業以外でも一緒に模擬授業を披露し合ったり、ときには励まし合ったり。同じ目標を持つ者同士、助け合いながら頑張っています。 ――4回生の教育実習では、どのような体験をされたんでしょうか? 4回生の6月に母校へ教育実習に行きました。栄養教諭の実習は1週間しかなく、他の科目と比べると授業の時間は少ないと思います。私は一度だけ授業を担当したのですが、話し方や板書の書き方に具体的なアドバイスをいただきました。板書の書き方ひとつで意味が伝わらなくなってしまうこともあり、児童に教える立場として重要なスキルだと実感しました。 ――児童たちの授業での反応は? とにかくかわいかったです!児童から「先生に教えてもらったことを家でも実践したよ!」と報告を受けたときはとても嬉しかったですし、教師の仕事は子どもたちにこんなにも影響を与えるんだと新鮮な驚きもありました。4回生では、実習に就職活動、卒業論文と大変だったのですが、教育実習を体験して、栄養教諭になりたい思いを再確認できたことは本当に良かったです。自分がなりたいだけでなく、子どもたちの未来のために「どんな栄養教諭になるべきか」を考え直すきっかけにもなりました。これからも管理栄養士の国家試験合格を目指して頑張ります! ――将来は、どのような栄養教諭になりたいですか? 自分が小学生のときに経験したような「食の楽しさを伝える」食育を大事にしたいです。でも、そのためには、まず安心安全な給食がないと成り立たないんですよね。シンジョで栄養教諭の仕事についての理解が深まったことで、その奥深さを知れたことは私にとって大きな経験になりました。子どもたちにおいしい給食を提供するための土台から、これからもしっかりと学び続けていきたいと思います。 これからの社会に欠かせない「食」のリーダーを養成! 管理栄養士養成課程 食の多様化や少子高齢化が進む現代では、教育、医療などさまざまな現場で「食」が重要視され、そのエキスパートである「管理栄養士」の需要も高まっています。シンジョの家政学部管理栄養士養成課程では、資格取得のサポートはもちろん、専門的な知識の習得や現場さながらの実習が体験できる最高の環境を用意。食の分野をリードする「管理栄養士」を養成します。 詳しくはこちら! 2023年1月取材 ※取材時4回生
特集
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2023.1.6
衣・食・住にまつわる幅広い学びを通じて、さまざまな人びとの暮らしを科学・デザインする家政学科。ファッション、インテリア、金融など多様な将来像が描けるなか、小さい頃からの夢であった家庭科教員への道を選んだ学生に、学科での学びや就職までの道のりについて伺いました。 いつも味方でいてくれた先生に憧れ、シンジョの家政学科へ ――入学時から先生を目指していたそうですね。何かきっかけがあったのですか。 高校生の頃、ある出来事が原因で少し落ち込んでしまう時期があったんですが、そのときに支えてくれたのが担任の先生でした。私のことを信じ、常に味方でいてくれて、とても心強かったことを覚えています。その先生は、学校行事でいつも一番に動いて生徒を引っ張ってくれる存在で、クラスに良い雰囲気をつくってくれていました。この先生との出会いが、私が教師という道を考え始めたきっかけですね。生徒のことを一番に考えて行動する姿は、今でも目標とする教師像のひとつです。 ――いろいろな教科があるなかで、家庭科を選んだのはなぜですか? 小学校で家庭科クラブに入るほど、昔から裁縫やファッションが好きだったので、家庭科の教師になればずっと好きなことを学び続けられると思いました。あと、家庭科では正解がひとつではないことが多く、いろいろな可能性が開かれているところも魅力ですね。 ――シンジョに進学したのは、家庭科教員の合格実績の高さが決め手ですか? そうですね。また、同じ夢をもつ仲間が多くいる環境も魅力的でした。オープンキャンパスに参加したとき、先生方や在校生の先輩たちの雰囲気が自分に合っているなと感じたことも、シンジョに入学することを決めた理由の一つです。 「地域学習」の授業で子どもたちと自分の成長を実感 ――先生を目指す学びのなかで特に印象に残っている科目はありますか? 学校で募集しているボランティア活動のうち、15個を選び参加する「地域学習」の授業が印象的でした。私は「将来、生徒を指導するときに役立つ経験がしたい」と思い、子どもと関わる活動を中心に参加しました。たとえば、児童館で子どもたちに勉強を教えたり、マラソン大会の準備を手伝ったりしたこともあります。また、大阪府の小学校の教室を借りて運営している子ども食堂のボランティアには、今でも月に1、2回参加しています。 ――子ども食堂では、どのような活動をされていたのですか? ごはんの配膳はもちろん、子どもたちに勉強を教えたり一緒に遊んだり。あとは、保護者の方のお話を聞くこともあります。悩みを抱えている場合には、なるべく寄り添ってお話を聞くようにしています。少しは気持ちを和らげることができていれば嬉しいですね。毎月参加してくれる子もいて、今ではすっかり顔なじみになりました。喜んでくれる子どもたちの表情を見ると、力が湧いてきます! ――実際に地域学習の現場に出たことで得られた学びはありましたか? はい。たとえば子どもたちが喧嘩をしたとき、以前はただ行動を止めるだけしかできませんでした。でも今は当事者同士の意見を聞いて、話し合いのなかで解決策を探るようにしています。子どもたち自身もしっかりと考える機会をもてるようになっていますし、子どもたちと一緒に自分自身の成長も感じます。 ――一つひとつの経験が教員の夢につながっているんですね。他に印象に残っている授業はありますか? 子どもたちとの関わり方を学ぶ「教育相談」が印象に残っています。「生徒が応えやすい発問の仕方」など、実践的な手法について学生が主体となって考える授業で、楽しんで受けられました。<発問:授業中に教師が行う意図的な問いかけ(指導言)のこと>教育実習では、グループワークを取り入れたり「ファッションの持続可能性」をテーマに絵を描いてもらったりなど、授業で学んだ内容を活用できたと思います。 ――ファッションの持続可能性とはどんなことですか? たとえば、ファッション業界では大量生産、大量消費、大量廃棄が当たり前の時代があったんですが、最近では限られた資源を有効に使おうという意識が強くなってきていて。そのために自分たちにできることは何かを考えてもらうんです。環境にやさしい素材を使うとか、着なくなった服をリサイクルするとか、子どもたちも積極的に授業に参加してくれて、「楽しかった!」という言葉を聞くことができました。これから実際に教壇に立ってからも、生徒が楽しいと思える授業を行いたいです。 さまざまな視点で「暮らし」を学ぶ家政学科 少子高齢化や環境問題など社会を取り巻く課題を知り、人びとが安心で快適な暮らしを送れるよう、知識と技術を深める幅広い学びが受けられる。インテリアコーディネーターやファイナンシャル・プランナー、中学・高校教諭一種免許状など、多彩な資格が取得できるのも魅力! 詳しくはコチラ! 友人や先生に支えられ、たどり着いた夢のスタートライン ――教員採用試験合格に向けてどのように勉強していましたか? 通学時間をよく利用していました。教員採用試験についてまとめたYouTube動画や、試験対策ができるアプリを活用し、授業や課題制作など忙しいなかでも「通学時間だけは勉強する!」と決めて、隙間時間を効率良く活用できるよう意識して努力を続け、最終的に神戸市と大阪府の両方に合格することができました。 ――大変だったことは何ですか? 採用試験対策を始めた頃は、とにかく面接が苦手でした。質問をされても頭が真っ白になって上手く答えられず、不安でいっぱいになったことがあります。でも、教師なるために4年間一生懸命勉強してきたので、諦めたいと思うことはなかったですね。家政学科には不安な気持ちを分かち合える友だちもいて、お互いに励まし合うことができたので、最後まで頑張ることができました。 ――大学のサポートではどのようなものを利用しましたか? 教職支援センターの方にもたくさん助けていただきました。気軽に相談しに行ける環境があって良かったです。教員採用試験に向けて週2、3回ほど面接練習をしていただいたことで、場慣れすることができて、自分の考えを話せるようになりました。それだけではなく、話し方や声の出し方など、相手にわかりやすく伝えるための基本的な方法から、より印象的に伝えるための発言の仕方など、自分では気づけなかった点を指摘していただき、本当にありがたかったです。教職支援センターのサポートがあったからこそ、合格できたと言っても過言ではないです! ――実技試験対策はどのようにされましたか? 家政学科は教職支援が手厚く、模擬授業の準備は1回生のときから行っていました。指導案の作成や模擬授業の練習を多く重ねてきたため、試験でも緊張せずに力を発揮できたと思います。それから、裁縫の実技試験ではミニポーチを作ることになっていたんですが、私は昔から裁縫が好きだったので得意だと思っていたんです。でも実際は自己流になっている部分がたくさんあって、試験ではそこが指摘されるかもしれないと分かりました。だから試験の2週間前くらいからは、担当の先生にご指導いただきながら毎日練習をしていました。そのおかげで基礎から見直すことができ、自信につながりましたね。 ――最後に、同じように先生を目指す受験生にメッセージをお願いします! 受験勉強や大学に入ってから、たぶん社会に出てからも「つらい」「しんどい」と思うときは誰でもあると思います。そういうときは無理をせず、たまには思いっきり休んでみてください。自分を追い込みすぎず、リラックスして友だちと支え合いながら、諦めずに頑張っていれば報われるときが来ると思います。 2022年11月取材 ※取材時4回生
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2023.1.6
小学校の先生だった母の背中を追って、春から小学校の先生になるTさん。経験豊富な教育学科の先生たちの指導や実習に加え、アルバイトや部活動などシンジョで過ごした日々は、すべて教員の糧になったと実感しています。印象的な学びや活用したサポートについて聞きました。 教育学科での充実した学びが教員を目指すうえで大きな糧に ――そもそも小学校教員を目指そうと思ったきっかけは? 母が小学校の教員だったので、先生の仕事は私にとって身近なものでした。家族として間近に見ていて「大変そうだなぁ」と思うこともありましたが、子どもたちが一番成長する大事な時期を見つめられるのは、とてもやりがいのある仕事だとも感じていました。児童一人ひとりの目標や夢に向かって一緒に頑張っていける楽しみは、教員しか味わえない醍醐味だと思い、小学校の教員を目指すようになりました。 ――教員を目指す上で、シンジョの教育学科を選んだのはどうしてですか? 大学選びの第一条件は、小学校の教員免許を取得できることでした。シンジョは教員採用試験の合格率が高いと知り、志望しました。実際に大学生活を送ってみると、学科での学びや「教職支援センター」のサポートなど、さまざまな場面で合格率の高さを裏付ける工夫が施されていて、シンジョで学ぶことができて良かったと思っています。 ――シンジョで学べて良かったと思う点を具体的に教えてください。 1回生から模擬授業を経験できる機会が多く、子どもたちの主体性を育む授業づくりを意識しながら取り組むことができました。友人の授業を見る機会も多く、勉強になりました。ほとんどの先生が実際に初等教育の現場経験をもつ方なので、具体的な事例を交えながら実践的に学ぶことができる点もとても良かったです。「教職支援センター」の試験対策講座も充実していました。学生一人ひとりに合わせた合格へのカリキュラムが組まれているので、効率的な勉強ができますよ。学内説明会では、モチベーションを高めてくれるお話をしていただくこともありました。学科の友人たちも本気で先生を目指している子ばかりなので、一緒に勉強したり、お互いの勉強時間をSNSで共有して刺激し合ったり。モチベーションを保ったまま試験にのぞむことができました。 ――教員採用試験の勉強を本格的に始めたのはいつ頃でしたか? 3回生の12月頃から少しずつ始めていましたが、本格的にスタートしたのは年が明けた2月頃からです。教員採用試験を受ける学生のほとんどが使っている「セサミノート」という問題集で、ひたすら過去問を解くようにしました。過去10年分を3~4周はしたと思います。何度も解くので直接書き込まず、別の紙に回答を書くようにしていました。間違えた箇所は解けるまで何度も繰り返して自分の頭に叩き込みました。 ――教職支援センターはどのように利用していましたか? 4回生の試験の時期には大変お世話になりました。とくに2次試験の面接対策では何度も通って練習を重ねました。毎回本番さながらの対応で細かく改善点を指摘いただけるのが、とてもありがたかったです。 英語学習を通して子どもたちの視野を広げ、異なる価値観を尊重し合う心を育みたい ――4回生の教育実習ではどのような経験をされましたか? 私は小学6年生のクラスを担当しました。ちょうど思春期に差し掛かる年齢なので、最初は照れていたのか緊張していたのか、あまり話しかけてもらえませんでした。そこで、休み時間や給食の時間に積極的に自分から話しかけたり一緒に体を動かして遊んだりして、できる限りリラックスした時間を共有するように意識しました。すると、子どもたちが徐々に心を開いてくれて、いろいろな話をしてくれるようになりました。自分なりに工夫して子どもたちとの関係性を良い方向へもっていけたので嬉しかったですし、自信にもつながりました。 保育園・幼稚園から高校まで、教育のスペシャリストを育むシンジョ 人や社会の変化に柔軟に対応できる力を育むシンジョの教育学科。教員採用試験合格率の高さの秘訣は子どもたちと接する機会がたくさんあること。経験豊富な先生からの指導と現場での経験を交えながら、これからの教育の現場で求められる素養をしっかり積み上げ、憧れの先生への道を切り開きます! 詳しくはコチラ! ――教職のほかにも在学中にチャレンジした資格があるとか。 はい。幼稚園教諭免許と小学校英語指導者資格にチャレンジしました。幼稚園から小学校に上がると、子どもたちをとりまく環境はガラリと変わり、自分のことはすべて自分自身でしないといけません。幼稚園との環境の違いにショックを受け、心理的ストレスを感じてしまう「小1ギャップ」という問題があるんです。そこで、小学校に入学した子どもたちがどのような困難を感じているのか察知できるようになりたいと思い、幼稚園教諭免許にチャレンジしました。園児について学んだことは、今後の幼小連携や幼小接続の面でも役立つと思っています。 ――「小学校英語指導者資格」とはどういった資格ですか? NPO法人小学校英語指導者認定協議会が認定している資格で、アルクやイーオン、ECCといった教育系の事業者や大学などが講座を実施し、資格取得をサポートしています。2020年から始まった小学校での完全英語必修化により英語の指導能力が求められると思い取得しました。私自身、英語は苦手だったのですが、大学入学後に通った英会話教室が楽しくて英語が好きになりました。子どもたちにも、最初に触れる英語に苦手意識をもたず、楽しいことを知ってもらいたいです。小学生のうちに「英語は楽しい」「やればできる」と思ってもらえるように、歌や映画、音楽などを使った授業で英語に親しんでもらいたいです。 ――小学校教諭だけでも授業や実習などが大変だと思いますが、そのほかに2つも資格を取られたのですね。課外活動やアルバイトの時間はありましたか? アルバイトをして、スキー部にも所属していました。部活では主将を務めているので他大学と交流する機会もあり、忙しいなかでも充実した活動を送ることができました。私はアルバイトも部活も、学生のうちからいろいろな社会経験を積める場だと思っていたので、普段からマナーや人との関わり方を身につけられるよう意識していました。一見、教員とは関係ない活動に見えても、ここで得た経験が教員としての立ち振る舞いにつながっていると思います。 ――在学中、ご自身ではどのように成長したと思われますか? もともとどちらかというと消極的な性格で、本当は人前に立つこともあまり好きではありませんでした。教育実習や部活、アルバイトなどで多くを経験し、何かにチャレンジする勇気や行動力が身についたと思います。失敗もありますが、それは次につながる大切な経験だと前向きに捉えられるようになりました。 ――将来はどのような先生になりたいですか? グローバル教育に力を入れたいです。英語は低学年から学習することになりますし、これからの社会を考えると言葉だけでなく、歌や絵本、映画などを通じて文化の違いやおもしろさを知ってほしいです。私自身、さまざまな人の外国での体験談を聞く機会があり、視野が広がったと感じています。その経験や小学校英語指導者の資格を活かして、多様な文化や価値観を知る楽しさを伝え、他者を思いやり、尊重し合える姿勢を育んでいきたいです。 2022年11月取材 ※取材時4回生
特集
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オープンキャンパスで楽しそうに歴史を語る先輩の姿から史学科に興味をもったOさん。在学中は分析や調査など、実際の出土遺物や遺跡に触れながら、探究心をもって積極的に取り組んできました。過去を読み解くことで視野が広がるなど、史学科の奥深い学びについて伺いました。 歴史的な遺産や遺物を通じて過去を学び、今の暮らしを見つめ直す ――シンジョの史学科に進学した理由を教えてください。 もともと歴史に興味があり、史学科のオープンキャンパスに参加しました。そこで、教授や先輩方のお話を聞かせていただいたのですが、どの先輩方も目を輝かせて楽しそうに歴史のお話をされていて。その姿を魅力的に感じ、史学科を志望しました。なかでも「日本考古学コース」を選んだのは、机に向かって文献を追うだけでなく、調査報告書に記された遺物の出土位置や地層から年代測定を行ったり、土器などの実物資料から多角的に分析できたりと、直接歴史に触れる体験ができる点に魅力を感じたからです。 ――専門科目では具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか? たとえば「日本考古学実習」では、古墳時代から平安時代頃までつくられていた「須恵器」という陶質土器を実際に使って、大きさを測ったり、紙に書き写したりしながら遺物の実測方法を学びます。ほかにも、専門的な機材を使った測量法や硬貨を使用した拓本の取り方など、技術的な学びの幅を広げながら、遺跡のフィールドワークで理解を深める経験を積みます。また、学んだ知識を活かして一般の方向けに文化財の紹介方法を考えるなど、学芸員が日常的に行うような業務にも取り組んでいます。 ――とくに印象的な授業はありますか? 2回生で受講した「日本民俗学実習II」で、日本の年中行事や妖怪について学んだことがとても印象に残っています。鹿児島には「トシドン」という秋田県のナマハゲのような来訪神(年に一度、決まった時期に訪れる神) がいて、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。雲の上から子どもたちを見守っていて、この地域の大人たちは「いい子にしないとトシドンが来る」と、子どもたちをしつけてきました。トシドンは大晦日の夜に家々を訪れ、子どもたちの日頃の良い行いを褒めたり諭したりしながら、新年を迎えるための大きな餅を与えて去っていきます。このように受け継がれてきた風習からは、子を思う親心や一年を無事に過ごしたいと平和を願い続けてきた人びとの想いが感じられ、改めて身近な文化風習を見つめ直す良い機会となりました。 ――実際に現地を訪れて行事を体験することもあるそうですね。 トシドンについては海外の先生によるオンライン講義でしたが、フィールドワークももちろんあります。国立民族学博物館を見学したり奈良県の世界遺産を探訪したりと、地域史を自分の目で確かめながら考察したときには、日常では得られない価値観の広がりを感じました。受け継がれてきた文化の重みや人びとの想い、これからの暮らしをより良くするにはどうすればいいかなど、さまざまなことに考えが及ぶようになりました。どちらかというと高校までの歴史は「暗記」のイメージが強かったのですが、シンジョでは事象を深く掘り下げていく面白さを実感できました。特に考古学分野では「出土遺物」という物的証拠から当時の風習や暮らしをどう解釈するか、分析に基づいた考察の大切さを学びました。 ゼミ×フィールドワーク×プレゼンテーションで体系的に歴史を学ぶ 文学部史学科 古代から近現代まで各時代専攻が充実した日本史はもちろん、世界中の歴史が学べる史学科。豊富な文献や資料に実際に触れながら、当時の人びとの暮らしや文化を考察する力や情報を整理するテクニック、プレゼンテーションによる発信力など、社会に出てからも役に立つ技術や考え方を養うことができます。 詳しくはコチラ! 発掘調査での経験からチャレンジすることの大切さを実感 ――卒業後に向けては、どのような準備をしましたか? 3回生で本格的にゼミの活動がスタートすると、卒業論文のテーマを固めるためのレジュメの作成や発表が多くなりました。情報収集をして精査し、分析をして自分の考えをまとめ、わかりやすく相手に伝える難しさを実感しました。各分野の特殊講義もはじまり、より専門的にテーマを掘り下げ、考察する楽しさを知りました。 ――資格取得に向けた勉強はされていましたか? 博物館学芸員の資格を取るために定められた科目を履修しました。もともと博物館は好きだったのですが、博物館以外でも将来に活かせる学びの要素がたくさんあると感じ、資格取得を目指しました。授業数が多くて大変でしたが、友人と支え合いながらなんとか乗り切れました。専門分野以外では、就職活動に向けてMOS(Microsoft Office Specialist:Word、Excel、PowerPointなどの利用スキルを証明する国際資格)を取得しました。シンジョのキャリアサポートセンターでWordとExcelの講座を申し込み、対面式とオンラインで学びました。個人的には対面での講義のほうが集中力を高めやすかったですね。オンライン講座は自分のペースで学べるのが魅力ですが、一度にたくさんを受講せず、少しずつ積み重ねるイメージで時間配分や問題量を自分なりに決めて取り組みました。 ――専門科目での学びや資格取得など、シンジョでの学びはご自身にどのような影響を与えましたか? 以前の私は挑戦することに抵抗を感じる傾向があり、興味をもっても結局やらずじまいで後悔することがありました。その傾向を変えるきっかけとなったのが、2回生で参加した発掘調査です。「なんだかおもしろそう。やってみようかな」という軽い気持ちでしたが、一緒に参加する友人もいて勇気をもつことができました。これを機に、その後も博物館ボランティアに参加したり資格取得を目指したり、チャレンジへの抵抗が少しずつなくなったんです。在学中に培われたこのチャレンジ精神を活かし、就職活動でも積極的にインターンシップや説明会、各種イベントにたくさん参加しました。ちょっとした興味を掘り下げてくださる素晴らしい先生方や、一緒にチャレンジできる友人に恵まれた環境のもと、自分の気持ちに正直になれたことで充実した学生生活を過ごせましたし、行動を起こすことの大切さを学べたと感じています。 ――シンジョでの学びを、将来どのように活かしていきたいですか? シンジョで得た「挑戦することの大切さ」を胸に、いろいろなことにチャレンジし続ける努力を続けたいです。卒業後は信用金庫に就職が決まっているので、これからは地域の発展に従事していくことになりますが、お客様に「◯◯支店といえばOさん」と信頼いただけるような職員になるのが目標です。仕事に関わる資格の取得に力を入れながら、機会を見て発掘ボランティアにも再び参加したいですね。 2022年10月取材 ※取材時4回生
特集
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高校生のときにブラジルに1年間留学し、コーヒーが大好きになったという国際教養学科のTさん。学科では語学に加え国際社会へ視野を広げ、好きなことや目の前の課題をとことん突き詰め続けた結果、コーヒー業界での内定を獲得しました。充実感を得た4年間の学びについてお話を伺いました。 目の前の目標に向けて努力して得た成果が、次のチャレンジのモチベーションに ――国際教養学科に進学を決めた経緯について教えてください。 中高生のときから英語が得意で、高校生のときにはブラジルに1年間留学するなど語学を積極的に学んできました。大学ではもっと進んだ形で英語を学びたいと思い、語学だけでなく国際的な教養を専門的に学べるシンジョの国際教養学科に興味を持ちました。実際にオープンキャンパスに参加し、留学が必須であることやアジアの言語を専門科目として学べるところにも魅力を感じましたね。 ――英語以外の言語にも興味はありましたか? はい。ブラジル留学の際に台湾人の友人ができたので、以前から中国語を学びたいと思っていました。国際教養学科の1、2回生では必須科目に「アジアの言語」があったので、そこで中国語を学ぶことにしたんです。アットホームな雰囲気のなか、クラスメイトと中国名で呼び合ったり、中国語で挨拶をしたり。授業は週2回でしたが、毎回、帰宅後はすぐに課題に取り組み、熱心に予習復習を行った結果、期末考査では満点を取ることができました。自分が頑張った証を残したいと思い、中国語検定にも挑戦しました。クラスメイトより上の級にチャレンジし、無事合格。自分の性格的に結果を出すことが次のモチベーションにつながるので、在学中は中国語だけでなくハングル検定やExcelの検定など、可能な限り幅広い語学や資格にチャレンジしました。 ――必須である留学プログラムでもアジアへの留学を選んだそうですね。 2回生の必須である長期留学プログラムでは、台湾への留学を希望しました。留学プログラムは留学先の定員に対して希望者が多ければ試験と面接による選考があるのですが、無事に合格することができました。本当は1年間の予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大によって2ヶ月弱で帰国を余儀なくされました。残念でしたが、少しの期間でも留学ができて良かったです。 ――台湾への留学経験を通じて、どのような学びがありましたか? 異なる価値観や文化をもつ人々が共生することの難しさを感じました。2回生で「多文化共生論」という授業があるのですが、自分が当たり前と思っていたことが他人にとっては当たり前ではなく、それぞれの環境や価値観によって共生は難しいと学びました。そうした座学での学びが、留学によって目の前の現実とリンクし、輪郭をもって自分の課題として入ってくるような体験でした。同時に、海外文化だけが異文化ではなく、同じ日本においても隣人と自分の生活や価値観は違うので、それも多文化の共生と捉えることができると感じました。 ――“共生”は現在の国際社会では重要なキーワードですね。 そうですね。例えば、私は1回生のときに「ジェンダー論」を受講したのですが、男女共同参画も共生のひとつの考え方と捉えています。学外研修では兵庫県立男女共同参画センターの講義を受けたのですが、ジェンダーに関して自分なりの意見をもつことは大切だと思いました。ジェンダーに関する法律や女性史、古くからの価値観から現代の価値観への変遷などについて学べたことは、これから国際社会を生きていく女性として有意義だったと思います。 グローバルに活躍できる人材を育成する国際教養学科について 語学力だけでなく、幅広い国際教養と世界に通じる対話力、情報処理能力を身につけ、さまざまな国際分野でリーダーシップを発揮できる女性・世界の平和と地球環境の未来のために協働する女性を育みます。 詳しくはこちら 在学中のすべての経験が未来につながっていると感じる ――就職活動をスタートさせる際、どのようなキャリアプランを考えられましたか? 総合職での就職活動が自然な選択でした。ジェンダー論の授業などを通じて、女性のキャリアについて考える機会をもてたことが影響しているのかもしれません。自分の女性としての人生観が少しずつ形成されていったように思います。また、自分の趣味であるコーヒーと大学での国際的な学びがリンクしたこともあり、コーヒーに関係する業界での就職活動を決めました。在学中には、コーヒーの知識を深めたいと思い、コーヒーソムリエの資格を個人的に取得しました。卒業論文でもコーヒーの2050年問題を取り扱うことに決めました。目の前のことに精力的に取り組むことで、大学での専門的な学びと自分の好きなことが自然とつながっていきました。 ――コーヒーの2050年問題とはどういうものですか? 地球温暖化による気候変動によってコーヒー栽培に適した土地が減少し、2050年には現在のような生産活動を維持できなくなる可能性があるというものです。また、現在のコーヒー栽培には子どもたちの労働搾取の問題もあり、フェアトレードに取り組む流れもあります。卒業論文の執筆にあたり、フェアトレードに取り組む企業に取材をしたり、インターネットを活用した調査を行ったりしたのですが、その経験を活かして就職希望先をコーヒー豆の卸問屋かコーヒーショップを展開する企業に絞っていきました。 ――内定先に就職を希望したのはどのような点に魅力を感じたからですか? コーヒーに関わる業界で仕事をしたいと思い、卸会社とショップのどちらが自分に向いているかを考えていたとき、アルバイト先であるアパレルショップでの接客に楽しさややりがいを感じていることに気づきました。毎月行われる店舗の表彰制度で表彰されたことで、自分の接客は社会で認めてもらえるのではという自信もありました。それからはコーヒーショップを展開する会社の説明会に参加し、「カフェ・ヴェローチェ」や「カフェ・ド・クリエ」など個性豊かなコーヒーショップのブランドを展開するC‐United株式会社への就職を決めました。近い将来、海外出店の予定があると聞き、第1号店の店長になれるよう頑張りたいと希望しました。 ――これまでの経歴や語学力を存分に活かせそうですね。頑張ってください! ありがとうございます。以前、社長のお話を聞く機会があり、その際、海外進出の第1号店は台湾など日本から近いアジアの国から考えていると話されていました。台湾やコーヒーといった、自分がこれまで一生懸命取り組んできたことと一致して、運命の出会いのようでした。これまでの経験をしっかりとアピールした結果、4回生になる前の3月早々に内定をいただくことができ、とても嬉しかったですね。 ――好きなものを突き詰めていった先に、将来の展望が見えていった感じですね。 どうせなら自分の好きなことを仕事にしたいとずっと思っていました。就職活動をスタートさせた頃には化粧品会社の説明会などにも参加したのですが、やはりコーヒーが好きだと改めて思って。就職活動や大学での学びを進めるうちに展望が開けていった感じです。これからシンジョを受験する皆さんも、今興味のあることに突き進んでいけば、必ず未来は見えてくると思います。 2022年10月取材 ※取材時4回生
特集
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小さい頃の体験からずっとCAに憧れていたというSさん。見事内定を獲得した現在は「お客様に寄り添うCAになりたい」と期待に胸を膨らませています。狭き門を突破できた理由を聞くと、200点以上のスコアアップを実現させた「TOEIC® Training」や目指す業界について専門的な知識と技術が見につく「English for Careers」など、実践的な英語力を養う英語英米文学科の学びが強い味方になったようです。 将来の夢を叶えるため、実践に生きる英語力を身につける ――CAの仕事にあこがれをもつようになったきかっけは? 小学生の冬に一人で飛行機に乗って、地元の富山から東京まで行かなければならない用事がありました。でも、搭乗する日はすごい大雪で飛行機が飛ばないかもしれないという状況で。結局、3時間遅れで離陸したのですが、その間、CAさんに時間を感じさせないような接客をしていただきました。その仕事ぶりには、子どもながらに「すごいなぁ」と感動しました。このときのCAさんにあこがれて、私もお客様の記憶に残るようなCAになりたいと思うようになったんです。 ――CAを目指すにあたり、シンジョを選んだ理由はどういう点でしたか? 姉が関西に進学していたので、関西の大学を検討していました。シンジョはエアライン英語が学べることと、ハワイ大学のセメスタープログラム(長期語学研修)があることに魅力を感じました。セメスタープログラムは英語英米文学科2回生を対象とした4ヶ月間の語学研修なのですが、残念なことに新型コロナウイルスの影響で、私が2回生のときは中止になってしまいました。 ハワイ大学研修・留学プログラム シンジョではハワイ大学への留学を実施しています。全学部を対象とした1ヶ月間の英語研修のほか、英語英米文学科2回生を対象とした4ヶ月間の長期語学研修もあり、英語力の向上をサポートしています。研修期間中は「神戸女子大学ハワイセミナーハウス」に滞在。大学へはバスで約5分、ショッピングセンターにも近く、安心、便利に過ごせます。 詳しくはこちら! ――新型コロナ禍ではどのように英語力を磨いていきましたか? 1回生の授業では主にライティングとスピーキングに取り組みました。このときにしっかりと英語の基礎が身についたと思います。「TOEIC® Training」では受講とTOEIC®受験を繰り返すのですが、リスニングのコツなどを教えてもらえたことで200点以上スコアが伸びました。2回生のときは、「Oral Presentation」という授業があり、会話やプレゼンテーションで実際に英語を使って表現する訓練をしました。英語英米文学科では、1回生でインプットとライティングを徹底的に身につけ、2回生でオーラル表現によるアウトプットを学び、3回生以降は自分の将来を見据えた実践英語に取り組むという流れでカリキュラムが組まれています。 ――将来のキャリアを見据えた実践的な英語はどのように身につけていかれたのですか? 3回生のときに「English for Careers」という授業で、エアラインやホテル、旅行代理店といったツーリズム業界で役立つ表現を学びました。学生同士がペアでロールプレイする授業があり、ホテルの従業員とお客様になりきって英語で接客をしたり、飛行機の機内アナウンスの練習をしたりと、本番さながらの実践を積めたことは就職活動に役立ちました。この授業ではおもてなしについても教えていただいたので、将来、現場で実践してみたいです。その後、4回生でエアライン英語を受講。3回生の後期からは就職活動が始まるので、大学の資格取得講座を受講したりオンライン英会話アプリで個人的に会話力を磨いたりしました。 ――大学の資格取得講座を活用して、どのような資格を取られたのですか? 航空業界で働きたいという夢があったので、そこで活かせるような資格に絞って勉強しました。資格取得講座では秘書技能検定2級の講座を受講し、合格に導いていただきました。あとは実用英語技能検定とTOEIC®に取り組みました。 英語英米文学科のEnglish for Careersとは 3回生から参加できるプログラム。志望する業界でどのような英語が必要とされているかを知り、その英語力を集中的に学び習得することに特化した英語英米文学科独自の授業です。 詳しくはこちら エントリーシートの書き方から面接時のメイクまで、きめ細かな指導でCAに内定 ――留学経験のないまま就職活動に挑むことに不安はありませんでしたか? 2回生の長期研修は中止になりましたが、4回生のときにハワイ大学への英語研修が再開したので、1ヶ月間だけでしたが留学できました。現地の方と一緒にライブに行ったり食事に行ったり、とても楽しく過ごせました。講義など勉強の場で使う英語はできましたが、日常会話の簡単な英語がとっさに出てこないときがあり、今後の課題が見つかりました。帰国後は英会話アプリを活用しながら日常英会話を重点的に学び直しています。本格的に就職活動が始まる直前でしたが、念願の留学で多くを経験できました。 ――就職活動にはどのように取り組まれましたか? 4回生の春から始まるエアライン英語では、講師の先生が英語での面接練習やエントリーシートの書き方などを具体的に指導してくださるので、とにかく授業で聞いたことを実践しました。授業と並行して就職活動が進むので、面接での質問や返答に疑問があったときは、すぐに先生に質問するようにしていました。改善点もすぐにフィードバックをいただけたので、次の面接用にブラッシュアップできました。 ――さまざまなサポートを受けて、実際に成長できたと感じたことは? 就職活動を始めた当初はとても緊張していて、面接で頭の中が真っ白になったこともあったのですが、少しずつ緊張しつつも自分の頭でしっかり考えながら受け答えができるようになったので、短い期間でも成長を感じました。エアライン業界の就職活動では一般企業とは異なる注意点も多く、髪型から立ち振る舞い、メイクなど細かく指導いただきました。最初はCAとして求められる立ち振る舞いがなかなかできなかったのですが、何度も繰り返し改善点を指摘していただき、少しずつ身についてきました。 ――見事CAの内定を獲得され、夢に近づきました。将来に向けて頑張っていることはありますか? まずは卒業までにTOEIC®のスコアで700点を超えたいです。現在は650点なのですが、先日参加した内定式では、他の内定者の点数が700点、800点だと聞いて…。自分はまだまだと感じたので、気を引き締めて、入社までには同期に並びたいと思っています。あと今は、丁寧な接客を学ぼうとホテルのフロントでアルバイトをしています。最初は「お客様に寄り添う」とか「おもてなし」とはどういうものかわからなかったのですが、目の前のお客様の表情や服装、会話に心を配ったり、プラスアルファのお声がけを意識したりと実践を繰り返すなかで、その方にとって「オンリーワンのおもてなし」とは何かを学んでいるところです。全国のホテルアテンダントで競う接客のグランプリ大会にも挑戦したいです。私の原点は小学校のときの富山空港での体験なので、「人を大切に、国籍問わず多くのお客様に寄り添うことができるCA」を目指しています。 2022年10月取材 ※取材時4回生
特集
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もともとはCA志望だったIさん。卒業後は英語英米文学科で身につけた英語力を活かしつつ、長年の夢だった留学を実現させたいと、就職先を10月入社枠がある他業種に変更しました。「最後の最後まで悩んだ」と言いつつも、今は晴れやかな表情。どのような心境の変化があったのかを聞きました。 日常的に楽しみながら本場の英語や文化に触れられた ――島根県出身ですが、シンジョの英語英米文学科に進学を決めたきっかけは? 高校の先生が薦めてくれたのがシンジョでした。もともと航空業界でCAの仕事に就きたいと思っていたので、エアライン英語やツーリズム英語を学べるコースがあり、実践的な英語力が身につく学科を希望していました。島根県には希望の大学がなく、「どんな街で学生生活を送りたい?」と聞かれたときに「街並みが素敵な神戸に行ってみたいです!」と言ったのがきっかけです。 ――入学後はどのように英語の実践力を身につけていきましたか? ネイティブの先生が多いので、1回生の頃から英語での会話力やプレゼンテーション力を身につけることができました。ただ「伝える」のではなく、相手に「伝わる」話し方のポイントを学べたのが良かったです。最初はぎこちないプレゼンテーションでしたが、伝え方が上手なクラスメイトのジェスチャーを真似たり、ネイティブの先生に英文法の確認をしたり、試行錯誤を繰り返すなかで楽しく実践力がつきました。 ――英会話以外で印象的だった授業を教えてください。 3回生の「Advanced English Seminar」というゼミでは、オーストラリア出身の先生からオーストラリアの環境や歴史について学びました。知識を与えてもらうだけではなく、自分たちでオーストラリアの著名人や先住民について調べ、エッセイを書いたりプレゼンテーションをしたりとアウトプットの機会も多く、表現力を身につけることができたと思います。また、同じ英語でもオーストラリア英語、アメリカ英語、イギリス英語で表現や発音などが異なるのですが、その違いもわかるようになりました。在学中はホテルのフロントでアルバイトをしていたので、国によって微妙に異なる英語のニュアンスが実際にわかったときは嬉しかったですね。 ――航空業界を志望されていたとそうですが、力を入れて取り組んだことはありますか? 「生きた英語」として、オーラルコミュニケーションを磨くことももちろん大切ですが、就職活動では自分をアピールできる資格やスキルも重要だと考えていたので、「TOEIC® Training」を受講し、スコアアップを目指しました。スコア獲得のための具体的なテクニックを教えてもらえるので、1、2回生の2年間で200点ほどスコアを上げることができました。また、4回生では「エアライン英語/ツーリズム英語」を受講しました。外資系航空会社勤務経験のある先生が、マナーやお客様へのサービスの心得など航空業界以外でも役立つ「おもてなしの精神」を指導してくださいました。日本は伝統的におもてなしの心を持っている人が多く、気づいていないだけで日常的に受けているおもてなしがたくさんあることに気が付きました。 ――在学中には教職課程も受けていたと聞きました。 資格取得で将来の選択肢を広げられると思い、教職課程を履修しました。実は母が幼稚園の先生をしていて、大変さややりがいを身近に感じていました。学んだことを人に教える仕事にはどんな魅力があるのだろうと興味もあり、中学・高校の教員免許の取得を目指しました。生徒の発達心理から教育経営まで、教育について幅広く学ぶので、英語の専門教科とはまた違った視点で考える時間が増えたと思います。専門科目と教職科目の両立に苦労しましたし、就職活動と並行して教育実習や教員採用試験がありとても忙しかったですが、一度始めたことを途中で投げ出すのが嫌で、最後まで頑張りました。 目指す将来に向けて実践的な英語を習得! 英語英米文学科 の学び 観光業界や航空業界などのサービス業から教職まで、志望する業界でどのような英語が必要とされているかを知り、集中的に学ぶことができるシンジョの英語英米文学科。ネイティブの先生との日常的なやりとりで基礎力を高めながら、TOEIC®対策などでは技術的な知識も得られ、実践的な英語力を身に付けることができます。 詳しくはこちら 「今」叶えたい夢は何か。自分に素直になることで拓けた道 ――最終的な内定先は航空業界からホテル業界へ転向されたと伺いました。別の道へ進もうと決めた理由はどこにあったんでしょうか? 航空業界は以前から志望していて、内定も1社からいただきました。でも「今」したいことは何か、改めて自分と向きあった結果、高校生の頃からの夢だった留学が諦められなかったんです。在学中はコロナ禍の影響もあり、留学することができませんでした。それがどうしても心残りだったので、卒業後に留学ができるよう10月入社の枠がある企業を調べ、就職活動を続けることにしたんです。周りがどんどん就職活動を終えていくなか何度も心が折れそうになりましたが、納得いくまでやり切ろうと決めていたので、なんとか頑張り抜くことができました。「エアライン英語/ツーリズム英語」で学んだ英語力やホテルのアルバイト経験を活かせる星野リゾートに内定をいただき、留学という夢も実現させることができそうです。 ――憧れだった航空業界の内定を辞退することに迷いはありませんでしたか? もちろん悩みました。星野リゾートから内定をいただいたあとも、留学を諦めて航空業界に進むべきか、まずは留学して海外での経験を積んでから働くべきか――。10月の内定式ぎりぎりまで悩んで、いろいろと考え抜いた結果、やはり留学を経験して語学力を上げることや見聞を広げたいという自分の気持ちに素直になることにしました。そして、留学に行くからには「自分がシンジョで学んだことや留学で培った経験を活かして英語に携わりたい」と思うようになりました。星野リゾートは海外からのお客様も多いですし、海外進出が決まっているので英語に携わり続けながら、シンジョで学んだお客様へのサービスの心得やマナーを活かして働くことができます。自分の経験次第で次の新しい夢ができるかもしれませんし、これからの社会人生活が楽しみなんです。 ――今、夢に向かって取り組んでいることはありますか? 留学はワーキングホリデーの利用も検討したのですが、半年しか期間がないので語学学校で集中的に学んだ方が良いという先生方からのアドバイスもあり、語学学校に通う予定です。卒業までの間にも英語力を強化するべく勉強は続けたいと思います。TOEIC®も引き続き受験して、さらなるスコアアップを目指しています。帰国後は星野リゾートで働くことが決まっているので、ホテルでのアルバイトも引き続き頑張りたいです。おもてなしの精神を大切に、海外からのお客さまに心地良い時間を過ごしていただくためにも、英語でのサービス力を向上させたいと思っています。 ――新生活が楽しみですね。シンジョで自分はどう成長できたと思いますか? まず在学中に20歳という節目を経て、「自分のことは自分で決めなければならない」と自分の行動に責任を感じるようになりました。大学生活のなかでは、情報収集をしながら自分で決定する力、やり抜く力、周りに流されない力が身についたと思います。シンジョには私のように地方出身の学生も多く、同じ境遇の友だちと支え合いながら最後は自分の意思で自分の道を拓いていく。そんな生き抜く力を磨くことができた4年間だったと実感しています。 2022年10月取材 ※取材時4回生
特集
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シンジョの留学プログラムを活用して、在学中に2度の留学を経験したAさん。入学後は、コロナ禍で思うような活動ができない時期もありましたが、自分と向き合い続けた時間は無駄ではなかったと振り返ります。留学で得た経験と目指す将来についてお話を伺いました。 大好きな海外ドラマの世界を見てみたい! 周囲より1年早く留学を決行 ――在学中に2度の留学を経験されたということですが、昔から海外への憧れがあったんでしょうか? 幼少期から海外の女の子が出てくる作品が好きで、CS放送でホームドラマやアニメをずっと観ていました。その影響で、自然と作品で描かれるライフスタイルや風景などに興味や憧れをもつようになったんです。 ――では、昔から英語が得意だった? 小さいころはほとんど吹き替え版を見ていたので、本格的に英語と向き合ったのは中学生になってからでした。でも、好きだから勉強もはかどったし、周囲と比べてもわりとできるほうだったので、どんどん好きになっていきましたね。高校で進路を考える頃には、「実際に海外に行ってみたい。留学したい」という気持ちが強くなっていました。 ――シンジョを選んだのも留学が決め手ですか? 受験のときには、関西圏で留学が必修の学部学科があって、留学プログラムが豊富なところを中心に志望校を探していました。シンジョは2回生で留学が必修になっていて、留学先がいろいろと選べるところにも魅力を感じました。 シンジョの留学プログラム 海外の11大学と提携を結ぶシンジョでは、語学はもちろん、現地の学生と交流を深めたり英語を用いて専門性を深めたりなど、行先・内容ともに充実の留学プログラムを実施。また、国際交流・オンラインプログラムなど、国内にいながら多様な国の文化や言語を学ぶことができます。 詳しくはコチラ! ――入学後、すぐに1回目の留学に行かれましたね。 必修は2回生でしたが、「早く留学したい!」という気持ちが強くて。両親と相談して1回生の夏休みに1度目の留学に行かせてもらいました。結果的に2回生では新型コロナウイルスの感染拡大の影響で留学プログラムが全面中止になってしまって。1回生のうちに「やりたい!」と思ったことを実現できて良かったです。 ――1回生のイギリス留学では、どのような経験をされましたか? 1回生の8月に3週間イギリスのケント大学へ留学しました。イギリス郊外のカンタベリーという街があるんですが、そこで3週間、生活や観光をしながら英語研修を受けました。まずは英会話に慣れるところから始めて、その後にイギリス文学や歴史を学んでいく…といった徐々に学びを深めていくカリキュラムでした。シェイクスピア劇も観ましたよ。でも物語は難しいし、全然聞きとれないし、野外劇場だったのでかなり暑かった記憶があります(笑)。雰囲気は十分に味わえたので、良い経験だったと思います。 ――留学先で不安やさみしさはなかったですか? 私が参加したプログラムは国際教養学科以外の家政学科や史学科、看護学科の学生も参加していました。周りには日本の他の大学の学生もいましたし、シンジョの学生だけでもそれなりの人数がいたので、留学先での不安は全くありませんでしたね。担当の先生も優しくて、語学以外にもいろいろと良い経験はできたのですが、クラスでも寮でもシンジョの学生とずっと一緒にいられたので、その環境に甘えてしまって…。現地の学生ともっと交流しておけば良かったと後悔が残りました。そこで帰国後は「自分は厳しい環境でないと成長できない」と反省して、すぐマンツーマンの英会話教室に通って英語力を磨くようになりました。今も週に1、2回、通っています。 ――2回生になるとコロナ禍の影響で留学できなくなってしまいました。そのときはどのような思いだったんですか? そうですね。2回生で必須の留学が中止になり、残念な気持ちは強くありましたけど、周りのみんなも状況は一緒ですよね。留学に行けないのは自分だけではないし、ある意味「仕方がない」と気持ちを切り替えることにしました。「とにかく今は、できることをやるしかない」と思い、パソコンの資格や旅行関係の資格取得を目指して勉強を始めるなど、将来のための行動をするように心がけていました。その後、ようやく4回生で留学が再開されると聞いたときは本当に嬉しくて、すぐに申し込みを決めました。 ――1度目の留学とはどんなところが違いましたか? 2度目の留学先はハワイ大学で、4回生の7、8月で4週間滞在しました。オーラルコミュニケーションの面接があって、レベル別にクラス分けされるのですが、最上級のクラスに入ることができました。1度目の留学後、自分を追い込んで勉強した甲斐があったと思って嬉しかったのですが、今度は授業のレベルが高くてついていくのに必死でした。また、周囲は知らない人ばかりでしたし、年長でリーダーという立場を任されていたこともあって、積極的に現地の方とコミュニケーションを取るようにしていました。1度目では自分が積極的になれていなかったという反省があったので、2度目の留学では後悔のないよう、積極的に動くようにしました。 ――現地の学生と仲良くなるきっかけはどのようにつくりましたか? 最初は授業のプログラムで交流の機会を設けていただきました。少し話したら現地の学生に「Instagramを交換しよう」と言ってもらって。私は日本にいるときでもSNS交換はわりと気軽にできるタイプなので、そこから距離を縮めていきました。SNS交換をして、何度か大学構内で話して、今度遊びに行こう!――みたいな感じで。そうやって仲良くなった現地の学生が、今度は自分の友だちを紹介してくれて、どんどん交流が広がっていきました。帰国後も、私の投稿に反応を返してくれるなど、今でもつながれているのが嬉しいですね。 ――2度目の留学で自分の成長を実感したのはどんなときでしたか? 1番は積極的になれたことですね。現地の友だちがたくさんできたのは、すごく大きな経験になりました。あとは留学の最後にプレゼンテーションをしたのですが、発表のときのフォーマルな英語と、休憩時間での学生同士のカジュアルな英語を使い分けられているのが素晴らしい、と先生から褒めてもらえて自信がつきました。 コロナ禍だった時期も含め、大学生活のすべてが未来につながっている ――海外志向の学生にとって、シンジョの魅力はどういうところですか? 学部学科に関係なく「留学したい!」という強い意志さえあれば、誰でも留学プログラムに参加できるところが魅力だと思います。実際、イギリスでもハワイでも他学科の学生が多く参加していました。国際教養学科に関して言えば、海外経験の豊富な先生から語学はもちろん、その国の文化や風習など多くを教えていただけるのも魅力です。少人数のクラスなので先生との距離が近く、質問もしやすいですね。ゼミはさらに人数も少なくなるので、アットホームな雰囲気です。友人や先生、みんなが仲良しで、楽しく勉強ができる環境が私はすごく好きです。 ――大学では多くの経験をされましたが、卒業後はどのような道に進まれるんですか? もともと旅行が好きで、国内外のいろいろな地域・人に携わる旅行関係の仕事に就きたいと思っていました。3回生のときには旅行に関する国家資格を取得したんですが、当時はコロナ禍の影響が大きく、旅行業界の先行きに不安も感じていました。そこで、ITに関する基礎的知識を証明する国家資格、ITパスポートの資格取得に向けての勉強も始めたんです。就職活動では、夢だった旅行業界に進もうか迷いましたが、まだ回復の見通しが立ちづらい状況だったことと、IT業界での経験は旅行業界に再チャレンジしたいと思った際にも役立つだろうと考え、SE(システムエンジニア)として働くことを決めました。 ――将来のために、現在取り組んでいることはありますか? まずはSEとしてスキルを身につけて、いずれは旅行サイトの運営など観光業に携われるようになりたいです。夢へのスムーズな一歩を踏み出すためにも、卒業までにITパスポートの資格を取得し、TOEIC®では800点を取れるように勉強を頑張っています。2度の留学を通して、自分なりに考えて努力すれば成長につながると自信がもてました。将来は自分の好きなことを仕事にできるよう、一歩一歩、上を目指しながら英語力を磨いていきたいです。 2022年11月取材 ※取材時4回生
特集
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シンジョの手厚いサポート制度のひとつ「国家試験対策室」を活用して勉強への苦手意識を克服、今は楽しみながら看護師の資格取得を目指しているというOさん。大学での学びが将来の看護の現場で活きるのだと実感できたことが転機になったそうです。どのような体験があったのかを聞きました! 国家試験対策室を利用し、先生と二人三脚で苦手な分野を克服 ――看護学部国家試験対策室とは、どのような場所なのか教えてください。 国家試験対策室のサポートには個別支援や集団支援、夏期・冬期講習などがあって、私は2回生のときから個別支援を受けています。個別支援では、模試などの成績アップを目指す学生を中心に実施され、個別塾のような雰囲気のなか1対1で丁寧に指導いただけます。当初はまだ2回生ということもあり、苦手な分野にあまりやる気を出せなかったことを覚えています。基本的な内容からわからないことが多く、質問しづらい気持ちもありました。でも、どんな質問に対しても優しく丁寧に教えてくださって、安心感につながりました。 ――実際に個別支援を受けて成績は上がりましたか? 上がりました! 個別支援には4回生の初め頃まで通っていたのですが、その頃には「空きを待っている学生もいるし、十分成績も伸びたので個別支援を卒業してはどうか」と提案されるほどでした。マンツーマン指導なのでいつも予約がいっぱいだったのですが、どうしてもまだ不安なときは、何度か通わせてもらいました(笑)。それくらい、個別支援の時間は楽しくて充実していたんです。 ――どういうところが成績アップにつながったと思いますか? 疑問点を理解するまで教えてくれるのはもちろんですが、勉強の進め方を一緒に考えてくれたところがすごく助かりました。私はそれまでひとりで学習することが苦手だったんですが、自分は声に出すと覚えやすいと気づくことができました。また、個別支援は2週間に1回ほどのペースなのですが、その間も自分で勉強ができるよう宿題を出してほしいとお願いしました。このように一緒に進め方を考え、私の要望も汲んでいただいたおかげで、自分なりの勉強方法を見つけることができたんだと思います。また、ひとつできるようになるととても褒めてくれるので、きちんと見てくれているんだなと感じましたし、モチベーションにもつながりました。 ――楽しく勉強を続けるコツはありますか? よく友人と勉強しています。一緒に勉強するとわからないところを教え合ったり、点数を競い合ったり、楽しみながらもメリハリをつけて進められるので。人と教え合う勉強法も、私には合っているみたいです。あとは、問題集にイラストを描いたりシールを貼ったりして、見た目を楽しくしています。問題集は繰り返し何度も使うものなので、かわいいと愛着が湧きますし、見返すきっかけにもなります。苦手な勉強も楽しめる工夫をしたら続けることができるようになりました。 ――勉強の継続法を身につけたことで変化はありましたか? 主体的に勉強に取り組めるようになったと思います。今までは、ただ資料集の問題を解いて、単語を暗記してという作業でしたが、実習の経験と紐づけながら理解できるようになり、成長を感じています。知識と経験が結びつき、試験勉強の内容が将来、看護師として働くときの考え方や行動につながっていると実感できたことは、勉強に取り組む上で大きなモチベーションになっています。 一人ひとりに合わせて難関合格まできめ細かにサポート! 国家試験対策室って? 在学中からさまざまな資格取得が目指せるシンジョ。なかでも難関といわれる国家試験については、全学年を対象に専門の対策室を設けて、一人ひとりに合わせた支援を行っています。きめ細やかで手厚いサポートの成果は高い合格率に裏打ちされています。 国家試験合格実績 管理栄養士 149名(合格率94.3%) 社会福祉士 44名(合格率80.0%) 精神保健福祉士 6名(合格率100%) 介護福祉士 18名(合格率100%) 看護師 79名(合格率98.8%) 保健師 16名(合格率80.0%) 助産師 5名(合格率100%) その他、取得可能な資格一覧はこちら 頑張る背中を押してくれた実習での経験 ――3回生では実習で現場体験をしています。そのときの感想を聞かせてください。 3回生では4つの領域で各1回ずつ、年4回の実習があるんですが、初めての現場で慣れないことばかりですし、必要とされる知識やスキルが各領域で異なるので毎回本当に大変でした。実習がないときも授業や課題で忙しかったです。大変さはありましたが現場で学ぶことも多く、看護師へのモチベーションや自信につながる経験になったと思います。 ――どのような経験が自信につながったと思いますか? 実習で担当させていただいた男の子の患者様は、人見知りで最初はなかなか心を開いてくれませんでした。でも、自分なりにコミュニケーションの取り方を工夫したことで徐々に打ち解けて、最後には心を開いてくれたんです。距離が近づいたことも嬉しかったんですが、表情の小さな変化を見て接し方を変えたり少し声色を高くしたりと、話し方や言葉遣いを工夫して相手に合わせた対応がしっかりとできたことが実を結び、とても嬉しかったです。私はもともと明るい性格で人と関わることに苦手意識はありませんでした。高校時代にはバスケットボール部のマネージャーをするなど、誰かの役に立つことが昔から好きだったんです。だから患者さんと接する看護師の仕事は自分に向いていると思っていたのですが、実習での経験を通して強みが自信に変わりました。 ――強みを活かして、将来はどんな看護師になりたいですか? 症状だけでなく心に寄り添うことを大切に、患者さんやご家族の方を元気づけられる存在になりたいです。「Oさんになら安心して頼ることができる!」と思ってもらえる看護師です。そのためにも、まずは目の前の試験勉強を頑張っています!しばらくは卒業までの課題もあり、試験勉強だけに集中できていませんでしたが、ゼミの先生が声をかけてくれるので意識を維持できました。こうしたところで、大学全体が私たちの資格取得を支えてくれているなと感じます。これまで一緒に頑張ってきた友人や国家試験対策室の職員さん、担任の先生との時間を胸に、最後まで頑張ります! 2022年12月取材 ※取材時4回生
特集
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英語英米文学科でイギリス文学の研究や英語の修得に打ち込み、卒業後は金融業界へ。そんな将来像を描きながらも、就活では何から始めていいのか不安を抱えていたと言うIさん。最終的に大手銀行で内定を獲得できたのは、自分と丁寧に向き合ってくれたキャリアサポートセンター職員の支えがあったからと振り返ります。 キャリアサポートセンターの「就職ガイダンス」で強みを発見! ――銀行の内定、おめでとうございます!就職活動はいつごろ、どのようにスタートさせましたか? 就職活動を意識しはじめたのは、3回生から受講したキャリアサポートセンターの「就職ガイダンス」がきっかけでした。当時はコロナ禍ということもあって、就職について友だちと話したり、先生に相談したりする機会が全くなかったんです。不安や焦りが強くなり、ゼロから教えてもらえる場を求めていました。ガイダンスは自己分析からはじまり、就職活動の心得や進め方などを教えていただき、指導に沿ってES(エントリー・シート)を書いたり、学生時代に力を入れて取り組んだことをまとめるといった準備を進めていきました。 ――志望する業界や職種は、どのように決まっていきましたか? 「就職ガイダンス」を受講した当初は業界や就活の知識が乏しく、業界も職種も全く決まっていない状態でした。ただ漠然と「働くなら正社員で女性が働きやすい企業がいいな」とは考えていたので、まずは自分の視野を広げて経験を積もうと、3回生の8月頃から幅広い業種のインターンシップや説明会に参加しました。実際に業界を絞り始めたのは、その年の12月頃からです。 ――ほとんど白紙の状態から金融業界に絞り込んでいったんですね。そのプロセスに興味があります! 金融業界に注目したのは、「就職ガイダンス」での自己分析の結果が決め手でした。「自分がしたいこと」ではなく「自分にとって苦ではないこと」を考えたとき、勉強だけは苦じゃないことに気づいたんです。そこから、就職後もたくさん勉強ができる企業はないかと調べたところ、金融業界に目が留まりました。この業界で働くにはたくさんの資格が必要で、就職前から就職後まで常に学ぶ姿勢が求められる環境です。しかも働いてお給料をいただきながら成長ができるので、自分にピッタリの業界だと感じました。「自分がしたいこと」や「自分にできることは」について考える自己分析は、就職活動の根幹とも言えるので、「学び続けること」が私の希望であり、学ぶことへの熱意が自分の強みでもあると認識できたのは大きな収穫でしたね。 ――強みが見つかったあとは、就活がスムーズになったのではないですか? そうですね。自分の強みを発見できたのは良い機会になりました。ただ同時に、それらを言葉にするのは簡単ではなく、相手にうまく伝えることには技術や経験が必要だと気づきました。私は今まで自分を主張することに遠慮がちでしたが、キャリアサポートセンターの方と何度も練習を繰り返すうちに自分の考え方や思いを言葉にして伝えることに自信をもてるようになりました。「自分を知ってもらうこと、自分の考えを聞いてもらうこと」を楽しいと感じられるように変わっていったんです。 ――具体的には、どのようなサポートを受けられましたか? 就活が本格化する4回生の4月頃には、ほぼ毎週のように個人面談を予約して、ESや面接原稿の添削はもちろん、就職活動に対する漠然とした不安や悩みも聞いていただきました。私は大学院に通う兄と同時期の就職活動だったのですが、先に兄に内定が出たことで不安や焦りにつながり、「しんどいなぁ」と思うことが多々あったんです。そんなとき、キャリアサポートセンターの職員さんには私が抱えていた悩みに親身に向き合っていただき、優しい言葉をかけていただきました。そのおかげでモチベーションを保ちながら就職活動を終えることができたんだと思います。 就活生の強い味方「キャリアサポートセンター」って? 須磨、ポートアイランドの両キャンパスに配置。求人やインターンシップ関連の情報が得られるほか、学内業界セミナーや学内企業説明会も開催。学生対応をする職員の多くはキャリアコンサルタントの資格を持ち、在学中はもちろん、卒業後も進路決定まで全力でサポート。先生や家族とはまた違う心の拠り所として、多くの学生から支持されています。 詳しくはコチラ! ――現在は見事、大手銀行に内定しました。獲得までには、どのような苦労がありましたか? 就活は3回生の夏から始めたのですが、4回生の7月頃に当時の第一希望だった就職先から不採用の通知があったんです。経験が浅かったため面接で思うように力を発揮できず、自分の実力不足を痛感しました。落胆していたとき、ある都市銀行からESの下書きが途中になっていると連絡がきたんです。それが今の内定先です。改めてESを送ったら書類選考を通過し、面接に進むことになりました。大手銀行なので「正直、無理だろうなあ…」と思いながらも面接を受けることにしたのですが、その頃には、キャリアサポートセンターで何度も練習を重ねた甲斐もあり、緊張せずに自分の言葉で堂々と思いを伝えることができました。そして8月には内定をいただき、就活での積み重ねが最終選考に活かされたと思うと、悔しかった出来事も良い経験だったと気持ちを切り替えられました。 ――面接でのやり取りが、内定の決め手のひとつだったと感じます。具体的にどんなところを、どんな言葉でアピールされましたか? 自己PRで伝えたのは「学び続ける姿勢を保ちます!」という熱意です。学生時代は、目標だったイギリス文学への理解と苦手意識のあった英語力を高めるためにサークルやアルバイトをせず、ひたすら勉強と向き合ってきました。そのため、自分をアピールできるカードは「勉強を頑張り続ける」という1枚だけだったんです。面接では大学で懸命に勉強に取り組んだこと、苦手だった英語を克服してスピーチコンテストで優勝したことをアピールしました。そして就職しても、学生時代のような努力を続けられる自信があると伝え、学べる環境があれば自分はずっと成長できると必死に伝えました。手ごたえはありつつも半ばあきらめていたので、内定が決まったときには、嬉しい気持ちよりも、驚きのほうが大きかったですね(笑) 就職後に向けて資格を取得、学ぶ楽しさを改めて実感 ――就職後、予定されている配属部署や業務内容を教えてください。 春からは個人営業の部門に配属され、資産運用や信託などの情報提供や相談の受付を担当する予定です。他行と比較して金融商品のバリエーションが多いことが特徴のひとつなので、多種多様な商品展開に対応できるよう、在学中に証券外務員一種の資格を取得しました。現在はFP(ファイナンシャル・プランナー)と簿記の資格取得を目指して勉強中です。資格は頑張った成果が見えやすいので、勉強する楽しさを改めて実感しています。 ――面接での宣言通り、学び続ける姿勢を保っているんですね。最後に、将来の目標や夢を教えてください。 職場では女性の比率が高く、管理職も半数ほどが女性です。女性が活躍しやすい環境が整っているので、可能な限り自分のキャリアを積んでいきたいと考えています。また、内定先の人事部の方には、選考時から内定後までとても親身になって接していただきました。私も将来的には人事に関わる業務につき、今度は私が学生の就活をサポートする側になりたいと考えています。 2022年11月取材 ※取材時4回生